皆が離れて行く、こうなることはわかっていたなと思った。

むしろ今まで嘘がバレなかったことが奇跡だったのだ。僕は嘘で覆われている。黒く染った人生は変わらない。

十八歳と一ヶ月。今まで嘘で固めてきた人生だった。
罪悪感を感じながら、嘘に頼りきりの日々だった。実際には友達も多く、恋人もいて、幸せに過ごしていた。だがそれは嘘によって得たもの。
嘘をつく度に心が痛み罪悪感が生まれる。その代償として何かを得られる。いつしか僕はその沼にハマっていた。だが、不安もあった。バレたらどうしよう。バレたくないバレたくないバレたくないバレたくないバレたくない。そんなことを思いながらも嘘は溜まっていく。
そして、溜めに溜め込んだ嘘の塊にヒビが入った。とある嘘がバレたのだ。僕の脳内は真っ白になり、幸せだったはずの日々が崩れ落ちていく。

それは罪悪感のようで。
それとは全く違った言葉では表せないものだった。

見渡す限り、誰一人いなくなっていた。