NARUTO
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
大切で、大好きで、ずっと一緒にいたくて。
白成り代わりの再不斬オチ。
NARUTO中編 "桃色に染まる"とは全く関係ありません。
※夢主は女性です。
「ええー!?ねーちゃんあの黒凪なんだってば!?」
『え?』
「ちょ、ナルト!そんな大声で…!」
「(あの女が…)」
突然聞こえた大声に自分の名が含まれていた事に敏感に反応し、振り返る。
声を発したのは金髪の少年らしく、振り返った黒凪に怯えた様に桜色の髪の女の子が少年の頭を思い切り殴った。
その横に立っている黒髪の少年はじっと黒凪を見、目を細めている。
再不斬と黒凪。この2人は木の葉の忍びでは有名なコンビだ。
最強のツーマンセルなんて呼ばれている2人は主に暗殺を行っているが、少年達の中ではヒーローの様な立ち位置だ。
その上あまり里には帰らない為生きる伝説の様に言われている。…らしい。
そんな黒凪は今髪を降ろして普通の服装をして、夕食の食材を買っていたわけだがあの3人に見つかったと言う訳だ。
金髪の少年の声を聞いたのか、そこらで遊んでいた子供達やアカデミーの生徒達が群がって来た。
「黒凪ってあの再不斬とコンビの!?」
「帰って来てたんだ!」
「すごーい!本物!?」
『え、あ、その…』
困った様に眉を下げる黒凪を見て今更しまったと口元を抑える金髪の少年。
悪気はないんだろうけど…、と少し少年を恨めしく思ってしまった。
そんな時、右から風を斬る音が聞こえ即座に頭を下げる。
すると頭の上をクナイが通過し、地面に突き刺さったクナイに周りに居た子供達が顔を青ざめた。
そして振り返れば、アカデミーの少年達が「サスケだ」と口々に呟き始めた。
サスケ?と顔を上げれば、先程から自分を見ていた黒髪の少年が挑発的な目で此方を見ている。
その様子を見た黒凪は子供達に笑顔を向けると「ほら、お母さんの元へお帰り」と笑顔で自分から離れさせた。
子供達が去り、残りはアカデミーの生徒達。そこまで周りの人が減るとサスケと呼ばれる少年が黒凪の目の前で足を止める。
「俺と勝負しようぜ」
『!』
「あんた、俺等と歳近いだろ?」
『…うん、僕もそう思うけど』
にこ、と笑ってみせるが少年の殺気は収まらない。
中々良い殺気を出すなぁ、なんて思っている間にも彼が振り上げたクナイは迫っていて。
さっと避ければ微かに目を見開いて少年が走り出した。
それを困った様に買ったばかりの食材を持ちながら避ける黒凪。
そのスピードに金髪の少年達はぽかーんと立ち尽くしていた。
サスケはチッと舌を打つと印を結び、彼の口から炎が放たれる。
それを見た黒凪はおお、と目を見開いてくるりと宙を舞った。
『……凄いね、術が使えるんだ』
「…フン。やる気になったか?」
『うーん、そうだなぁ』
驚いた表情を見せた黒凪に笑ったサスケだったが、すぐに余裕の表情に戻った黒凪に眉を寄せる。
そして袋の中から林檎を取り出して指先でクルクルと回しだした黒凪を見るとクナイを構え再び走り出した。
それを防戦一方で避ける黒凪に耐えられなくなった様に金髪の少年が口を開いた。
「ねーちゃん!いい加減に戦わないと負けるってば!」
『…おっと』
「チッ」
「そいつ結構強いってばよ!」
ぎりぎりの所で避ける黒凪は今の言葉を聞くと振り降ろされたクナイを林檎で止めた。
プッと林檎の果汁が飛び、サスケが林檎に刺さっているクナイを見る。
クナイの先は林檎を貫通しているが完全にクナイの勢いは止まった。
サスケがギロ、と黒凪を睨めば、黒凪は余裕の表情で微笑む。
そして黒凪は徐に金髪の少年に目を向けた。
『君は優しい子だね。名前はなんていうの?』
「え、お、俺!?」
『そう、君だよ。ついでにそこの子も教えて』
「は、春野サクラ…ですけど」
林檎に更にクナイが深く刺さり黒凪の腕に掛かる負担も徐々に増え始める。
サスケが更に圧力を掛け、2人の腕が力で震え始めた。
それをぼうっと見ていた金髪の少年に再度黒凪が名前を問うた。
少年ははっと顔を上げると「うずまきナルト、だってば」と呟く様に言った。
その言葉ににっと笑うと林檎が粉々に割れ、黒凪はクナイを避けて後方に飛び退く。
『君は?サスケ君、だったかな』
「…うちはサスケだ」
『あぁ、うちはの…』
へぇ、と感心する様に言えば彼のクナイが飛んでくる。
それを顔を背けて避け、繰り出された蹴りを回避し拳を買い物袋を浮かせて避ける。
いつまで経っても反撃してこない黒凪に苛立ったのか、再び印を結び炎を吹いた。
くるりと回避すると、次は無数のクナイが黒凪に迫る。
今更全て叩き落とすのは無理な為、再び回避しようと悠長に周りを見渡した時。
真後ろに何の気なく近づいた少年が居た事に気が付く。
少年はキラキラと大きな目を輝かせて黒凪を見上げる。
「黒凪さん」と言う言葉を聞くに、恐らくナルトの言葉を聞いて来たのだろう。
ただ、今はかなりタイミングが悪い。
避ける訳にはいかないが、手には袋が握られていてすぐに行動する事が出来ない。
仕方ない、と足を止めた黒凪はくるりとクナイに背を向けた。
「…な、」
「ちょっ」
「ねーちゃん!?」
『(クナイくらい別にどうって事は…)』
各々目を見開いたナルト達。
中でも特に目を見開いてしまったと顔を微かに青ざめさせているサスケ。
そんなサスケを黒凪は穏やかな目で見る。
その目にサスケが口を開こうとした時、横切った陰に更に目を見開いた。
カン、とクナイが弾かれる音が鳴り、黒凪が不思議気に顔を上げる。
黒凪の目に入ったのは筋肉質な背中と、揺れる額宛の紐。
その人はクナイを弾いたであろう巨大な刀を持ち上げると黒凪を見下してため息を吐いた。
口元に巻いた包帯、目付きの悪い目。
そのあまりの人相の悪さに小さな少年は顔を青ざめた訳だが、打って変わって黒凪は顔を明るくさせた。
「ったく、世話の焼ける」
『再不斬さん!』
「…重てぇ」
きゃーっと男に抱き着く黒凪。
その様子に顔を赤らめたサクラに、驚いた様に立ち尽くすサスケとナルト。
先程まで命の危機にあった小さな少年は既に母親の元に逃げ帰っており、その場にはナルト達と黒凪、現れた男のみになった。
…ん?ちょっと待て、再不斬?とサスケとサクラが目を見開いた時。
ドゴッとサスケの頭に拳が思い切り降り注いだ。
頭を反射的に抑えたサスケは顔を上げ、目を見開いた。
「…カカシ」
「もー、何やっちゃってんのお前等。ごめんね再不斬」
「あ?俺じゃねぇ。俺は偶々通り掛かっただけだ」
「再不斬…、再不斬だってば!?」
カカシの言葉にあー!?と目を見開いたナルト。
その大声に振り返る再不斬とカカシ。
黒凪は相変わらず再不斬の首に抱き着いてぶらぶらしている。
ちなみに後ろから首に腕を回されて挙句ぶら下がられているのに再不斬は大丈夫なのだろうか。
全く顔色を変えない所を見て大丈夫なのだろうが、あれはかなりの負荷だと思う。
「にしても久々だね、再不斬と黒凪」
「あぁ。テメェは珍しく生徒を持ったんだってな」
「うん。コイツ等なんだけどさ」
『再不斬さんー』
知り合いなの?とサクラが問いかければ同期なんだよ、とカカシが言った。
一方再不斬は流石に苦しくなったのか黒凪の襟元を後ろ手に掴むとむんずと目の前に持って行った。
ぷらーんと持ち上げられた黒凪だがニコニコしている。
それはもう、物凄く嬉しげに。
『再不斬さんー、えへへ』
「…気持ち悪いぞお前…」
「性格が全然違うってば」
「あれが黒凪の通常運転なわけよ」
それよりもサスケ?お前は何をしてたのかな?
と威圧の込められた低い声とは打って変わっての満面の笑み。
流石のサスケもちょっと危機を感じたようですい、と目を逸らした。
それを見た黒凪は再不斬に降ろされると微かに笑ってカカシに向かって声を掛けた。
「ちょっと遊んでただけですよ」と。
その言葉に微かに目を見開いたサスケと仕方無い、とため息を吐いたカカシ。
驚いた様に自分を見るサスケに微笑むと黒凪は再不斬の手を引いて歩き出した。
再不斬さん大好き!
(おい!)
(?…確か、サスケ君、だったかな)
(…あぁ)
(何か用でも?)
(……俺を鍛えてくれ)
(…………へ?)
.
1/10ページ