NARUTO/ナルサク 短編
北川謙二/NMB48
「あっ!」
木ノ葉に新しくできたカフェ。向かい合わせで座りながら、サクラちゃんと楽しくお茶をしていると、急に何かを見つけたのか声を出す。
「どうしたんだってばよ?」
サクラちゃんの視線の先を辿ると、サスケがいた。
「サスケ……」
「うん、サスケくんだね。帰ってきてたんだ」
サクラちゃんは懐かしそうに呟く。オレはカカシ先生から聞いていたから知っていたけど、サクラちゃんは知らなかったらしい。まぁ、サスケが自分から連絡するタイプじゃないから当たり前か。
サクラちゃんは一時期サスケと一緒に旅に出ていたことがある。しばらくしてサクラちゃんのみが里に戻ってきた。サクラちゃんのスッキリした顔を見て、サスケとの関係に区切りがついたのだと悟った。そこからオレは猛アタックし、無事に付き合うことができた。でも、サクラちゃんはまだサスケのことが好きなんじゃないかと思うこともある。いまだって……。
「なんて顔してるのよ」
「えっ」
考え込んでいる顔をサクラちゃんにのぞかれ、オレはドキッとする。
「オレ、どんな顔してるってばよ?」
「うーんとね、なんだか泣きそうな顔」
サクラちゃんがじっとオレの顔を見つめてくる。サクラちゃんの綺麗な瞳には情けないオレの顔がうつっていた。
「はぁ~」
サクラちゃんがため息をつく。オレはそれにビクッとする。サクラちゃん、呆れたのかな……。俯くと、サクラちゃんが席を立つのが分かった。えっ、帰っちゃうの……? 嘘だろと思い、顔をあげるとサクラちゃんがこっちに来て、俺を抱き締める。サクラちゃんが立って、俺が座っているため、オレの頭がサクラちゃんの胸に当たる形になる。
「サクラちゃん!?」
「私が好きなのはナルトよ」
サクラちゃんはオレを抱き締めながら、しっかりとした声色で言う。
「そんなの知ってるってばよ。でも……」
「でも! じゃないの! なに? サスケくんがもし私をちょうだいって言ってきたら、あんたは私をあっさり手放すの!?」
落ち込むオレにしびれをきらしたのか、サクラちゃんがまくしたてる。そして、言いたいことを言い終わったのか、サクラちゃんは瞳に涙を溜め、にらみつけるようにオレを見る。
「バカナルト……」
「ごめん」
「謝んないでよ」
「ごめ……じゃなくて、ありがとうだってばよ。オレの目を覚まさせてくれて」
「えっ……?」
「サクラちゃんのことは離す気はないってばよ。サスケはもちろん、誰にも。もしサクラちゃんをオレから奪うやつが現れたら、全力で戦ってみせる! オレがいままで、そしてこの先も好きなのは……一緒にいたいのは……サクラちゃんだけだってばよ!!」
自分の気持ちが伝わるようにサクラちゃんをしっかりと見る。サクラちゃんは目を開いて「ナルト……」と驚いていた。そんなサクラちゃんを今度は自分からしっかり抱き締める。サクラちゃんも抱き締め返してくれた。
ふと視線を感じ、目だけをその先に向けると、サスケがオレの方を見て一瞬だが微笑んだ。まるで“サクラをよろしくな”という表情だ。オレも“任せろ”という思いを込めて視線を送ると、サスケはそれを受け止めその場から去っていった。
「あっ!」
木ノ葉に新しくできたカフェ。向かい合わせで座りながら、サクラちゃんと楽しくお茶をしていると、急に何かを見つけたのか声を出す。
「どうしたんだってばよ?」
サクラちゃんの視線の先を辿ると、サスケがいた。
「サスケ……」
「うん、サスケくんだね。帰ってきてたんだ」
サクラちゃんは懐かしそうに呟く。オレはカカシ先生から聞いていたから知っていたけど、サクラちゃんは知らなかったらしい。まぁ、サスケが自分から連絡するタイプじゃないから当たり前か。
サクラちゃんは一時期サスケと一緒に旅に出ていたことがある。しばらくしてサクラちゃんのみが里に戻ってきた。サクラちゃんのスッキリした顔を見て、サスケとの関係に区切りがついたのだと悟った。そこからオレは猛アタックし、無事に付き合うことができた。でも、サクラちゃんはまだサスケのことが好きなんじゃないかと思うこともある。いまだって……。
「なんて顔してるのよ」
「えっ」
考え込んでいる顔をサクラちゃんにのぞかれ、オレはドキッとする。
「オレ、どんな顔してるってばよ?」
「うーんとね、なんだか泣きそうな顔」
サクラちゃんがじっとオレの顔を見つめてくる。サクラちゃんの綺麗な瞳には情けないオレの顔がうつっていた。
「はぁ~」
サクラちゃんがため息をつく。オレはそれにビクッとする。サクラちゃん、呆れたのかな……。俯くと、サクラちゃんが席を立つのが分かった。えっ、帰っちゃうの……? 嘘だろと思い、顔をあげるとサクラちゃんがこっちに来て、俺を抱き締める。サクラちゃんが立って、俺が座っているため、オレの頭がサクラちゃんの胸に当たる形になる。
「サクラちゃん!?」
「私が好きなのはナルトよ」
サクラちゃんはオレを抱き締めながら、しっかりとした声色で言う。
「そんなの知ってるってばよ。でも……」
「でも! じゃないの! なに? サスケくんがもし私をちょうだいって言ってきたら、あんたは私をあっさり手放すの!?」
落ち込むオレにしびれをきらしたのか、サクラちゃんがまくしたてる。そして、言いたいことを言い終わったのか、サクラちゃんは瞳に涙を溜め、にらみつけるようにオレを見る。
「バカナルト……」
「ごめん」
「謝んないでよ」
「ごめ……じゃなくて、ありがとうだってばよ。オレの目を覚まさせてくれて」
「えっ……?」
「サクラちゃんのことは離す気はないってばよ。サスケはもちろん、誰にも。もしサクラちゃんをオレから奪うやつが現れたら、全力で戦ってみせる! オレがいままで、そしてこの先も好きなのは……一緒にいたいのは……サクラちゃんだけだってばよ!!」
自分の気持ちが伝わるようにサクラちゃんをしっかりと見る。サクラちゃんは目を開いて「ナルト……」と驚いていた。そんなサクラちゃんを今度は自分からしっかり抱き締める。サクラちゃんも抱き締め返してくれた。
ふと視線を感じ、目だけをその先に向けると、サスケがオレの方を見て一瞬だが微笑んだ。まるで“サクラをよろしくな”という表情だ。オレも“任せろ”という思いを込めて視線を送ると、サスケはそれを受け止めその場から去っていった。