第4章 戦いの始まり
…きっと今まで以上の戦いになるわね。
そう感じたエレンは、おそれ山の麓から姿が見えないように、木の陰に身を隠しながらトロールがどんな生き物なのかを確めるべく、様子を伺っていた。
そこへ。
地割れするかのような足音を立てながら、トロールが現れた。
……大きい。見たところ三メートルといった所だろうか。
体を見れば、岩と木が重なりあったような頑丈な造りで、群青色の目に、太い腕と大きな手足。
二足歩行しているのを見ると、戦う時の速さがもの凄いのも頷けた。
ゆっくりと観察し終えたエレンは、小さな鏡と赤い液体が入った瓶をコルセットに挟み込み、剣と盾を持つと静かに立ち上がった。
ふと後ろを見ると、魔女二人は気を付けてねというように頷いていた。
それを見たエレンは強く頷いてから、トロールが後ろを見たと同時に茂みを掻き分けて進んだ。
無防備な背後から襲えば、こちらが有利になるだろうと考えていたのだが、それは甘かった。
…素早く振り向いたトロールはエレンを見るなり、太い腕を振り下ろしてきた。
人の気配に異形なほど敏感に反応するトロールの動きにエレンもいち速く鳥の姿に変身し、その拳をうまくかわしていくが、その拳はどんどん速さを増してゆく。
左右に動く拳を見極めながら飛んでいたつもりだったが、トロールの轟音のような叫び声が遠くで聞こえたような気がした………。
そう感じたエレンは、おそれ山の麓から姿が見えないように、木の陰に身を隠しながらトロールがどんな生き物なのかを確めるべく、様子を伺っていた。
そこへ。
地割れするかのような足音を立てながら、トロールが現れた。
……大きい。見たところ三メートルといった所だろうか。
体を見れば、岩と木が重なりあったような頑丈な造りで、群青色の目に、太い腕と大きな手足。
二足歩行しているのを見ると、戦う時の速さがもの凄いのも頷けた。
ゆっくりと観察し終えたエレンは、小さな鏡と赤い液体が入った瓶をコルセットに挟み込み、剣と盾を持つと静かに立ち上がった。
ふと後ろを見ると、魔女二人は気を付けてねというように頷いていた。
それを見たエレンは強く頷いてから、トロールが後ろを見たと同時に茂みを掻き分けて進んだ。
無防備な背後から襲えば、こちらが有利になるだろうと考えていたのだが、それは甘かった。
…素早く振り向いたトロールはエレンを見るなり、太い腕を振り下ろしてきた。
人の気配に異形なほど敏感に反応するトロールの動きにエレンもいち速く鳥の姿に変身し、その拳をうまくかわしていくが、その拳はどんどん速さを増してゆく。
左右に動く拳を見極めながら飛んでいたつもりだったが、トロールの轟音のような叫び声が遠くで聞こえたような気がした………。