始まりは突然に
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手に温かさを感じて目を開けると、白い天井に薬品の匂いというお決まりのパターンがおこっていた。
「……!?起きたの?ひな、わかる?」
『耳元で煩いよ、咲也』
笑いながら声の主に答えれば、瞳に涙をいっぱい溜めて
咲「よかった……。あっ、先生……先生よんでくる」
そう言って、病室を出て行った。
私は、さっきまでの夢を頼りに状況を整理しようと瞳を閉じる。
今は、私も咲也も高校2年生。
隣のクラスには摂津万里もいる。
あんまり興味がなかったから本人かは分からないけども、1年生にイケメンが入ったという噂も聞いている。
そして、カフェの常連である紬さんはあの紬さんで間違い無いだろう。
…………私の立ち位置、絶対おかしくない?←
いくら前世で良い行いをしたからって、一番ハマって課金していた"エースリー"の世界に来ただけでなく、幼馴染はあの劇団の最初の一人とか……
私、ただのモブなんだけどこんなに関わりもってて大丈夫?←
先「失礼します」
そこまで考えたところで、先生が入ってきた。
先「今、痛いところや違和感があるところなどはありますか?」
『いえ、特には…….』
先「良かったです。では、この後検査を行いますので少しお待ちください」
先生が出て行った病室では、気まずい空気が流れていた。
咲「なんで、周りをしっかり見てから渡らなかったの?」
そう話し出した咲也は、事故の経緯を教えてくれた。
点滅していた信号に、車が突っ込んできてそのままドーンッと飛ばされたらしい。
咲也も簡潔に現場の人から聞いただけらしいので、どんな状態だったかとかはわからないらしいけども……
やけに夢で見た前世であろう記憶と同じだな……
なんてぼんやりした頭で考えていると
咲「ねぇ、ちゃんと聞いてる?」
おぉ……イケメンの顔が近くに……
じゃなくて、なんだっけ。
何で周り見て渡らなかったかだっけ?
『聞いてる聞いてる。そうだな……』
たしか、遅刻しそうになって慌ててて走ることには自信があったから点滅していた信号見ていけるかなって思った。
………なんて言えるわけないよな。
こんな涙いっぱい瞳にためてる子に言えるわけがない。
咲「……まぁ、ほんと無事で良かったよ。大事な幼馴染がいなくなっちゃったらどうしようかと」
『ごめん。これからは気をつける』
そんな会話をしていると、ノックの音が響き先生が入ってきた。
先「検査の準備ができましたのでご案内致しますね」
『ありがとうございます。じゃあ、いってくるね。咲也』
咲也に手を振って病室を後にした。