第3章 魔女の抜け道
西国へと旅立ってから丸二日。
エレン達は城からずいぶん離れたってルベという街に居た。
ここは東と西、どちらの国にも近い所だ。
暗かった空に太陽が顔を出し始めた頃、街の外れに建てられていた小さな小屋を見つけ中に入ると、今は誰も住んでいないらしく、机には白い埃が溜まっていた。
小屋をゆっくりと見渡したエレンは、ここで一休みする事にした。
ここなら、突然の雨が降ってきたとしても、凌ぐのには丁度良かった。
それに、国民に顔を知られているので、いくら城から離れているとはいえ、国の中に居る以上は身を隠さなければならなかった。
そうでもしなければ、この後が大変な事になるのは目に見えているからだ。
徐々に降り出した雨は止む気配もなく、より一層強まるばかり。
…どうやら今日はこの小屋で一日過ごす事となりそうだ。
もちろん、魔法で雨を止ませる事も出来るが、なるべく魔法を使わないでいた方が、シムズ国王に気付かれなくて済む。
そう考えたエレンは早く雨が止んで欲しいという願いを込めて、窓の外を眺めてから口を開いた。
「…これからどっちの国に入るか話し合いましょ?…私としては西国より東国から入った方が、シムズ国王に気付かれにくいと思うの。…でも、それだと遠回りになってしまうのよね」
何か意見が欲しかったエレンはミーシャを見つめた。が……。
エレン達は城からずいぶん離れたってルベという街に居た。
ここは東と西、どちらの国にも近い所だ。
暗かった空に太陽が顔を出し始めた頃、街の外れに建てられていた小さな小屋を見つけ中に入ると、今は誰も住んでいないらしく、机には白い埃が溜まっていた。
小屋をゆっくりと見渡したエレンは、ここで一休みする事にした。
ここなら、突然の雨が降ってきたとしても、凌ぐのには丁度良かった。
それに、国民に顔を知られているので、いくら城から離れているとはいえ、国の中に居る以上は身を隠さなければならなかった。
そうでもしなければ、この後が大変な事になるのは目に見えているからだ。
徐々に降り出した雨は止む気配もなく、より一層強まるばかり。
…どうやら今日はこの小屋で一日過ごす事となりそうだ。
もちろん、魔法で雨を止ませる事も出来るが、なるべく魔法を使わないでいた方が、シムズ国王に気付かれなくて済む。
そう考えたエレンは早く雨が止んで欲しいという願いを込めて、窓の外を眺めてから口を開いた。
「…これからどっちの国に入るか話し合いましょ?…私としては西国より東国から入った方が、シムズ国王に気付かれにくいと思うの。…でも、それだと遠回りになってしまうのよね」
何か意見が欲しかったエレンはミーシャを見つめた。が……。