ハレ高へのお題は『幸せになんて、なってやらない』です。


病める時も健やかなる時も哀しみの時も歓びの時も、互いを敬い支え合い、命ある限り真心を尽くし、寄り添い永久に共に過ごす。
それが幸せだと言うのなら、俺はそんなものは求めない。
いつもそばにに居るのは他の奴。大事な時に駆けつけるのも、常に心に住み着いて居るのも、そしておそらく最期の時に想う相手も。
お互い、自分はそこに居ないとわかっている。此奴の『一番』は俺ではないし、俺の『一番』も此奴じゃない。
それでも好きだと確信している。こそばゆい表現だが、愛し合っている、と言えるだろう。傍目にはおかしな関係かもしれないが、知ったことではない。
たまに会って、適当な会話をして、気が向けば身体を重ねて共に朝を迎えて。そして全く別の生活を送る。そんな二人の関係を、俺は心底気に入っている。
だから幸せになんて、なってやらない。今のままで十分、満ち足りている。