始まりの物語
お名前をどうぞ
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
それはとある貧しい家の、素朴な少女の物語_______________
「ねぇ、父さま。わたしも大きくなったらこのお姫様たちみたいになれるかしら?」
「ああ、モードレッドはきっと立派な姫になるぞ。なんせこの父と、お前の美しい母親から生まれたとっても心の優しい子だからだ。なぁ、そうだろう母さん。」
「ええ、モードレッドはきっと優しくて、そして父さんみたいに勇敢な…そう、とっても素晴らしい姫になれるわ。」
「ふふっ、じゃあ明日も本でお勉強しなくちゃ!」
ああ、なんて素敵な夢。
私の小さい頃だわ、父さまも母さまもとても朗らかに笑っていて…
でももう、こんな幸せなんて二度と蘇らない。
ああもうこんな時間、用意しなくちゃ
「おはよう、あぁ…アッシュ…
あなたも父さんと母さんがいなくなってしまって、とっても寂しいのね。」
朝の日差しで目を覚ますと、愛犬のアッシュのところへ行く。これが私の日課、でも今日は愛しい父さま母さまとのお別れの日…
アッシュもとても寂しそうに顔をそむけてしまっている。
数日前、長く続いた雨のせいで近くの崖がくずれてしまい、たまたま通りかかった父さまと母さまが巻き込まれてしまった。
私を養うため、必死に働いてくれていた両親。
その日も、うちで作っていたワインを届けに隣の大きな街まで売りに出かけていった。
知らせを聞きつけたわたしは、必死で当たりを探し回った。アッシュの鼻も借りて…
見つけた時にはもう、とても見ていられる姿ではない両親が瓦礫や土の下で眠っていた。
きっと、両親は最後まで私のことを思っていてれた
だって、私の写真の入ったペンダントを握るように、2人は手を繋いだまま息を引き取っていたから…
「アッシュ、こちらに顔をみせて。そんなに悲しい顔をしていたらお父さまに叱られるし、お母さまも悲しんでしまうわ。」
「クゥーン…」
「わたしもすごく寂しいの、だけどねアッシュ。私には母さまのペンダントと、父さまの剣がついてるわ。それにあなたも一緒でしょ?」
アッシュはとっても賢い犬、きっとモードレッドの強い味方になってくれるわ、だって家族ですもの_______________
そう言ってくれた母さまの顔を思い出す
「そうね、母さま。アッシュはとても立派な家族よ」
「ワンっ!」
「きちんとお別れをしにいきましょう?
じゃないと父さまに叱られてしまうわ、礼儀がなっていない子はプリンセスにはなれませんって…」
黒い服に身を包み、アッシュを抱き抱えて家の外に出る。
ああ神様、どうしてわたしから幸せを奪ってしまったのですか…
母さま、父さま。
1/1ページ