第3章 魔女の抜け道
ミーシャはエレンと目が合うと、慌てて目を反らした。(これは物事を考えている時のミーシャの癖なのだが、この仕草をした時は決まって何も考えてないのだから、困ったものだ)
思わず首を横に降りため息を漏らしたエレンだったが、どこからともなくスフレの声が聞こえてきたので、耳を傾けた。
スフレの話によると、東国の西側に"魔女の抜け道”と呼ばれる森があり、そこは魔女だけが知っている場所で、ここを行けばシムズ国王に気付かれる可能性も低く、おそれ山の裏側に繋がっている…との事だった。
翌日。日暮れと共に雨が上がり、小屋を出て長い道を真っ直ぐ進むと、やがて狭い路地へと入った。
ここを通り抜ければ東国だ。
冷たい風が吹き付け、その寒さを紛らわそうとエレン達は街の中を少しだけ見て回る事にした。
…そうしていると、誰かが後ろから附けてくる気配を感じた。
「…後ろから誰かが附けてきてるわね。…とりあえず逃げましょ?」
附けられている事が危険だと判断したスフレの声は焦っているようにも聞こえた。
「…大丈夫よ。…今、私を附けてる方は私が良く知っている人だもの」
「…そうよね?…ロティーヌ様?」
はっきりと名を呼んでからその場に立ち止まったエレンは後ろを振り向き、目の前に居た橙色の短髪に薄緑色の目をした男性を見つめた。
「…気付いておいででしたか。…流石ですね。…お元気そうで何よりです姫君」
その男性は、軍服姿のまま胸に手を当て一礼した。そしてその胸元には、伯爵の称号が印してあった。
…このロティーヌこと、ハンコック・ロティーヌは東国の五等爵で、何度か話をした事があったのだ。(東国では、評議員ではなく五等爵が国王に意見や助言が出来る)
だが、わざわざ伯爵ともあろう人がこうして附けて来たのは特別な理由からだろう。
「…それで、私に何かご用かしら?」
思わず首を横に降りため息を漏らしたエレンだったが、どこからともなくスフレの声が聞こえてきたので、耳を傾けた。
スフレの話によると、東国の西側に"魔女の抜け道”と呼ばれる森があり、そこは魔女だけが知っている場所で、ここを行けばシムズ国王に気付かれる可能性も低く、おそれ山の裏側に繋がっている…との事だった。
翌日。日暮れと共に雨が上がり、小屋を出て長い道を真っ直ぐ進むと、やがて狭い路地へと入った。
ここを通り抜ければ東国だ。
冷たい風が吹き付け、その寒さを紛らわそうとエレン達は街の中を少しだけ見て回る事にした。
…そうしていると、誰かが後ろから附けてくる気配を感じた。
「…後ろから誰かが附けてきてるわね。…とりあえず逃げましょ?」
附けられている事が危険だと判断したスフレの声は焦っているようにも聞こえた。
「…大丈夫よ。…今、私を附けてる方は私が良く知っている人だもの」
「…そうよね?…ロティーヌ様?」
はっきりと名を呼んでからその場に立ち止まったエレンは後ろを振り向き、目の前に居た橙色の短髪に薄緑色の目をした男性を見つめた。
「…気付いておいででしたか。…流石ですね。…お元気そうで何よりです姫君」
その男性は、軍服姿のまま胸に手を当て一礼した。そしてその胸元には、伯爵の称号が印してあった。
…このロティーヌこと、ハンコック・ロティーヌは東国の五等爵で、何度か話をした事があったのだ。(東国では、評議員ではなく五等爵が国王に意見や助言が出来る)
だが、わざわざ伯爵ともあろう人がこうして附けて来たのは特別な理由からだろう。
「…それで、私に何かご用かしら?」