NARUTO/カカサク 短編②
Secret of my heart/倉木麻衣
「先生、ごめんなさい……」
「別にいいよ。サクラのせいじゃないし」
「私のせいでしょ。私の代わりに川に落ちたんだから」
いま、カカシ先生はベッドに寝ており、私は先生の額にあるタオルを代えていた。なぜこうなったかというと……。昨日の任務中にサスケくんに見惚れていた私がバランスを崩し川に落ちそうになったところを先生がとっさに助けてくれたのだ。代わりに先生が落ちてしまったけど……。そのせいで先生は風邪をひいてしまったので、本日の任務はお休み。私はいてもたってもいられず、先生の家にこうしてきている。
「それは……まぁ、そうかもしれないけど。でも、サクラが川に落っこちなくて良かったよ」
「先生……」
先生は熱で辛いはずなのに、私を心配させないように無理に笑顔を作っていた。私はそれを見て目を伏せる。
「……それにしてもサクラは本当にサスケが好きだよね」
「そりゃあサスケくんはかっこいいもん!」
「まぁ、確かに顔は整ってるかもな」
「でしょ! もちろんクールなところや強いところもいいわよね! おかげでライバルは多いけど、私だって負けないんだから!」
私が顔をあげて決意を露にすると、「いつものサクラに戻ったね」と先生が笑った。
「先生」
「ん?」
「ありがと」
「どういたしまして。でも任務中はよそ見しちゃダメだよ」
「はーい」
私の返事を聞いた先生は私の頭を優しく撫でる。その手は風邪のせいでいつもより温度が高かった。
「先生、辛そう……」
「うーん、最近任務続きだったのもあるかもね。まぁ、寝てればそのうち治るでしょ」
「……私にしてほしいことないの?」
ご飯も薬も既に済ませたらしく、私はタオルを代えるぐらいしか役に立てていなかった。
「サクラがお見舞いにきてくれただけで充分だよ。暗くならないうちに早く帰りなさい」
「でも……」
「じゃあ、俺が眠るまで何か話しててよ。俺が寝たら、気にせず帰っていいから」
「それは逆に眠くならないんじゃないの?」
「大丈夫。なんだかサクラの声を聴いてると安心するんだよね。たぶんすぐ眠くなるよ」
「なによそれ。でも、どんなことを話せばいいの?」
「何でもいいよ。家族や友達の事とか、最近の出来事とか」
「本当にそれだけでいいの?」
「うん」
「……分かった。じゃあ、手を握りながら話してあげる。こうするとよく眠れるのよ」
「え~、子供じゃないんだからいいよ」
「いいから!」
私は先生の手をとると、優しく握った。先生は口では遠慮しつつもされるがままだったので、そのまま握りながら私は言われた通りに最近の出来事などを話し続ける。最初は相槌をくれていた先生だったが、いつのまにかそれもなくなり、どうやら眠りについたようだった。
「本当に寝た……」
感心しながら先生の寝顔をまじまじと見ていると、私も急に眠気が襲ってくる。
「……少しだけならいいわよね」
私は仮眠しようと目を閉じる。そのまま朝までぐっすり眠ってしまい、先に起きた先生に起こされ、2人慌てるのはまた別の話。
「先生、ごめんなさい……」
「別にいいよ。サクラのせいじゃないし」
「私のせいでしょ。私の代わりに川に落ちたんだから」
いま、カカシ先生はベッドに寝ており、私は先生の額にあるタオルを代えていた。なぜこうなったかというと……。昨日の任務中にサスケくんに見惚れていた私がバランスを崩し川に落ちそうになったところを先生がとっさに助けてくれたのだ。代わりに先生が落ちてしまったけど……。そのせいで先生は風邪をひいてしまったので、本日の任務はお休み。私はいてもたってもいられず、先生の家にこうしてきている。
「それは……まぁ、そうかもしれないけど。でも、サクラが川に落っこちなくて良かったよ」
「先生……」
先生は熱で辛いはずなのに、私を心配させないように無理に笑顔を作っていた。私はそれを見て目を伏せる。
「……それにしてもサクラは本当にサスケが好きだよね」
「そりゃあサスケくんはかっこいいもん!」
「まぁ、確かに顔は整ってるかもな」
「でしょ! もちろんクールなところや強いところもいいわよね! おかげでライバルは多いけど、私だって負けないんだから!」
私が顔をあげて決意を露にすると、「いつものサクラに戻ったね」と先生が笑った。
「先生」
「ん?」
「ありがと」
「どういたしまして。でも任務中はよそ見しちゃダメだよ」
「はーい」
私の返事を聞いた先生は私の頭を優しく撫でる。その手は風邪のせいでいつもより温度が高かった。
「先生、辛そう……」
「うーん、最近任務続きだったのもあるかもね。まぁ、寝てればそのうち治るでしょ」
「……私にしてほしいことないの?」
ご飯も薬も既に済ませたらしく、私はタオルを代えるぐらいしか役に立てていなかった。
「サクラがお見舞いにきてくれただけで充分だよ。暗くならないうちに早く帰りなさい」
「でも……」
「じゃあ、俺が眠るまで何か話しててよ。俺が寝たら、気にせず帰っていいから」
「それは逆に眠くならないんじゃないの?」
「大丈夫。なんだかサクラの声を聴いてると安心するんだよね。たぶんすぐ眠くなるよ」
「なによそれ。でも、どんなことを話せばいいの?」
「何でもいいよ。家族や友達の事とか、最近の出来事とか」
「本当にそれだけでいいの?」
「うん」
「……分かった。じゃあ、手を握りながら話してあげる。こうするとよく眠れるのよ」
「え~、子供じゃないんだからいいよ」
「いいから!」
私は先生の手をとると、優しく握った。先生は口では遠慮しつつもされるがままだったので、そのまま握りながら私は言われた通りに最近の出来事などを話し続ける。最初は相槌をくれていた先生だったが、いつのまにかそれもなくなり、どうやら眠りについたようだった。
「本当に寝た……」
感心しながら先生の寝顔をまじまじと見ていると、私も急に眠気が襲ってくる。
「……少しだけならいいわよね」
私は仮眠しようと目を閉じる。そのまま朝までぐっすり眠ってしまい、先に起きた先生に起こされ、2人慌てるのはまた別の話。
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