NARUTO/カカサク 短編①

Venus/タッキー&翼

カカシ先生のベッドの上で寝転びながら雑誌を読んでいると、あるページに目がとまる。

「もう結果が出たのね……」
「何が?」

何気なく呟いた言葉に先生が反応し、私の近くにやってきて、雑誌を覗き込む。

「この雑誌で私達の人気投票が行われてたのよ。その結果が出たみたいなの」
「そんなのやってたんだ」
「そうなの。それで結果なんだけど……」

ただならぬ緊張感が2人の間に流れる。私は結果が載っている次のページをめくる。そこには……

第3位 春野サクラ
第5位 はたけカカシ

「うそ……私が第3位!? えっ、夢じゃないわよね!? 嬉しい……!」
「すごいな、サクラ。俺は第5位か。それにしても意外なメンツもけっこう入ってるね」
「カカシ先生のお父さんとかね」
「俺も驚いたよ。出番少なかったはずなのに」
「それにしても1位は四代目。さすがナルトのお父さんだわ」
「イタチは2位だな。サスケのやつ、今頃は喜んでるんじゃないか」
「うふふ、確かに」

私は改めて自分の順位を見る。まさかカカシ先生やサスケくん、ナルトより上なんて……嬉しいけれど、本当に自分で良かったのか不安も出てくる。そんな私に気づいたのか、カカシ先生は私の頭を撫でる。

「みんなサクラのことをよく見てるってことだよ」
「先生……」
「自信を持ちなさいな。俺はサクラが人気で嬉しいよ。まぁ、少し嫉妬もするけどね」
「どうして?」
「サクラの魅力は俺だけが知ってればいいとも思ってるから」
「それを言うなら私だって同じよ。カカシ先生の魅力は私だけが知ってればいいの!」
「嬉しいこと言ってくれるな〜」

私の頭を撫でていた手は優しいから乱暴な手つきに変わる。おかげで髪がぐちゃぐちゃだ。

「ちょっと、先生! 髪が……」

先生に文句を言おうとすると、急に顔が近づいてきて私の唇を奪ったかと思うと、ゆっくり離れていく。

「まぁ、順位なんてどうでもいいよ。俺はサクラにだけ好かれてればいいから」

そう言って妖艶に微笑んだかと思うと、私の手を取りそのままベッドに押し倒す。そして、私の耳元に顔を寄せ、「サクラも俺にだけ愛されてればいいの。こんな風にね」と妖しく囁いたかと思うと、深いキスをしてくる。どうやら今日は寝かせてくれなさそうだ。明日任務なんだけど……と思いつつ、私は先生に身を委ねることにした。
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