ワンピース
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信じられるわけがないじゃない。
ナミ成り代わりのヴィンスモーク・サンジオチ。
「そこの綺麗なお嬢さん、一緒に甲板でデザートでもどうですか?」
にっこり笑顔で片手に小さなケーキを乗せた皿を持ちそう言った我らがコック、サンジ。
そんな彼の顔を真顔で見上げ、その手にあるケーキへ目を向ける。
好物のチーズケーキ。断る理由はない。
『…欲しい。』
「ではこちらへ♡」
目に見えてうきうきとしだした彼に少しだけ困ったように眉を下げ、その背中についていく。
広い背中を見つめ、最近ではもはや癖ともいえるほどに繰り返した考えを巡らせる。
いつの間にか地面を見ていたのだろう、それを見かねたように横に並んでサンジが肩に手を回してきた。
『!』
「ホラ、下見てると危ないから。」
『…うん』
理由付けをする様に言ったサンジに頷いて、また床に目を落とす。
サンジに任せていれば転ぶことはない。そんなことを考えながら再び考えを巡らせた。
それはとてもシンプルな考えである。別に麦わらの一味を辞めようとかそんなことでは決してない。
ただシンプルに、このチャラいコックは私に本気なのか本気でないのか。ただそれだけ。
『(…最悪、遊ばれてもまあ………いやいや、こんな船の上で何日も離れられない様な生活の中でそんな無謀なことしないでしょ…?)』
「……黒凪さん。……黒凪さん。」
『うん?』
「甲板。」
あ。そんな素っ頓狂な声を出していそいそと座り、両手を彼に差し出した。
彼は途端に頬の筋力が一気に解けた様な笑顔を見せて、そのケーキを差し出してくる。
それを恐らく笑顔を隠しきれていないであろう表情で受け取りどこからフォークを入れようかとケーキの形をじっと見つめる。
サンジはそんな黒凪を先ほどの笑顔のまま見つめて、その隣に腰を下ろした。
「…あのさ黒凪さん」
『うん?』
「…俺本気だよ。」
『……うん、』
彼の目がこちらに向く。
その目を見返して、言った。
『そうだったらいいな、とは思ってました…』
「ははは、なんで急に敬語?」
『…そんな風に真正面からアタックされるのは初めてだから。』
「えー?黒凪さんの今までの人生はモッテモテのバラ色だと思ってたんだけど?」
そんな事ない。そう言おうと振り返った瞬間に唇のすぐ横にキスされた。
思わず固まって、まだ近くにあるサンジの顔に目を向ける。
向こうはその視線を受けると決め顔のまま保っていた顔がほんの少し崩れた。
そのことに本人も気づいたのだろう、すぐに照れたような笑顔になる。しかし視線は外さない。
『………』
ムラッとしたというか、なんだろう。
内なる母性的なものが刺激されている気がするのは、なぜだろう。
どうしてこのまま流れに身を任せてみたいだなんて思うのか。
正直まだ信用なんてしていない。もちろん。だって彼がどんな人かまだ全然深い意味では知らないから。
でもなんだろう、遊ばれてもいいから。それでもいいから。…このまま。
『…口にキス、してみてくれない?』
「へ?」
まさかそんな質問が早速飛んでくるとは思っていなかったのだろう。
驚いた様な振り返って、そして私の想像よりも真剣な顔を見て。
そしてゆっくりと今度は唇にキスをした。
「…えー…これはオッケーサインが出ていると言うことで…?」
『オッケー…』
「うっし!」
そうとだけ発してケーキを黒凪の手から奪いまた口にキスをした。今度は何度も。
それを受けて「今まで我慢してたんだ」とか「さっきのキスもわざと頑張って唇から避けてたのかな」とかそんなことを考える。
まだ好きかどうかは分からないけれど、今やっと自分の気持ちが私に伝わって幸せいっぱいのサンジを見ていると胸がほっこりしているのでまあ、…良いということなのだろう。
ケーキは無事なのか
(ちょ、サンジく、)
(んー?)
(ケー…キ、)
(はっ!ごめん!)
(…ありがと)
((わー、かっわいー…ケーキもらえて喜んでる、かわいいかわいすぎる…))
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