犬夜叉
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伝えたい
「黒凪ー!お兄さーん!」
『…あら、かごめでしょうか』
「チッ」
『…殺生丸様?(今舌打ちを…?)』
大きく手を振るかごめとそんな彼女を背に此方に向かってくる犬夜叉。
毎度の如く犬夜叉の顔は不機嫌そのものである。
ざっと足を止めた犬夜叉は殺生丸を見る事はせずかごめをそっと降ろした。
「久しぶり黒凪!元気にしてた?」
『ええ。どうかしたのですか?』
「偶然この近くに来たら犬夜叉が殺生丸の匂いがするって言うから来たの。」
『あら、では殺生丸様に御用が…?』
うん!と大きく頷いたかごめに殺生丸がピクリと眉を寄せた。
なんだ、何の用だ。
そう聞きたげな顔をかごめに向けた殺生丸。
かごめは笑顔で口を開いた。
「だって今日は11月23日じゃない!」
『?…ええ、11月23日ですね』
「そうよ、11月23日!」
キラキラと殺生丸を見るかごめに皆一様に首を傾げた。
犬夜叉もいまいち理由が分からぬまま此処まで来たのだろう。
かごめは首を傾げる面々に頬を膨らませ「いーい?」と人差し指をピッと立てた。
「11月23日って事は"いい兄さんの日"なの。」
『いい兄さん?』
「そうよ。11月が"いい"で23日は"にいさん"。」
『成程…』
で?と犬夜叉が不機嫌に言った。
その"いい兄さんの日"がなんだってんだよ。
まだ分からないの!?と逆にかごめが不機嫌に言い犬夜叉がゔ、と固まる。
「いい兄さんの日だから一緒にお兄さんに会いに来たんでしょ!」
「…はぁああ!?」
『成程、2人の兄上様である殺生丸様に会いにいらしたと…』
「兄になった覚えなど無い」
祝言も来てくれたじゃない、お兄さん。
あっけらかんと言ったかごめにまた眉を寄せる殺生丸。
彼は今すぐにでも黒凪を連れて何処かへ行きたいのだろうが、生憎彼女はかごめの隣。
しかも今度は逃がさないとばかりにかごめによってがっしりと手を握られていた。
『ご兄弟なのですから偶には仲良くなさってください、殺生丸様』
「…兄ではない」
「そうだ。兄貴じゃねえ」
「じゃあアンタ達は一体何よ。」
かごめの言葉に「そりゃあ…」とまで言って犬夜叉が固まった。
殺生丸も何も言わない。
その様子に顔を見合わせてくすっと笑うかごめと黒凪。
『立派なご兄弟ですよ。』
「そうそう。羨ましいわ、私もお兄さんが欲しかったもの。」
『あら、今はいらっしゃるでしょう』
「あ!そうだった!」
あははははと笑うかごめに耐え切れなくなった様に眉間に皺を寄せている殺生丸。
彼は黒凪を抱えると力任せにかごめから引き剥がした。
あ。と思わず目を見開いたかごめをチラリと見て走り出す。
その背中を見て犬夜叉はかごめを見る。
「…やっぱスゲェ女になったなお前…」
「だから何じーんとしてるのよ。」
フンッと犬夜叉から目を逸らすと既に2人の姿は無い。
声を掛ける暇さえ与えない程の速度で走った殺生丸にまた犬夜叉がかごめを見る。
その感動した様な目を見たかごめは徐に「おすわり!」と犬夜叉に向けて言い放った。
かごめには多分敵わない。
(殺生丸様!今日はいい兄さんの日なんだって!)
(あら、かごめから聞いたの?)
(うん!村に居る子は皆知ってるよ!)
(………)
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