D.Gray-man
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バランスを保つ
神田ユウ成り代わりのラビオチ。
D灰中編 "蓮華の儚さよ"とは全く関係ありません。
※夢主は女性です。
「黒凪ー。黒凪何処さー?」
『神田だ。』
「おっ、黒凪みっけ!」
『神田だ。』
んな事より~、と肩を組むラビをギロッと睨む黒凪。
うおお、とその顔だけでアレンやリナリーはビビるものだが彼はそうはいかないらしい。
黒凪は眉間に深く皺を寄せて黒髪を掻き上げた。
その仕草だけでも様になる程の美人なのに彼女の威圧的な表情が邪魔をする。
そんな事をアレンが考えているとラビがふに、と黒凪の頬を摘まんだ。
『っ…?』
「んな顔してると勿体無いさ。笑えば?」
『わ、笑えばってお前な…』
「(そんな一言で神田が笑ったら苦労しないって…)」
アレン、ラビ、リナリー。
この3人の中で最も付き合いが長いリナリーは困った様に笑った。
女の子同士なのに彼女の笑顔はリナリーでさえも見た事が無い。
…と言うか想像が出来ない。
そんな時アレンも一歩踏み出し笑顔を黒凪に向けた。
「そうですよ、神田。女の子なんですから笑顔を…」
『おいコラお前その手のカメラなんだよ』
「決まってるじゃないですか。写真に収めてばらまいてやるんですよ…」
「?…俺黒凪の満面の笑顔の写真持ってるぜ」
ピシッと空気が止まる。
黒凪がギギギ、とラビを見上げた。
ラビはとぼけた顔で首を傾げる。
アレンの手が伸びラビの肩をガシッと掴んだ。
ギリギリ痛む肩にラビが「へ?」と頭にクエスチョンマークを浮かべる。
「どどどどうやって!?あの神田ですよ!?女性なのにゴリラ並に強くて怖い神田…」
『誰がゴリラだ』
「ぐっ、…ほら、今も凄い脚力…」
『鍛えてるからだこのモヤシ野郎が』
いだだだ!と踏みつけられているアレンが声を上げる。
見かねたリナリーがアレンを救出し、再びラビを見上げた。
一体どうやって。どんなに考えても思い浮かばない。
寝顔?…彼女の部屋または眠っている彼女の側に近寄れば気配で目を覚ましちゃうし…。
本当に一体どうやって。
…その答えは以外にもすぐ分かった。
「…あれ?どうしたんだい君達」
「あ、ティエドール元帥…」
『……。…あ゙』
「どうかした?神田……」
リナリーの言葉に返事を返さずズカズカとティエドールに近づく黒凪。
彼女はティエドールの胸ぐらを掴むとギロッと睨み上げた。
ティエドールは目をパチパチと瞬かせるとにこりと微笑む。
「相変わらず情緒不安定だね、黒凪ちゃん」
『情緒不安定なんかじゃねぇ。テメェ私の人形作った事あるな?』
「うん。これまで何十体と作ったよ」
ギリギリ締まる首元に全く表情を変えずむしろ笑い出す元帥。
やがてばっと手を離した黒凪はチッと舌を打ち背を向けた。
そんな中アレンはティエドールの元へ走り寄る。
「それが巷で噂のメーカー・オブ・神田ですか!?是非今度1つ…」
『ぶっ殺すぞクソモヤシ』
「きゃー!アレン君!」
「あーあ。バカさぁ…」
アレンは黒凪に吹き飛ばされて落ちて行った。
すぐさまリナリーがイノセンスを発動させて追いかける。
黒凪はイライラした様子で歩き始めた。
すぐに黒凪を追いかけ隣に並ぶラビ。
ラビは黒凪の顔を見ると徐に手を伸ばした。
「笑った方が良いぜ?黒凪」
『…るせぇ。お前も落ちるか?』
「それはごめんさー」
陽気に笑うラビを横目で見る黒凪。
彼女はため息を吐き前に目を向けた。
変な奴。これだけきつく当たってるのに。
…変な奴。
「黒凪」
『あ゙?』
「やっぱ黒凪は笑った方が可愛いさー」
ラビが手に持っている写真。
頭に花の冠を乗せて白いワンピースを着て。
見上げられている様なアングルで取られた黒凪はとても愛らしく綺麗だった。
好き勝手しやがって…!と眉間に皺を寄せる黒凪。
ラビはほれほれ、と黒凪の額をこつんとつつく。
『…笑わねぇ』
「ええー?…ま、俺はそのままの黒凪も好きだけどな!」
『キモイ』
「そんな返しアリさ!?」
俺はこんなに本気なのにー。
そう言って側に寄ってくるラビの横腹に肘を一突き。
痛みに足を止めたラビに気にせず歩いて行く黒凪。
数歩歩くと彼女は足を止め振り返る。
『ばーか』
「!」
『お前みたいに全員に媚び売ってられねーんだよ私は』
「………、」
少し眉を寄せて言った黒凪。
でもその表情は普段見ている程険しいものでは無くて。
ラビはにっと笑うと立ち上がり黒凪に向かって名を呼んだ。
振り向かない黒凪。
それでもラビは口を開く。
「黒凪みたいな不器用な子には俺みたいなのが合ってるさ。」
『……』
「…俺と一緒にいたら楽しーぜ?」
走って目の前に出て来たラビ。
彼を一瞥して黒凪は足を止める。
顔を上げて改めてラビの顔を見れば彼は満面の笑みだった。
『ばーか』
「…かわいーなぁ。」
『死ね』
「死なないさー」
だったら埋めてやる。
それは死ぬさ!
そんな会話をしながら歩いて行く。
どうやらバランスはそれほど悪くないらしい。
平均台の上
(崩れてしまわぬよう、)
(壊れてしまわぬように。)
(俺は必死に彼女とバランスを取る)
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