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ぷらいべったーログ(ハレ高)

ハレ高へのお題は『寂しいからそばにいて』です。


最初は空耳かと思った。もう自分も若くないしな、などどすら思った。
そんな殊勝な言葉がこの男から出るワケが無い。ワケが無いのだがどうやら現実だったらしく。
「…どうせ暇なんでしょう?なら、」
いいじゃないですか、と囁きながら高松はしなだれかかってくる。
自分の耳が正常なら、異常はこの男にあるのかもしれない。
「…らしくないな。熱でもあるのか」
冗談めかして、しかし本気で訊ねると緩々と首を振る。
「いいえ…ただ…」
ゆっくりと口を開き、そして。
「グンマ様とキンタロー様がお出掛けなさると言うから記録係として同行を申し出たら付いてくるなと言われてしまってならせめてこれを持って行って欲しいと隠しカメラと盗聴器を仕込んだぬいぐるみをお渡ししたら怪しいから嫌だとか次に会うときは法廷だとか辛辣なお返事で結局お二人の可愛らしい姿を見ることも聴くことも出来ないことが悲しくて寂しくて」
さっきまでのしおらしさなど感じさせない早口で捲し立てた。
─よかった、至って普段通りの高松だ。

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