家庭教師ヒットマンREBORN
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騒音 × 恐音
スペルビ・スクアーロの奥様妄想。
「ゔお゙ぉい!!」
「うわぁああっ!? え、ス、スクアーロ!?」
「あれ? スクアーロなのな」
「テメェどういうつもりで此処にきやがった!?」
ひえーっと獄寺に隠れたツナ。
獄寺が爆弾を構える中、山本1人は笑ってスクアーロに近づいた。
その様子を見たスクアーロは持っていた刀2本のうち1本を何も言わず山本に投げ渡す。
突然の事に瞬きを繰り返した山本だったが、すぐにニッと笑うと外に行こうぜと扉を開けて意気揚々と歩いていった。
未だに警戒の目を向けるツナと獄寺をちらりと見たスクアーロは口を開いた。
「安心しろぉ! 今日は俺だけだぁ!」
「いやお前一人でも安心できないからー!」
「何でも単独任務と旅行がかぶったらしいぞ。」
「リ、リボーン…」
ズカズカと山本に続いて外に出ていったスクアーロ。
それを見ていたリボーンがツナの肩からぴょんと飛び降り、彼らに続くように歩き出す。
何処に行くんだよ、と言う問いに笑顔で返したリボーンは獄寺とツナに背中を見せるとぼそっと口を開いた。
「おもしれーもんが見れるらしいからな。」
「え? "おもしれーもん"?」
「マーモンからだ。ツナも来い。」
「え、あ…う、うん」
そうして走り出したツナに「ちょ、十代目!?」と獄寺も続いた。
ツナが2人の居る場所に着いた時には既に2人の斬り合い(という名のじゃれ合いだろうか?)が始まっていて、2人共本気の顔だ。
ヴァリアーとの戦いが終わってからと言うもの、時々こうして2人は刀を交えている。
あの時の戦い以来山本はスクアーロに勝ててなくて、少し彼も意固地になっている様だ。
カキィン、と音が鳴りぱっと2人に目を向けると山本の刀が弾き飛ばされたらしく「あちゃー」という山本の声が聞こえてくる。
「勝負あったなぁ!」
「あー、また俺の負けかぁ」
「まだまだ修行が足りねぇぞぉ! もういっぺん…、!?」
スクアーロがぐわっと身体を逸らす。途端に彼の身体があった位置に真横から1本の刀がものすごい勢いで通過して、向こう側の地面に突き刺さった。
あれ? あの刀ってさっき山本の手からすり抜けて言ったやつじゃあ…と全員の視線が刀が向かってきた方向へ。
「!? おまっ…」
スクアーロの声がひっくり返る。
彼の視線の先、というより全員の視線の先。
そこに立つ女性は、全員が思わず目を見張るほどの美貌とプロポーションを持ちながら…ものすんごい殺気というか、圧を放っていた。
『あんたねえ…。何処にいるのかと思ってたらこんな所で若い子ビビらせて!!』
ブンッ、と彼女が持つ大太刀の切っ先がスクアーロに向けられる。
それを見るスクアーロの顔は依然として苦虫を嚙み潰したようで。
「え、え!?」
「だ、れだあの女…。スクアーロに刀向けてんぞ…」
ツナと獄寺の言葉に応えるように「どうやら逆らえない相手みてーだな」と言ったリボーンは「これか」とニンマリと笑みを浮かべた。
「あ、あ…あの人何者ー!?」
ついに耐えきれなくなったように叫んだ(ツッコんだ)ツナを見たスクアーロは再び彼女へと目を向け、バッチリその視線が交わると、徐に目元を片手で覆いため息混じりにこう言った。
「俺の…嫁さんだぁ…」
しぃん、と場が凍り付く。
まず口を開いたのは、やはりツッコミ担当ツナだった。
「よ、嫁ぇー!?」
「はあああ!?」
「ははっ、流石のスクアーロも奥さんには逆らえないのな!」
ツナ、獄寺、そして山本とそれぞれの感想を述べると、最後の山本の言葉にスクアーロは何も言わず1度だけ頷いた。
そのあまりに素直な様子に「そんなに怖い人なのぉ!?」と目を見開き、スクアーロと女性とを交互に見つめる。
「いやなぁ…。昔女に言い寄られた時、その女が次の日ボロボロになって逆さ吊りにされててよぉ…」
『あーら懐かしいお話だコト。あの女ほんっとアンタと距離近かったよねえムカつくわあ。』
「こ、怖…」
「その後も俺と噂1つでも立ちゃあ次々と抹殺されていってなぁ…。」
そんで気づけば結婚してた次第だぁ…。
何の問題もなければ良い女なんだがなぁ…いかんせん何かあるとこれだぁ…。
そう項垂れつつ言ったスクアーロが改めて女性へと目を向け、こう問いかけた。
「で…今回はどの女殺してきたんだぁ? 黒凪。」
『これから殺しに行くとこ。一緒に来る? スペルビ。』
「俺ぁ日本で女なんざ作ってねぇぞぉ…」
『何言ってんのよ。アンタ前に日本でボロボロになった時治療してくれたナースに言い寄られたんでしょ? 知ってるわよ。』
ちゃんと断っただろうがぁ!?
ムカつくもんはムカつくから殺してくる。
おまっ、いい加減にそのキレやすい癖どうにかしろよぉ!?
じゃあアンタあたしを止めてみなさいよ!
やってやろうじゃねぇかぁ!
「うわーっ! き、斬り合い始まっちゃったよ!?」
「あの夫婦いつもあのテンションなら見てる側は胸やけするな。」
ものすごい勢いで交わる刀と刀を「あわわわ」なんて言いながら見るツナと、その次元の違う戦いにただただ戦況を眺めているだけの獄寺と山本。
対するリボーンは薄ら笑みを浮かべながら2人を見ている中、無言でスクアーロと刀を交わっていた彼女…黒凪がため息を吐いて刀を下ろした。
もちろんその様子を見てビタッと刀の勢いを一瞬で完全に殺したスクアーロ。しばし2人が見つめ合う。
その中でリボーンはスクアーロが苦い顔をしたことに気付いた。
「…またあの作戦で来るつもりかぁ黒凪。」
『うん。』
「…今回は乗らねぇぞぉ。」
『どうかねえ。』
自身の身長近くもある大太刀を鞘に納め、黒凪がスクアーロを見上げ、言った。
『アンタ今朝またパンツ脱ぎっぱなしだったよね。』
「う”」
『何っ回も言ってるわよねえ? メシ食った後も食洗器に皿を入れろって何っっっ回も言ってるわよねえスペルビ?』
「…だからってテメェの言うこと聞かなきゃならねェことは…」
『あるね。』
大有りよね。かぶせるように言った黒凪にスクアーロの勢いが徐々に衰退していっているのが見て取れる。
というか、彼女の目がほんっとうに怖い。殺気さえ放っている。
あれは、怖い。そうツナは1人考えていた。
そして結局再びうなだれたスクアーロが「好きにしてクダサイ」と白旗を上げたところまでを見て、やっとひきつった笑みが1つ、こぼれた。
恐妻家
(そして目当ての女性? に制裁を加えてきたらしい黒凪さんは憑き物が落ちたようにスッキリしていた。)
(あ、病院の近くにたい焼きが売ってたの。君たち学生でしょ? 食べな食べな。)
(うぉお”い黒凪…)
(スペルビ、さっきはゴメンね?)
(…お前頼むからずっとそんな感じでいてくれぇ…)
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