NARUTO/カカサク 短編①

CANDY CANDY/きゃりーぱみゅぱみゅ


「何かのどが痛いわね」

紅がそう言って喉に手を当ててるので、俺はポケットを探り声をかける。

「飴あるけど、食べる? たくさん種類があるから、選んでいいよ」
「ありがとう、いただくわ。それにしても本当にいろんな種類があるわね」

紅は俺の手から飴を一つ取り、口に運ぶ。
それをみたアスマが俺に問いかける。

「なんでこんなに持っているんだ。お前甘いもの嫌いだろう?」
「うん、俺は食べないよ。サクラが飴をよく食べるから持ってるの」
「それにしてもこんな種類いるか?」
「最初は1種類だけだったんだけど、『今日の気分はこれじゃないわ』って言いだして……それから常に3~5種類は常備してるかな」
「なるほど。すっかりお姫様に振り回されてるな」
「まぁね。でも、サクラが嬉しそうに飴を食べるのを見るのが好きだからいいんだよ。それに……」
「それに?」
「いいや、何でもない」
「変な奴だな」

俺はアスマと紅に別れを告げ、歩き出す。

サクラのホワイトデーのお返しに毎年飴をあげてるんだけど、サクラがその意味に気づいている様子はない。
意味に気づいてほしくて飴ばっかりあげてるんだけど、さすがに分かりづらいか。
今年こそ気づいてくれるといいんだけどな。

(キャンディ→あなたが好き)

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「先生、飴ある~?」
「あるよ~。今日はどれにするの?」
「これかな! いつもありがとね」

私は数種類ある飴から一つを選ぶ。

「どういたしまして」
「先生、いつも飴持っているわね。美味しいからいいんだけど」

私は飴を口に含む。うん、美味しい。
新しい飴を選んだけど、正解だったわ。

「どういたしまして。サクラがいつも飴を欲しがるからね」
「そうだけど……。でも、なかったらなかったで別にいいのよ」
「まぁ、俺も飴を選ぶのが楽しいから気にしないで」
「……分かったわ。そういえば、バレンタインのお返しも毎年飴くれるわよね」
「確かにそうだね」
「あまり気にしたことなかったんだけど、もしかして……」

私は先生をじっと見つめる。
先生は相変わらず何を考えてるか分からない笑顔で私を見つめ返す。

ホワイトデーのお返しには意味がある。
もちろん、キャンディにも。
先生は分かってるのだろうか。

「どうしたの、サクラ?」
「……ううん、何でもない」
「……そう」
「ねぇ、先生。いつもバレンタインデーには甘くないチョコをあげているけど、今年はマカロンをあげるね」
「マカロン、何それ?」
「知らないの?」
「うーん、分からないな」
「……まぁ、いいわ。とりあえず楽しみにしててよね! それより、ナルトやサスケくんが待ってるから行きましょう」

私は先生の手を取り、引っ張って歩き出す。

先生がキャンディの意味を知っているのか、知らないのかは分からない。
もし知っているとしたら、私が渡すマカロンの意味にも気づいてくれるといいな。
今年のバレンタインデーが楽しみだ。

(マカロン→あなたは特別な人)
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