NARUTO/カカサク 短編②
storia/Kalafina
仕事が早く終わった私は執務室にいるカカシ先生の元へ向かう。特に用はないけれど、先生がいつもあたたかく迎えてくれるので、定期的に訪れているのだ。
いつものようにノックして入ると、本を読んでいる先生が目に入る。あんな真剣に読んでいるなんて……イチャパラ? 仕事の本? 近づいて確かめた本の正体に私は衝撃を受けた。
「先生! その本って……?」
「ん? 名づけ本だよ。今度子供がうまれるんだよね~。俺が名前を決めていいらしくて。でも、中途半端な名前はつけられないでしょ。だからちゃんと調べようと思って」
「そうなんだ……」
「楽しみだよね~……って、えっ! サクラ!?」
私は話を聞いていられなくなり、その場を急いで去った。
知らなかった。先生に恋人がいること。しかも、もうすぐ子供も産まれるなんて……。何で言ってくれないんだろう。一応、私って先生の元教え子だよね? 先生の本を読んでいる表情を振り返る。真剣な表情の中には、どこか幸せそうな雰囲気もあった。
私の頬からは涙が伝う。なんでこんなに悲しいんだろう……そっか、私って先生の事が好きだったんだ。今頃気付いても遅いけど。
私はようやく気付いた自分の気持ちに蓋をし、仕事に打ち込んだ。先生とはあの日以来会ってない。自分の気持ちに気づいたいま、どう接していいか分からなかったのだ。それと同時に、私が会いに行こうとしなければ会わないんだということにも気づき、余計に気持ちが沈んでしまった。
そんな日々が続いた頃……。いつものように仕事をしていると、カカシ先生が急に現れた。
「サクラ!」
「先生……」
「久しぶり。最近、来ないけど忙しいの?」
「まぁ、そんな感じ」
「そっか。あんまり無理しちゃダメだよ」
「うん、ありがとう。先生こそこんなところにいるなんて珍しいね」
「仕事に余裕ができたからさ、サクラどうしてるかなって……」
「別に変わらないわよ」
「なら良かった」
「うん」
「……」
「……」
沈黙が流れる。あれ、前はどんな感じに話してたっけ? このままじゃいけないと私はとっさに思いついた話題を出す。
「……そういえば、子供は無事に産まれたの?」
私のバカ―!!! 何、自分で地雷を踏みに行ってるのよ! でも、気になるのも事実で。先生の反応を待つ。
「あぁ、うん。子供ね。無事にうまれたよ。元気な男の子と女の子たちかな」
「それなら良かった……うん? 男の子と女の子たち? 双子とか?」
「いいや、 六つ子かな」
「えぇ!!! それはすごいわね」
「? 普通じゃない?」
「先生、甘いわ。女の人が六つ子産むのはどれだけ大変なことか……」
「ん? 待って? 女の人?」
「うん、先生の恋人の事。産まれたのは先生の子供でしょ」
「待って、サクラ。お前、なにか勘違いしてないか?」
「勘違い? なにが?」
「俺が言っているのはパックンのことだよ。産んだのはパックンの相手の犬。パックンの子供が生まれたってこと!」
「えぇぇーーー!!!」
「なんかおかしいなって思ってたんだけど、まさかサクラが勘違いしてるとは……」
「先生が紛らわしい言い方するからでしょ! 私がどれだけショックをうけたことか……」
「ショック?」
あっ、ヤバい……。言わなくていいことも言った気がする。
「いや、なんでもない。それじゃあ、仕事あるからもう行くわね!」
急いでその場を立ち去ろうとするが、先生が私の腕をつかむ。
「サークラ! まだ俺の質問に答えてないよね?」
先生は笑っているが、私には分かる。絶対言うまで逃がさないぞという意思を。
こうして私は洗いざらい自分の気持ちを吐くことになった。でも、先生も実は同じ気持ちだったことが分かり、無事に付き合うことになったのだった。
仕事が早く終わった私は執務室にいるカカシ先生の元へ向かう。特に用はないけれど、先生がいつもあたたかく迎えてくれるので、定期的に訪れているのだ。
いつものようにノックして入ると、本を読んでいる先生が目に入る。あんな真剣に読んでいるなんて……イチャパラ? 仕事の本? 近づいて確かめた本の正体に私は衝撃を受けた。
「先生! その本って……?」
「ん? 名づけ本だよ。今度子供がうまれるんだよね~。俺が名前を決めていいらしくて。でも、中途半端な名前はつけられないでしょ。だからちゃんと調べようと思って」
「そうなんだ……」
「楽しみだよね~……って、えっ! サクラ!?」
私は話を聞いていられなくなり、その場を急いで去った。
知らなかった。先生に恋人がいること。しかも、もうすぐ子供も産まれるなんて……。何で言ってくれないんだろう。一応、私って先生の元教え子だよね? 先生の本を読んでいる表情を振り返る。真剣な表情の中には、どこか幸せそうな雰囲気もあった。
私の頬からは涙が伝う。なんでこんなに悲しいんだろう……そっか、私って先生の事が好きだったんだ。今頃気付いても遅いけど。
私はようやく気付いた自分の気持ちに蓋をし、仕事に打ち込んだ。先生とはあの日以来会ってない。自分の気持ちに気づいたいま、どう接していいか分からなかったのだ。それと同時に、私が会いに行こうとしなければ会わないんだということにも気づき、余計に気持ちが沈んでしまった。
そんな日々が続いた頃……。いつものように仕事をしていると、カカシ先生が急に現れた。
「サクラ!」
「先生……」
「久しぶり。最近、来ないけど忙しいの?」
「まぁ、そんな感じ」
「そっか。あんまり無理しちゃダメだよ」
「うん、ありがとう。先生こそこんなところにいるなんて珍しいね」
「仕事に余裕ができたからさ、サクラどうしてるかなって……」
「別に変わらないわよ」
「なら良かった」
「うん」
「……」
「……」
沈黙が流れる。あれ、前はどんな感じに話してたっけ? このままじゃいけないと私はとっさに思いついた話題を出す。
「……そういえば、子供は無事に産まれたの?」
私のバカ―!!! 何、自分で地雷を踏みに行ってるのよ! でも、気になるのも事実で。先生の反応を待つ。
「あぁ、うん。子供ね。無事にうまれたよ。元気な男の子と女の子たちかな」
「それなら良かった……うん? 男の子と女の子たち? 双子とか?」
「いいや、 六つ子かな」
「えぇ!!! それはすごいわね」
「? 普通じゃない?」
「先生、甘いわ。女の人が六つ子産むのはどれだけ大変なことか……」
「ん? 待って? 女の人?」
「うん、先生の恋人の事。産まれたのは先生の子供でしょ」
「待って、サクラ。お前、なにか勘違いしてないか?」
「勘違い? なにが?」
「俺が言っているのはパックンのことだよ。産んだのはパックンの相手の犬。パックンの子供が生まれたってこと!」
「えぇぇーーー!!!」
「なんかおかしいなって思ってたんだけど、まさかサクラが勘違いしてるとは……」
「先生が紛らわしい言い方するからでしょ! 私がどれだけショックをうけたことか……」
「ショック?」
あっ、ヤバい……。言わなくていいことも言った気がする。
「いや、なんでもない。それじゃあ、仕事あるからもう行くわね!」
急いでその場を立ち去ろうとするが、先生が私の腕をつかむ。
「サークラ! まだ俺の質問に答えてないよね?」
先生は笑っているが、私には分かる。絶対言うまで逃がさないぞという意思を。
こうして私は洗いざらい自分の気持ちを吐くことになった。でも、先生も実は同じ気持ちだったことが分かり、無事に付き合うことになったのだった。