NARUTO/カカサク 短編②
fantasia/Kalafina
上忍待機所にいると、唐突に紅が話しかけてきた。
「あんたってロリコンなの?」
「は? そんなわけないでしょ」
「でもいつもサクラちゃんと一緒にいるじゃない」
「……そんなにいる?」
「うん。あんたが“ロリコンじゃないか?”って噂になる程度にはね」
「嘘だろ……」
俺は紅の言葉で振り返ってみる。
――――――――――
とある任務終了後。解散しようとすると、サクラに呼び止められた。
「ねぇ、先生! 明日、任務ないでしょ? 新しくできた甘味屋さんに連れってほしいんだけど」
「えー、何で俺が」
「いいじゃない! どうせ暇なんだから。じゃあ、明日12時にここに集合ね!」
って感じで甘味屋に連れてったり……。
とある休日。サクラがいきなり家を訪ねてきた。
「先生! お母さんが近所の人に野菜を多くもらったらしくて、お裾分けしにきたわよ」
「おぉ~、ありがとう」
「で、先生の家に来たついでに、前に話してた本を読みたいんだけどいいでしょ?」
「貸すから持って帰っていいよ」
「嫌よ! 本なんて重いもの持ち歩きたくないもの。今日中に読み終わるから大丈夫!」
と家に上がられて、結局そのまま一日過ごしたり……。
とある泊りの任務中。
「サクラと俺は一人部屋で、ナルトとサスケは同じ部屋ね」
「えー! 私一人なの!?」
「女の子なんだから、当たり前でしょ」
「はーい……」
そして、深夜に一人で寛いでいると、サクラが部屋にやってくる。
「先生……」
「こんな遅くにどうしたのよ? 明日、早いよ」
「怖い夢を見ちゃって一人で寝れないの。ここで寝ていい?」
「いや、それはさすがに……。ナルトとサスケの部屋は?」
「3人は狭いでしょ」
「いや、俺も大人だから、狭いと思うけど……」
「いいの!」
「あっ! ちょっと!」
そう言って無理やり布団に入ってきて、結局一緒に寝たり……。
――――――――――
「……言われてみればそうかもしれない。でも、全部サクラからで俺から誘ってるわけじゃないよ」
「でも、結局受け入れているじゃない。断りなさいよ」
「まぁ、そうなんだけど……」
「……あんたがそれでいいならいいけど、そうじゃないなら少し考えた方がいいわよ。サクラちゃんにも悪影響だろうし」
そう言って紅は去っていく。俺は“確かに紅の言うことも一理ある”と思い、その日からサクラとは距離をとることにした。誘われても強引に断るたびにサクラの悲しそうな表情を見るのが辛かったが、“これもサクラのためだ”と思い心を鬼にしてそれを続けていた。
そんな日が続いたある日。同じようにサクラの誘いを断ると、サクラがついに「……先生。私の事嫌いになった?」と泣き出してしまった。
「えっ、ちょっと! どうしたのよ、サクラ……」
「だって、先生……前みたいに優しくしてくれない……きっと私の事嫌いになったんでしょ」
「いや、違くて……」
「じゃあ、どうして断るの?」
「それは……」
俺はサクラに事の顛末を話す。その間にサクラはようやく泣き止んだ。
「サクラも俺とばっかり一緒にいちゃダメでしょ。変な噂もたつだろうし……」
「私は噂なんて気にしない。先生はいままで私といて迷惑だった? 嫌だった?」
「ちょっと困ることはあったけど、迷惑じゃなかったし、別に嫌じゃなかったよ」
「ならいいじゃない。まわりがなんて言おうが関係ないでしょ」
「そうかもしれないけど……」
「大事なのは2人の気持ちだと思うの」
「まぁ、そう言われれば確かに……」
「じゃあ、もう私の誘いは断らないわね?」
「まぁ、任務とかじゃなければ……」
「ならいいわ! じゃあ、さっそく行きましょ!」
サクラの涙はどこにいったのやら。さっきと一変したサクラは俺の手を引いて、歩き出す。
「えっ? どこに?」
「先生が断ったせいで、やりたかったことや行きたいお店がたまってるの! それに付き合ってもらうんだから!」
「分かったよ。どこまでもついていきますよ」
俺の返事を聞くと、サクラが嬉しそうに笑う。俺は“その笑顔が見れるなら、ロリコンでもいいや”と思いながら、サクラについていくのだった。
上忍待機所にいると、唐突に紅が話しかけてきた。
「あんたってロリコンなの?」
「は? そんなわけないでしょ」
「でもいつもサクラちゃんと一緒にいるじゃない」
「……そんなにいる?」
「うん。あんたが“ロリコンじゃないか?”って噂になる程度にはね」
「嘘だろ……」
俺は紅の言葉で振り返ってみる。
――――――――――
とある任務終了後。解散しようとすると、サクラに呼び止められた。
「ねぇ、先生! 明日、任務ないでしょ? 新しくできた甘味屋さんに連れってほしいんだけど」
「えー、何で俺が」
「いいじゃない! どうせ暇なんだから。じゃあ、明日12時にここに集合ね!」
って感じで甘味屋に連れてったり……。
とある休日。サクラがいきなり家を訪ねてきた。
「先生! お母さんが近所の人に野菜を多くもらったらしくて、お裾分けしにきたわよ」
「おぉ~、ありがとう」
「で、先生の家に来たついでに、前に話してた本を読みたいんだけどいいでしょ?」
「貸すから持って帰っていいよ」
「嫌よ! 本なんて重いもの持ち歩きたくないもの。今日中に読み終わるから大丈夫!」
と家に上がられて、結局そのまま一日過ごしたり……。
とある泊りの任務中。
「サクラと俺は一人部屋で、ナルトとサスケは同じ部屋ね」
「えー! 私一人なの!?」
「女の子なんだから、当たり前でしょ」
「はーい……」
そして、深夜に一人で寛いでいると、サクラが部屋にやってくる。
「先生……」
「こんな遅くにどうしたのよ? 明日、早いよ」
「怖い夢を見ちゃって一人で寝れないの。ここで寝ていい?」
「いや、それはさすがに……。ナルトとサスケの部屋は?」
「3人は狭いでしょ」
「いや、俺も大人だから、狭いと思うけど……」
「いいの!」
「あっ! ちょっと!」
そう言って無理やり布団に入ってきて、結局一緒に寝たり……。
――――――――――
「……言われてみればそうかもしれない。でも、全部サクラからで俺から誘ってるわけじゃないよ」
「でも、結局受け入れているじゃない。断りなさいよ」
「まぁ、そうなんだけど……」
「……あんたがそれでいいならいいけど、そうじゃないなら少し考えた方がいいわよ。サクラちゃんにも悪影響だろうし」
そう言って紅は去っていく。俺は“確かに紅の言うことも一理ある”と思い、その日からサクラとは距離をとることにした。誘われても強引に断るたびにサクラの悲しそうな表情を見るのが辛かったが、“これもサクラのためだ”と思い心を鬼にしてそれを続けていた。
そんな日が続いたある日。同じようにサクラの誘いを断ると、サクラがついに「……先生。私の事嫌いになった?」と泣き出してしまった。
「えっ、ちょっと! どうしたのよ、サクラ……」
「だって、先生……前みたいに優しくしてくれない……きっと私の事嫌いになったんでしょ」
「いや、違くて……」
「じゃあ、どうして断るの?」
「それは……」
俺はサクラに事の顛末を話す。その間にサクラはようやく泣き止んだ。
「サクラも俺とばっかり一緒にいちゃダメでしょ。変な噂もたつだろうし……」
「私は噂なんて気にしない。先生はいままで私といて迷惑だった? 嫌だった?」
「ちょっと困ることはあったけど、迷惑じゃなかったし、別に嫌じゃなかったよ」
「ならいいじゃない。まわりがなんて言おうが関係ないでしょ」
「そうかもしれないけど……」
「大事なのは2人の気持ちだと思うの」
「まぁ、そう言われれば確かに……」
「じゃあ、もう私の誘いは断らないわね?」
「まぁ、任務とかじゃなければ……」
「ならいいわ! じゃあ、さっそく行きましょ!」
サクラの涙はどこにいったのやら。さっきと一変したサクラは俺の手を引いて、歩き出す。
「えっ? どこに?」
「先生が断ったせいで、やりたかったことや行きたいお店がたまってるの! それに付き合ってもらうんだから!」
「分かったよ。どこまでもついていきますよ」
俺の返事を聞くと、サクラが嬉しそうに笑う。俺は“その笑顔が見れるなら、ロリコンでもいいや”と思いながら、サクラについていくのだった。