NARUTO
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はたけ夫婦と+α
のはらリン成り代わりのはたけカカシオチ。
NARUTO中編 "桃色に染まる"とは全く関係ありません。
『もう。また無茶して…』
「ん」
『ん、じゃないわよ馬鹿。』
ポカッとカカシの頭を叩いて傷を癒す。
本日の任務は盗賊の殲滅。
今回は2手に別れて任務を遂行していた。
「くそ、こんなガキ2人に…!」
「…さてと。」
『ちょっとカカシ…!』
「隠れてろ。お前を護ってる暇、無いから」
あ、と言っている間にも姿を消すカカシ。
ため息を吐いて言う通りに身を隠した。
相変わらず好き勝手に1人でやって…。
ムスッとしていると背後で風を切る音が聞こえた。
すぐさま体を捻って回避する。ドスッと地面に突き刺さった刀がギラリと光った。
『ちょっと。危ないじゃない』
「さっきの餓鬼がいなくなりゃこっちのモンだ…!」
「お嬢ちゃん、ちょーっと痛いけど我慢してくれよぉ」
『ばーか。誰が負けるか。』
クナイを取り出しクルクルと回して構えた。
ニヤリと笑って目を細め走り出す。
一方カカシは倒した盗賊達を一瞥して先程の場所に戻った。
しかしその場所に黒凪が居ない。
周りを見渡していると少し離れた場所で女の悲鳴が聞こえた。
「!(…まさか)」
カカシが一気に走り出し森の中を駆け抜けて行く。
そうして森を抜けると1つの小屋があった。
気配を消して近付き窓から中を覗き込む。
最初に見えたのは黒凪の背中。
彼女の視線の先には男が1人倒れている。
どうやらさっきの悲鳴はその男を見て震えている女だった様だ。
『んー…。愛人って所?』
「っ、」
こくこくと頷く女に「じゃあ良いよ。」と黒凪が背を向ける。
道の途中に倒れた盗賊達が数名居た。
まさか全員彼女が1人で倒したのか?
動く事も声を掛ける事も出来ず黒凪を見ているカカシ。
すると女が徐に瓶を掴んだ。
「!黒凪…」
『あ、カカシ』
「死ね!!」
女が振り下ろした瓶をヒョイと避けた。
そんな黒凪に目を見開くカカシ。
黒凪はすぐさま女の鳩尾に蹴りを入れフンと笑う。
『そんな事だと思った。貴方装飾品凄いもんね』
「~っ、」
『仲間かなとは思ってたから特に驚きは無かったよ?』
女の前にしゃがんで笑う黒凪。
その黒凪の隣にカカシが並ぶ。
しかし黒凪はカカシには目もくれず部屋の隅にある金庫の側に寄った。
『…。先生に壊して貰えばいっか。』
「お、おい」
よっこいせと金庫を持ち上げて小屋を出る。
カカシはやはり何も言えずその後を付いて行った。
すると少し遅れてオビトとミナトが小屋の前に到着し金庫を見て「おお、」と笑顔を見せる。
『せんせ、これ開けて下さい。』
「驚いた…流石はカカシが付いてるだけあるね」
「!」
「大丈夫だったか?黒凪。」
全然大丈夫。カカシが護ってくれたから。
あっけらかんと言った黒凪に「え゙」と固まるカカシ。
カカシが困った様にミナトを見ると彼はそんなカカシに目を向けパチッと片目を閉じる。
バッとオビトを見れば彼は何も気付いてなどいないようで。
「うん。中身は依頼の通りの物だね。」
『やった!ありがとね、カカシ!』
「あ、あぁ…」
「ケッ」
カカシに笑顔を見せた黒凪を見て眉を寄せるオビト。
ミナトはよし、と立ち上がると3人の顔を見渡し笑顔を見せる。
それじゃあ帰ろうか。そう言った彼の言葉に「はーい!」と元気な返事が返る。
カカシはいまいち理解出来ない様子のままとぼとぼとミナトの後を付いて帰った。
「…まーだオビトには隠したままなの?」
『んえ?』
「よくもまあ此処まで隠せたもんだよネ。」
隣で珈琲を飲みながら言うカカシに「実はねぇ」と笑う黒凪。
その言葉を聞いたカカシはごふっと珈琲を吐きかけ急いで飲み込んだ。
まだ何も言ってないのに、と笑った黒凪はティッシュでカカシの口元を拭う。
『スイッチ発見。』
「止めなさい。」
カカシの口元にあるほくろをつついて笑う黒凪。
するとその背後にボンッと現れたオビトが黒凪の肩に腕を回した。
あ、おはよー。と笑う黒凪にオビトがその顔の間近で「はよ。」と返す。
カカシがやれやれと笑った。
「ちょっと。人の奥さんに何してんの君。」
「あ?んだよ、ちょっとぐらい良いだろ。」
『そうそう。私達小さな頃から大事な大事な親友だもんねえ』
「はは…。ホント吃驚したよあの時は。」
眉を下げて笑ったカカシにオビトもニヤニヤと笑う。
丁度5年程前の事だ。カカシが黒凪に思いを寄せている事を腹を括ってオビトに告白した。
カカシはてっきりオビトも黒凪に思いを寄せていると思っていた様だが、2人の関係は純粋な親友。
嫉妬の様に見えたオビトの行動も単に親友を取られるのではないかと言う危惧からだった。
「カカシはマジで俺等の事なんも分かってねぇよなあ」
『ねー。』
「いやいや。君等が解り難すぎるだけだから。」
『「いやいやいや。」』
いやいや、ホントだって。
こんな会話を数回続けた所でぷっと笑うオビト。
んじゃあ今日も俺等からカミングアウト。
ピッと人差し指を立てて言ったオビトに思わず構えるカカシ。
黒凪が笑顔で口を開いた。
『実はオビトは私の実力をずーっと昔から知ってました!』
「実は冷酷無比なゴリラ女だって知って」
『はーい終了ー。』
「いって!」
「…え、マジで?」
マジで。2人の言葉がまた重なった。
くそ、本当に仲が良いなコイツ等。ってそれより…。
じーっと2人を見つめるカカシ。
2人は依然肩を組んだままカカシを笑顔で見つめている。
「…知らなかったの俺だけ?」
『「うん」』
「……。ミナト先生も知ってたよな?」
『「うん」』
「うん。声合わせるの止めてくれる?君何度も言うけど俺の奥さんだから。」
おっとっとこれはすまねえー。
ばっと体を離すオビトに「はは。」と無表情に笑うカカシ。
おっと。そろそろヤバいか?
オビトが構える中カカシの目は黒凪に向かった。
「…」
『なんで?って顔だねえ』
「うん。」
『だってアンタ私等の事全然見てなかったでしょ、あの頃。』
だからいっそ私の実力見せて興味持たせてみようかなって。
そしたら案の定、アンタ1週間ぐらい私の本性を探る為にストーカーしてたでしょ。
ギクッと固まったカカシに「バレバレです。」と笑顔を見せる黒凪。
目を逸らしたカカシの目に時計が飛び込んだ。
「…あ。そろそろ行かないと…。」
「あ?…ちなみに集合時間は?」
「…10時?」
「……10分過ぎてんぞ。」
あはは。と笑うカカシに「もー!」とマスクやら額当てやらを投げる。
そんな黒凪の行動に「あはは」と笑いつつそれをどれも器用に受け取り着々と装着していく。
オビトはそのコンビネーションに腹を抱えて笑っていた。
あまりに大きな笑い声に黒凪の額に青筋が浮かぶ。
『ああもう!煩いわよオビト!』
「わ、悪い悪い…。だってお前が投げる順番もタイミングも完璧だからよ…」
「そうそうホント完璧なのよあの子。んで最後にベストくれるし」
そんなカカシの言葉とほぼ同時にぽーいとベストが飛んでくる。
しっかりと掴んだカカシがベストを羽織り鏡の前に立った。
それを見た黒凪はぐいぐいとカカシの背中を押す。
黒凪に押されながら髪をいじるカカシにまたオビトが笑った。
『ほら!早く行くの!』
「ちょっと待って、寝癖凄い…」
『大して変わらないわよ!』
「出た、黒凪の゙大して変わらない゙!」
変わるよなあ?うん。
そんな2人の会話にまた黒凪の額に青筋が浮かんだ。
早く行けー!部屋を追い出されたカカシとオビト。
顔を見合わせた2人はやれやれと歩き出した。
「やっぱ女には分かんねえ事ってあるな、カカシ」
「まあね。一緒に住んでみて痛感してるよ」
「もう同棲して7年だよな?」
「うん。…ホント飽きないよ。あの人と居るとさ。」
へ?と振り返ったオビト。
カカシは笑顔で言った。
毎日楽しくて幸せなんだ。
そんなカカシに少し頬を赤らめて顔を逸らすオビト。
何でお前が照れるの、とカカシがまた笑う。
嬉しいんだよ、ばかやろー
(先生遅ーい!)
(あはは。ゴメンゴメン)
(カカシ、弁当忘れてる!)
(あれ?今日要る?)
(何言ってんの、今日は昼も込みで修行なんでしょ?)
(あ。そっか。)
(カカシ先生の奥さんめっちゃ可愛いってば)
(…なんか尻に敷かれてそう)
((あー。))
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