4.絶望のその先へ

prima dynamis/電気式華憐音楽集団 


俺はサクラの亡骸を抱え、家に帰る。そして、サクラを椅子に座らせると、料理を作り始める。できた料理は食卓に並べ、俺も向かいの椅子に座った。

「いままでごめんね。お詫びに今日は俺が料理を作ってみたよ。ほら、サクラが美味しいって言ってくれた生姜焼き。早く食べないと、冷めちゃうよ〜」

サクラに話しかけていると、「ピンポーン!」と家のチャイムが鳴る。

「誰か来たみたい。ちょっと待っててね」

サクラに言い聞かせ、ドアを開けるとナルトが立っていた。

「カカシ先生! お誕生日おめでとう! これプレゼント」

そう言って、ラッピングされた日本酒を渡される。

「お~、ナルトか。お前にしては気が利くな、ありがとう。ちょうどサクラとご飯を食べていたんだ。良かったら一緒に食べていくか?」
「えっ!? いいの?」
「あぁ。それにサクラもきっといいよって言うと思うよ」
「やったー!」

そう言ってナルトはすぐさまあがり、リビングに向かう。

「全くあいつは……」

呆れながらその後を追うと、「サクラちゃん!」とナルトがサクラの肩を掴み揺さぶっていた。

「ナルト! そんなに乱暴にするな」
「なに言ってるんだってばよ、先生! サクラちゃん、死んでるんだぞ!!」
「ナルトこそなに言ってるんだよ? サクラは生きてるよ」

呆然としているナルトからサクラを取り返すと、「大丈夫だったか?」と、サクラの頭を優しく撫でる。

「カカシ先生がおかしくなっちゃったってばよ……。俺、綱手のばーちゃんに知らせてくる!」

そう言って、ナルトは顔を真っ青にして家を飛び出していく。

「ったく、慌ただしいねー。ん? もう眠くなっちゃった? いいよ、寝ようか」

俺はサクラを運び、ベッドに寝かせる。

「サクラの身体冷たいね。俺があっためてあげる」

俺も一緒に入り、サクラを抱き抱えると目を閉じる。

サクラは死んでない、ここにいる。死ぬわけないんだ。
そうだよね、サクラ。

「おやすみ。これからもずっと一緒にいようね」

【死体END】
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