ハイキュー‼/黒尾夢
放課後の教室。女友達に恋人の愚痴を吐いてたら、唐突に彼女が言い出した。
「じゃあさ、私はどう?」
「えっと、それはどういう……?」
「だから、私が黒尾の彼女になるってこと!」
「話聞いてた? 俺、彼女いるんだけど」
「うん。でも、話を聞く限りその彼女は微妙みたいだし。それに、黒尾って私の事好きでしょ?」
「えっ!? そりゃあ、最近いいかもとは思ってたけど……。お前はどうなのよ? 俺でいいの?」
「もちろん! 私、黒尾のこと好きだもん」
「ふ~ん、えっ!? そうなの!?」
「あはは、自分で聞いて驚きすぎだよ」
「そりゃあ、驚くでしょ」
「それに知ってる? 私達、お似合いだねって言われてるんだよ。これはもう付き合うしかないと思って!」
自信満々に言い切った彼女の笑顔はとても輝いて見えた。
「……確かに。それもいいかもな。でもその前に、きちんと彼女と別れてくるから。それで今度は俺からお前に告白させてよ」
「うん! あっ、私も一緒に行こうか?」
「それは遠慮しときます」
「残念。じゃあ、待ってるね!」
そう言って小指を差し出してきたので、俺も小指を絡ませる。
「黒尾の事、絶対に幸せにするから!」
「それは俺の台詞なんですけど」
俺達は笑い合う。こうして翌日、俺達の関係は友達から恋人になった。