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姉妹の休息
探偵連載"隙ありっ"の番外編です。
宮野姉妹のちょっとしたお話。
「ごめんねお姉ちゃん、朝から…。」
『気にしないで良いのよ、私は志保と出かけられて嬉しいから。』
「そう言ってくれるなら嬉しいけど…」
まさか博士がうっかり終電を逃して神奈川で一泊するなんて…。
そんな風に言いながら隣でシートベルトを絞める妹を眺める。
終電を逃した上にお金も残っていないと言う絶望的なアガサ博士の状況を打破すべく車を出した黒凪は心底申し訳なさそうにする志保とは打って変わって綻ぶ表情をどうにか引き上げていた。
「…。思えば私、お姉ちゃんの事何も知らないのね…」
『え?』
「だってずっと私は研究室の中で、お姉ちゃんは私に会いに来てくれる側だったでしょう?」
組織を抜けてからじゃないとお姉ちゃんが運転出来る事も、拳銃を撃てる事もなにも知らなかった。
お姉ちゃんが愛した人の事だって、ちゃんと理解する事は出来なかった。
…寂しくないの?ふとそんな言葉が口から飛び出した。
今日はなんだか思った事をすぐに口に出してしまう様な気がした。
『何が?』
「赤井秀一さんと会えなくて。」
『ああ…、そりゃあ寂しいわよ。』
でもこの世界に居ないわけじゃないもの。
…毎日連絡は取れてるの?
勿論。笑って言った黒凪に安堵の息を漏らす。
『志保は好きな子はいないの?』
「……居ないわよ。」
『そう?…片思いとか今までした事ある?』
「ううん、無いと思う。」
片思いは少し辛い事もあるからねえ、少し複雑だけどちょっと安心したわ。
でもいつかは貴方にも好きな人が出来て、その人と結ばれたり結ばれなかったりして…。
灰原がちらりと隣に座る姉に目を向ける。
『貴方はもう組織の人間じゃないんだから、好きに生きて良いのよ。恋愛だってしたいだけすれば良いわ。』
「……、出来るかな。」
『出来るわよ。』
「…でもきっと誰も私なんて好きにならないわ。」
誰も?そんな風に聞き返した黒凪に「うん」と目を伏せる。
すると隣で小さな笑い声。
思わず顔を上げると「馬鹿ねえ」と聞き慣れた、いや、言い慣れたフレーズが返って来た。
『私がこんなに志保の事が大好きなのにそれを言うの?』
「!」
『凄い事だと思わない?貴方はもう私と言う1人の人間に愛されているのよ。』
それに秀一も貴方を愛しているわ。
勿論私の妹としてだけれど、貴方を命がけで護ってくれる。
そんな事を当たり前の様にしてくれる程度には、貴方の事を愛してる。
思わず灰原の頬が少し赤く染まった。
面と向かってそんな事を言われた事が無かったからだ。
「……、うん。ありがとう。」
『どういたしまして。…だから自分に自信を持って。』
「…うん」
『もしも貴方が愛した人が貴方を愛してくれなくても、…貴方を愛してくれる人がいなくなる事はないからね。』
うん、とまた返答を返す。
とても温かい言葉を当たり前の様に伝えてくれる。
そんな姉の存在はとても大きなもので。大好きで…。
『――あ、アガサ博士居たわよ。』
「!」
顔を上げる。手を大きく振って駆け寄ってくる博士に小さく笑顔を見せた。
もう少しだけ姉と二人きりでも良かったけれど、仕方がないわね。
いやー、すまんすまん!そんな風に言いながら後部座席に座った博士へ振り返って一言。
もう、仕方ないわね博士は。
(お姉ちゃん、電話掛かって来てるわよ。)
(え?ああきっと昴だわ。ちょっと電話繋げてくれる?)
(…はい。)
(昴?どうかした?)
((なんだか哀君を2人見ている気分じゃなあ…))
.
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はじめましてこんばんは。
Kと申します。
ニヤニヤしながら、もしくは泣きながらいつも楽しく読ませていただいております!
隙ありっ!の黒凪ちゃんがもし執行の時降谷さんを最後探しに行ったら、を読んでみたいです。
もしくは哀ちゃんとのまったりほのぼのを読んでみたいです。
紫様の書きやすい方で大丈夫です!
暑さも厳しくなってまいりましたので、どうかご自愛ください。
乱文失礼いたしました。
>>
K様、リクエスト誠にありがとうございました。
これからも当サイトをどうぞよろしくお願いいたします!
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