NARUTO/カカサク 中編 ■Voyage

ほら笑顔がとても似合う


私はカカシ先生と付き合い始めたが、私が卒業するまでは2人だけの秘密の関係だ。


ある日の休み時間。

「ねぇ、サクラって好きな人いるって言ってたけど、もしかして年上の真面目そうなサラリーマン? この前学校まで迎えにきてたよね」
「えっ、サスケくんじゃないの? お昼一緒に食べてるんでしょ」
「私はいつも一緒にいるナルトかと思った」

そういえば好きな人いるって言ったけ……。
先生とのことは言えないけど、みんなの予想は違いすぎるから否定しなきゃ。

「いやいや、年上の人は私の叔父さんで、ナルトは幼馴染。サスケくんは友達よ」
「えー、じゃあ誰よ?」
「えっと……」

問い詰められて困っていると、どこから現れたのかカカシ先生が助け舟を出してくれた。

「お前ら、こんなとこでくっちゃべってないで、早く次の授業の準備しろー」
「えー、いいところだったのに〜」

そう言いつつも、みんなは準備をし始めた。
それに私が一安心してると、カカシ先生はとんでもない爆弾発言を最後に残していった。

「あっ、そうだ。春野は好きな人じゃなくて、彼氏がいるみたいよ。その彼氏は頭が良くて優しくて、お金もそこそこある、年上のミステリアスなイケメンだそうだ。そして、他人が入る隙間もないぐらいすごくラブラブらしいぞ。これ、学校中に広めとくように」
「何で先生がそんなこと知ってるのよ〜」
「さぁ〜、何でだろうね~」

そう言うと先生は皆に見えない角度で私にウインクし、去っていった。
私は赤くなった顔をバレないようにし、首元にあるチェーンに通してある指輪を撫でた。

みんなは気づいていないと思うけど、カカシ先生の薬指には以前と違う指輪がはめてある。
そして、私の首にはそれと同じデザインの指輪がかかっている。
カカシ先生がプレゼントしてくれた大事な指輪、私もいつか薬指にはめれたらいいと思う。

思いふけっていると友達が声をかけてくれた。

「サクラ―! いくよー! 彼氏の話はあとで問い詰めるからねー!」
「待ってよー!」

私は急いで準備をし、友達の後を追った。
さて、なんて言ってごまかそうか。
悩みながらも、私の足取りは羽が生えたように軽かった。
6/7ページ