NARUTO/カカサク 短編②

太陽の楽園〜Promised Land〜/神戸みゆき
※ほとんど会話文。

「サラダも無事にひとり立ちしたし、私の役目はこれで終わりかなー」
「お疲れ、サクラ」
「ありがと、先生」
「サクラはこれからどうするの?」
「うーん、どうしよう。仕事も落ち着いたし、ゆっくり旅行しようかしら」
「いいね」
「いいでしょ! 温泉でゆっくりして、美味しいものを食べまくるの。綺麗な景色とか見て、きっと楽しいわ。あっ! もし良かったら、先生も一緒にどう?」
「……」
「……なんて、行くわけないわよね」
「……行きたい」
「えっ?」
「行こうよ」
「それ本気で言ってる?」
「うん。俺、いままで里のためにすごく頑張ってきたと思わない?」
「そりゃあ、思うけど……」
「もうそろそろ自分のために生きていいかなーって思って」
「そしたら先生だけで行けばいいじゃない」
「誰かと一緒の方がいいでしょ」
「それはそうだけど……私じゃなくてよくない?」
「先に言ってきたのはサクラでしょ。俺はサクラがいいの」
「どうして?」
「どうしてって……サクラは俺とは行きたくない?」
「そうは言ってないじゃない」
「ならいいじゃない。……まぁ、旅行じゃなくても、俺はサクラとこんな風に一緒に過ごせればいいかな」
「……なんか先生、甘くない?」
「そう? 俺、サクラにはいつもこんなんだったと思うけど。まぁ、これからはもっと甘やかしていきたいと思うかな」

先生が熱い視線を向けてくる。その視線はまるで先生が私を好きみたい、という勘違いしてしまいそうになる。

「……ねぇ、サクラ」
「ん?」
「残りの時間は俺にちょうだい?」
「それ、私に拒否権は?」
「一応ある」
「一応ね」
「でも断らないでしょ」
「まぁね」

私達は顔を見合わせて笑い合う。

「ということで、これからよろしく」と先生が手を差し出してきたので、私もその手を取ると、先生が優しく笑う。

「あと、さっきのはサクラの勘違いじゃないからね」
「えっ」
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