第3章 魔女の抜け道
無理もない。
魔法使いが思い描いていた魔女の印象は、角張った顔の骨にどす黒く長い爪。
不気味な笑みを浮かべている…といった、古代のようなものだったからだ。
しかし、魔女にも様々な人種が存在するらしく、それにより違ってくるのだとか。
だが、理由はそれだけではない。
今まで魔法使い達は、魔女に会った者は魂を抜かれると考え、魔女が居そうな場所には絶対に近付かなかった。
そして魔女もそんな魔法使い達の心中を知っていたかのように、姿を隠す魔法を自分にかけていた。
その為、今まで誰も魔女の姿を見た事がなかったのだ。
「…これから先、どうやって西国に入るつもりだい?…いくら魔女が居るとはいえ、見付からないという保証はないぞエレン」
「…恐れながら国王陛下」
暫くの沈黙の後、モーリス国王の質問に逸早く反応したのはスフレだった。
「…私達はこれから東国の西側にある"魔女の抜け道”と呼ばれる森を通り、西国へと向かいます。…この森はおそれ山の裏側へと繋がっており、シムズ国王にも気付かれにくいかと思います」
「…うん!良い選択だね!そこから入ると、魔法を使っても魔女が使う魔法によって魔法使い達に気付かれにくいと聞いた事がある。…私も、通るとするならあの森しかないと考えていたのだよ」
微笑みを二人に向けたルパート国王は更に言葉を続けた。
「…さてと。そうと決まれば話は早い。エレン、私の早馬ヴィルナに乗っていきなさい。ヴィルナなら、あらゆる道を知り尽くしているから、君を森の入り口まで案内させよう。……それと、これを君に。…きっと後で役に立つだろうからね」
と、エレンに長い剣を手渡した国王。(この剣は長年魔法で鍛えたもので、呪文を唱える事でその威力を発揮する)
…その剣はまるで、これから先の旅がそう安易なものではない事を物語っているようにも見えた。
魔法使いが思い描いていた魔女の印象は、角張った顔の骨にどす黒く長い爪。
不気味な笑みを浮かべている…といった、古代のようなものだったからだ。
しかし、魔女にも様々な人種が存在するらしく、それにより違ってくるのだとか。
だが、理由はそれだけではない。
今まで魔法使い達は、魔女に会った者は魂を抜かれると考え、魔女が居そうな場所には絶対に近付かなかった。
そして魔女もそんな魔法使い達の心中を知っていたかのように、姿を隠す魔法を自分にかけていた。
その為、今まで誰も魔女の姿を見た事がなかったのだ。
「…これから先、どうやって西国に入るつもりだい?…いくら魔女が居るとはいえ、見付からないという保証はないぞエレン」
「…恐れながら国王陛下」
暫くの沈黙の後、モーリス国王の質問に逸早く反応したのはスフレだった。
「…私達はこれから東国の西側にある"魔女の抜け道”と呼ばれる森を通り、西国へと向かいます。…この森はおそれ山の裏側へと繋がっており、シムズ国王にも気付かれにくいかと思います」
「…うん!良い選択だね!そこから入ると、魔法を使っても魔女が使う魔法によって魔法使い達に気付かれにくいと聞いた事がある。…私も、通るとするならあの森しかないと考えていたのだよ」
微笑みを二人に向けたルパート国王は更に言葉を続けた。
「…さてと。そうと決まれば話は早い。エレン、私の早馬ヴィルナに乗っていきなさい。ヴィルナなら、あらゆる道を知り尽くしているから、君を森の入り口まで案内させよう。……それと、これを君に。…きっと後で役に立つだろうからね」
と、エレンに長い剣を手渡した国王。(この剣は長年魔法で鍛えたもので、呪文を唱える事でその威力を発揮する)
…その剣はまるで、これから先の旅がそう安易なものではない事を物語っているようにも見えた。