NARUTO/ナルサク 短編
世界は恋に落ちている/CHiCO with HoneyWorks
ナルトの家での初お泊まりの翌朝。私は朝食作りに、レシピ本片手に苦戦していた。
「えっ、どうしてコレがこうなるの!?」
最初はフレンチトーストを作ろうと失敗し、次にスクランブルエッグに手を出して再び失敗。卵焼きならと思って作り始めたものの、ダークマターが出来てしまった。
「どうしよう。早く作らないとナルトが起きてきちゃう……」
オロオロしていると、ついにナルトが起きてきてしまった。
「おはよ〜、サクラちゃん」
「おはよう、ナルト」
「えっ! 朝食作ってくれてるの!?」
ナルトが目を輝かせる。
「そうなんだけど、あの……」
私は目を泳がせる。
「どうしたんだってばよ?」
ナルトは私に近づき、背後のキッチンを見る。失敗作の数々に大量の食器や道具、その惨状はひどいものだった。
「ごめんなさい、色々頑張ったんだけど……」
「サクラちゃん、これオレのために?」
「そうだけど、上手く作れなかったし。キッチンも汚しちゃって……」
私は泣きそうになり、思わず俯く。
「……嬉しいってばよ」
「えっ?」
私は思わず顔を上げる。ナルトの目からは涙が溢れ出していた。
「サクラちゃんがオレのために頑張ってくれてるなんて、夢みたいだ」
「ちょっ、なんでアンタが泣いてるのよ!」
「だって、昔はぞんざいな扱いされてたし……」
「あの頃はサスケくんに夢中だったんだから、仕方ないでしょ!」
「でもよー、サクラちゃんがオレを選んでくれただけでも十分なのに、お泊まりして朝ごはんも作ってくれるなんて……幸せすぎて怖いってばよ」
ナルトの涙は止まらない。
「あー、もう仕方ないわね」
私はナルトを抱きしめる。
「ほら、あったかいでしょ。夢じゃないから安心して」
「だじがに〜」
ナルトも私を抱きしめ返す。
「サクラちゃーん! 大好きだってばよ~」
「はいはい」
私はナルトが泣き止むまで、背中を撫で続けた。ナルトも落ち着いたころ、かろうじて作った目玉焼きとご飯と味噌汁を出す。だが、目玉焼きは所々焦げており、味噌汁の具の野菜はきちんと切れておらず、ご飯はべちょべちょでどれも微妙なものばかり。でも、ナルトは「いただきます!」と、気にせずに食べている。
「ごめんね。ヒナタだったら、きっと……」
「俺はサクラちゃんがいいんだ。そんなこと言ったらオレとヒナタに失礼だってばよ。それに見た目はアレだけど、味は美味しいから安心して!」
「ありがとう、ナルト。……大好き」
「えっ? いまなんて?」
「……何でもないわ」
「えー! 大好きって聞こえたってばよ」
「空耳よ、空耳! それより早く食べてデートするんでしょ!」
「そうだってばよ! 今日をすごく楽しみにしてたんだから!」
そう言ってナルトは急いでご飯をかき込む。その様子を見て、ナルトを好きになって良かったと改めて感じたのだった。
ナルトの家での初お泊まりの翌朝。私は朝食作りに、レシピ本片手に苦戦していた。
「えっ、どうしてコレがこうなるの!?」
最初はフレンチトーストを作ろうと失敗し、次にスクランブルエッグに手を出して再び失敗。卵焼きならと思って作り始めたものの、ダークマターが出来てしまった。
「どうしよう。早く作らないとナルトが起きてきちゃう……」
オロオロしていると、ついにナルトが起きてきてしまった。
「おはよ〜、サクラちゃん」
「おはよう、ナルト」
「えっ! 朝食作ってくれてるの!?」
ナルトが目を輝かせる。
「そうなんだけど、あの……」
私は目を泳がせる。
「どうしたんだってばよ?」
ナルトは私に近づき、背後のキッチンを見る。失敗作の数々に大量の食器や道具、その惨状はひどいものだった。
「ごめんなさい、色々頑張ったんだけど……」
「サクラちゃん、これオレのために?」
「そうだけど、上手く作れなかったし。キッチンも汚しちゃって……」
私は泣きそうになり、思わず俯く。
「……嬉しいってばよ」
「えっ?」
私は思わず顔を上げる。ナルトの目からは涙が溢れ出していた。
「サクラちゃんがオレのために頑張ってくれてるなんて、夢みたいだ」
「ちょっ、なんでアンタが泣いてるのよ!」
「だって、昔はぞんざいな扱いされてたし……」
「あの頃はサスケくんに夢中だったんだから、仕方ないでしょ!」
「でもよー、サクラちゃんがオレを選んでくれただけでも十分なのに、お泊まりして朝ごはんも作ってくれるなんて……幸せすぎて怖いってばよ」
ナルトの涙は止まらない。
「あー、もう仕方ないわね」
私はナルトを抱きしめる。
「ほら、あったかいでしょ。夢じゃないから安心して」
「だじがに〜」
ナルトも私を抱きしめ返す。
「サクラちゃーん! 大好きだってばよ~」
「はいはい」
私はナルトが泣き止むまで、背中を撫で続けた。ナルトも落ち着いたころ、かろうじて作った目玉焼きとご飯と味噌汁を出す。だが、目玉焼きは所々焦げており、味噌汁の具の野菜はきちんと切れておらず、ご飯はべちょべちょでどれも微妙なものばかり。でも、ナルトは「いただきます!」と、気にせずに食べている。
「ごめんね。ヒナタだったら、きっと……」
「俺はサクラちゃんがいいんだ。そんなこと言ったらオレとヒナタに失礼だってばよ。それに見た目はアレだけど、味は美味しいから安心して!」
「ありがとう、ナルト。……大好き」
「えっ? いまなんて?」
「……何でもないわ」
「えー! 大好きって聞こえたってばよ」
「空耳よ、空耳! それより早く食べてデートするんでしょ!」
「そうだってばよ! 今日をすごく楽しみにしてたんだから!」
そう言ってナルトは急いでご飯をかき込む。その様子を見て、ナルトを好きになって良かったと改めて感じたのだった。
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