NARUTO/カカサク 短編①

ワールドイズマイン/supercell feat. 初音ミク


アスマと別れて、プリンを購入すると俺は急いで家に戻る。

「お待たせ~、サクラ」
「先生、遅ーい!」

不満そうなサクラの顔が目に入り、すぐさまプリンを渡す。

「ごめんごめん。近場にいつものやつがなくて……はいこれ」
「わぁ~、ありがとう先生!」

プリンを受け取ったサクラは、さっきとは打って変わり明るい表情になり、プリンを食べはじめる。“本当に幸せそうに食べるな~”とニコニコしてその光景を眺める。それに気づいたサクラは顔を赤くして俺を見る。

「先生……恥ずかしいからあんまり見ないで」
「え~、可愛いから大丈夫だよ」
「私が大丈夫じゃないの!」

そう言ってそっぽを向いてしまった。“そういうところも可愛いな~”と思う俺はもうかなり重症だと自分でも思う。そう思っていると、サクラがプリンを食べ終わったようだ。

「ごちそうさまでした。あ~、美味しかった。やっぱりここのプリンが一番だわ」
「探したかいがあったよ。満足した?」
「うん!」
「じゃあ今度は俺も満足していい?」
「えっ? ちょっと先生~!」

抵抗するサクラをものともせず、俺はベッドに連れて行き、思う存分サクラを堪能した。

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翌朝。サクラの大きな声で目が覚める。

「先生! 今日はデートでしょ! 早く起きて」
「う~ん、あと少し待って」
「起きないと、先生の代わりにナルトとデートに行くから」
「今起きる!」

そんなことをさせるもんか。俺の頭は一気に覚醒し、飛び起きる。

「良かった。じゃあ準備して。朝ごはんはずっと行ってみたかったカフェがあるから、そこで食べましょ」

サクラに促され、準備に取り掛かる。準備を終え、部屋を出るとサクラもちょうど準備ができたようだ。俺に気づいたサクラが近寄ってくる。

「みてみて、このワンピース新しく買ったの。どう?」
「すごく似合ってる。可愛いよ」
「でしょ! ほかにはどこがいつもと違うと思う?」
「髪を編み込んでるところ。あとは、アクセサリーもこの前買ったやつでしょ」
「正解! さすが先生ね」
「サクラのことなら何でも知ってるよ」

そう言うとサクラは嬉しそうに笑う。

「えへへ。それじゃあ、さっそく行きましょ」

俺とサクラは手を繋いで家を出る。サクラの行きたがっていたカフェで朝食をとると、次は映画館へ。サクラが気になっていたという恋愛映画を観る。内容はぶっちゃけ何とも思わず、それを見て感動しているサクラが可愛かったという印象しかない。観終わった後は、昼食を食べながら、サクラが映画の感想を語っている。

「ラストがキスで目覚めるなんてロマンティックよね~」
「俺もキスで起こしてあげようか?」
「いつも私の方が先に起きるから意味ないでしょ」
「サクラのためなら早起きだって頑張るよ」
「都合がいいわね~。それより食べ終わったら、次はここだからね!」
「了解」

昼食を食べ終わり、サクラの要望で動物園へ向かう。

「先生! 見て見て! キリンの親子が仲良く餌を食べてるわ」
「あのパンダ、全く動かないわね……」
「あのサル、他のサルにちょっかいかけてる。まるでナルトみたいね~」

色んな動物たちを見てコメントを述べるサクラを“可愛いな~”と見てると、サクラが苛立ったように俺に詰め寄る。

「ちょっと先生! 私を見ないで動物達を見て!」
「見てるよ。サクラのついでに」
「それじゃあ意味ないでしょ!」
「俺にとってはサクラを見てる方が意味あるよ」
「はぁ~、もういいわ。それより甘いものが食べたいかも。あそこにアイスあるから買ってきて」
「分かった」

サクラは諦めたように近くのベンチに座る。俺はサクラに言われた通りにアイスを買いに行く。“動物達を見ろって言われてもな~。サクラにしか興味ないんだけど”と思いながら、購入したアイスを持ってベンチに戻ると、サクラが男達と話している。

「俺の彼女に何か用?」と、俺は男達に睨みをきかせる。

「えっと、道に迷って彼女に案内してもらおうかなと……」言う男達に、「俺が案内してあげよっか。地獄の底まで」と殺気を交えた笑顔で言うと、「やっぱ大丈夫ですー!」と一目散に男達は去っていった。

俺は買ってきたアイスを渡すと、サクラは「ありがとう」と食べはじめる。

「先生、さっきは助かったわ。しつこくて困ってたのよ」
「はぁ……サクラは無防備すぎ。もうちょっと危機感を持って」
「そう言われても、ただ座ってただけよ」
「気を抜いていたんじゃない? だから話しかけられるんだよ」
「……なにそれ? そんな言い方しなくてもいいじゃない」

アイスを食べ終わったサクラが不機嫌な顔になる。これはご機嫌を取らないと、ヤバいな。

「ごめんね。でも、俺は心配してるの。サクラが可愛いから不安で……」
「……私だって不安よ。先生、気付いてた? 今日、すれ違う女の子たちが先生を見て顔を赤くしてたのよ」
「うそでしょ」
「うそじゃないもん!」

サクラが涙目で訴えてくる。うっ、その表情は反則でしょ。俺は思わずサクラを抱き締める。

「俺はサクラしか見えてないから」
「……本当に?」
「本当。サクラが世界で一番可愛いとも思ってるしね」
「それは言い過ぎだと思う……」

抱き締める力を弱め、サクラを見ると恥ずかしそうに照れている。うん、可愛い。もっとその表情が見たい。

「俺のお姫様はサクラだけだよ」

今日見た映画の台詞を真似て言うと、サクラはますます顔が赤くなり、口をパクパクさせている。

「愛してる、サクラ」

俺は色気を含ませてサクラの耳元で囁くと、ついにサクラは「もうやめて……」と気絶してしまい、とっさにサクラを支える。“うーん、少しやりすぎたかな”と反省しながら、俺はサクラを連れて家に帰った。

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後日、その光景をみたアスマに「お前の方が大変そうだな……」と声をかけられ、気遣われたサクラであった。
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