NARUTO/サスサク 短編
HELLO HELLO /Snow Man
部屋で雑誌を読みながらくつろいでいると、あるページに目がとまる。
“真夏のアフタヌーンティー特集”。誌面にはレモンをテーマにした、美味しそうなマカロンやケーキ、チョコレートやサンドイッチなどが上下のプレートにのっている。そばにはカップに入った紅茶や、涼しげなグラスに入れられたレモンソーダがある。
「良いな~」
思わず口に出すと、隣で巻物を読んでいたサスケくんが反応する。
「どうした?」
「あのね、これすごい良いなと思って! 一回行ってみたかったのよね、アフタヌーンティー」
私はうっとりした顔で雑誌をサスケくんに見せたが、その後すぐ後悔した。
こういうの興味ないし、甘いものが嫌いな彼のことだ、きっと嫌な顔をするだろう。
「甘そうだな」
そう言ってサスケくんは眉を寄せ、巻物に目を戻す
ほら、私の想像通り。
「サスケくんはそうだよね、ごめんなさい。……いのを誘って行こうかしら。でもダイエット中って言ってたし、ヒナタは最近忙しいから」
私も再び雑誌に目を戻し、誰を誘うか考えていた。
「……別に行かないとは言っていない」
私はサスケくんの方を見た。
サスケくんはいまだ巻物に目を向けたままだ。
幻聴だったのかしら?
サスケくんが行くって言うはずないもんねー、と私が雑誌に戻ろうとすると、今度ははっきりとサスケくんが「だから、俺が一緒に行ってやってもいい」と目を向けた。私は思わず目を見張る。
「でも、サスケくん甘いもの苦手でしょ」
「確かに食べられないが、茶ぐらいなら飲める」
「でも、たぶんまわりは女の子ばっかりだよ。カップルはいるかもしれないけど……サスケくん、そういうの苦手でしょ?」
「苦手だが、お前は行きたいんだろう」
「そりゃあ、行きたいけど」
「なら、行くぞ。今度の休みでいいか?」
「……うん! ありがとうサスケくん!」
私はサスケくんに飛びついた。
そんな私をサスケくんは優しく受け止めてくれた。
アフタヌーンティー当日。
やはり女の子だらけで、サスケくんは居心地が悪そうだ。
「やっぱり帰ろうか?」
「別にいい」
そう言うとサスケくんは席に座る。
私も席に座り、注文を終え、しばらくすると待ちに待った飲み物と、いろんなものがのっているプレートが運ばれてくる。
飲み物は私がハニーレモンソーダで、サスケくんがストレートの紅茶だ。
私はハニーレモンソーダを飲む。
炭酸のシュワシュワが乾いた喉に染み渡り気持ちいい。
「レモンソーダなのに、ハチミツが入ってるから甘くて美味しい〜」
次は下の段のサンドイッチを手に取る。食べてみると、中身はハムとレタスとトマトで、それにレモンソースがかかってるみたいだ。
「サスケくん。下のサンドイッチなら甘くないから、サスケくんも食べれると思うよ」
「そうか」
そう言ってサスケくんはサンドイッチを頬張る。
私は次に上の段のスイーツに手をつける。
色々種類があって迷うが、最初はレモンチーズケーキを選んだ。
「これ美味しい〜」と、他のものもどんどん食べ進めていく。
好きな人と大好物を食べられるって幸せだな〜。
そう思いながら食べてるとサスケくんの視線に気づき、手をとめる。
「うん? どうしたの?」
「別に……」
「気になるんだけど……」
「……いや、美味そうな顔して食べるなと思っただけだ」
すごく優しい顔で言うから、私は顔を赤らめた。
「だって美味しいんだもん……」
そう言って恥ずかしさを隠すように私は食べるのを再開する。
「おい、サクラ。ついてるぞ」
「えっ?」
サスケくんの方を見ると、いつのまにか手が伸びてきて、私の口の端についていたらしい、ケーキのクズを取ると自分の口へ運んだ。
そして、「やっぱり甘いな」と眉を顰める。
「サ、サスケくん」
「うん、どうした?」
何でもないような顔をするから、私も聞くに聞けず「やっぱりなんでもない……」と言い、ハニーレモンソーダを一気に口に含む。
そのせいかむせてしまい、それを見たサスケくんは「大丈夫か」と心配して、おしぼりをくれた。
なんなんだ、今日のサスケくん。
甘すぎないか。態度が。言葉が。
アフタヌーンティーの雰囲気にやられてるのかな。
私はその後もサスケくんの優しい視線に耐えながら、ようやく食べ終え、お店を後にした。
「ありがとうね、今日は付き合ってくれて」
「別に。たまにはこういうのもいいだろう」
「また付き合ってくれる?」
「考えとく」
断られなかった事が嬉しくて、私はサスケくんの手を握り、歩き出す。
サスケくんも握り返してくれ、私達は手を繋いで家へと帰っていった
サスケくんとアフタヌーンティーに行った数日後、サイと偶然会った。
「お疲れ様、サイ」
「お疲れ様、サクラ。そういえばサスケくんとアフタヌーンティーに行ったんだね」
「そうよ。何でサイが知ってるの?」
「いのに聞いたからね。それにしてもあのサスケくんが珍しいね」
「本当よね、びっくりしちゃった。でも楽しかったなー」
私はあの時のことを思い出し、顔を綻ばせる。
「やっぱりナルトの言葉が効いたのかな」
「えっ? 何それ?」
「この前、ナルトと一緒にいたら偶然サスケくんと出会ってね。ナルトが『ヒナタと色んな所行った』って楽しそうに話してたんだ。そしてナルトがサスケくんに『お前はサクラちゃんとどこに行ったんだ?』って聞いたら、サスケくんが『どこにも行ってない。家で過ごす』と答えて。それを聞いたナルトが驚いて『お前、それじゃあサクラちゃんに愛想尽かされるのも時間の問題だぞ』って言ったら、サスケくんの顔が一気に青ざめてね、そのまま帰っていたんだ。だから、そのせいかなと思って」
「……なるほどね。そんなことで愛想尽かすわけないじゃない」
「だよね」
「まぁ、でもナルトには感謝するわ。サイもありがとうね!」
「どういたしまして。それじゃあ僕は行くよ」
そう言ってサイは去っていた。
ナルトの言葉をまにうける、サスケくん。
可愛すぎなのよ、しゃーんなろー!
嬉しすぎて思わず壁に穴を空けてしまい、先生に叱られたのは言うまでもない。
部屋で雑誌を読みながらくつろいでいると、あるページに目がとまる。
“真夏のアフタヌーンティー特集”。誌面にはレモンをテーマにした、美味しそうなマカロンやケーキ、チョコレートやサンドイッチなどが上下のプレートにのっている。そばにはカップに入った紅茶や、涼しげなグラスに入れられたレモンソーダがある。
「良いな~」
思わず口に出すと、隣で巻物を読んでいたサスケくんが反応する。
「どうした?」
「あのね、これすごい良いなと思って! 一回行ってみたかったのよね、アフタヌーンティー」
私はうっとりした顔で雑誌をサスケくんに見せたが、その後すぐ後悔した。
こういうの興味ないし、甘いものが嫌いな彼のことだ、きっと嫌な顔をするだろう。
「甘そうだな」
そう言ってサスケくんは眉を寄せ、巻物に目を戻す
ほら、私の想像通り。
「サスケくんはそうだよね、ごめんなさい。……いのを誘って行こうかしら。でもダイエット中って言ってたし、ヒナタは最近忙しいから」
私も再び雑誌に目を戻し、誰を誘うか考えていた。
「……別に行かないとは言っていない」
私はサスケくんの方を見た。
サスケくんはいまだ巻物に目を向けたままだ。
幻聴だったのかしら?
サスケくんが行くって言うはずないもんねー、と私が雑誌に戻ろうとすると、今度ははっきりとサスケくんが「だから、俺が一緒に行ってやってもいい」と目を向けた。私は思わず目を見張る。
「でも、サスケくん甘いもの苦手でしょ」
「確かに食べられないが、茶ぐらいなら飲める」
「でも、たぶんまわりは女の子ばっかりだよ。カップルはいるかもしれないけど……サスケくん、そういうの苦手でしょ?」
「苦手だが、お前は行きたいんだろう」
「そりゃあ、行きたいけど」
「なら、行くぞ。今度の休みでいいか?」
「……うん! ありがとうサスケくん!」
私はサスケくんに飛びついた。
そんな私をサスケくんは優しく受け止めてくれた。
アフタヌーンティー当日。
やはり女の子だらけで、サスケくんは居心地が悪そうだ。
「やっぱり帰ろうか?」
「別にいい」
そう言うとサスケくんは席に座る。
私も席に座り、注文を終え、しばらくすると待ちに待った飲み物と、いろんなものがのっているプレートが運ばれてくる。
飲み物は私がハニーレモンソーダで、サスケくんがストレートの紅茶だ。
私はハニーレモンソーダを飲む。
炭酸のシュワシュワが乾いた喉に染み渡り気持ちいい。
「レモンソーダなのに、ハチミツが入ってるから甘くて美味しい〜」
次は下の段のサンドイッチを手に取る。食べてみると、中身はハムとレタスとトマトで、それにレモンソースがかかってるみたいだ。
「サスケくん。下のサンドイッチなら甘くないから、サスケくんも食べれると思うよ」
「そうか」
そう言ってサスケくんはサンドイッチを頬張る。
私は次に上の段のスイーツに手をつける。
色々種類があって迷うが、最初はレモンチーズケーキを選んだ。
「これ美味しい〜」と、他のものもどんどん食べ進めていく。
好きな人と大好物を食べられるって幸せだな〜。
そう思いながら食べてるとサスケくんの視線に気づき、手をとめる。
「うん? どうしたの?」
「別に……」
「気になるんだけど……」
「……いや、美味そうな顔して食べるなと思っただけだ」
すごく優しい顔で言うから、私は顔を赤らめた。
「だって美味しいんだもん……」
そう言って恥ずかしさを隠すように私は食べるのを再開する。
「おい、サクラ。ついてるぞ」
「えっ?」
サスケくんの方を見ると、いつのまにか手が伸びてきて、私の口の端についていたらしい、ケーキのクズを取ると自分の口へ運んだ。
そして、「やっぱり甘いな」と眉を顰める。
「サ、サスケくん」
「うん、どうした?」
何でもないような顔をするから、私も聞くに聞けず「やっぱりなんでもない……」と言い、ハニーレモンソーダを一気に口に含む。
そのせいかむせてしまい、それを見たサスケくんは「大丈夫か」と心配して、おしぼりをくれた。
なんなんだ、今日のサスケくん。
甘すぎないか。態度が。言葉が。
アフタヌーンティーの雰囲気にやられてるのかな。
私はその後もサスケくんの優しい視線に耐えながら、ようやく食べ終え、お店を後にした。
「ありがとうね、今日は付き合ってくれて」
「別に。たまにはこういうのもいいだろう」
「また付き合ってくれる?」
「考えとく」
断られなかった事が嬉しくて、私はサスケくんの手を握り、歩き出す。
サスケくんも握り返してくれ、私達は手を繋いで家へと帰っていった
サスケくんとアフタヌーンティーに行った数日後、サイと偶然会った。
「お疲れ様、サイ」
「お疲れ様、サクラ。そういえばサスケくんとアフタヌーンティーに行ったんだね」
「そうよ。何でサイが知ってるの?」
「いのに聞いたからね。それにしてもあのサスケくんが珍しいね」
「本当よね、びっくりしちゃった。でも楽しかったなー」
私はあの時のことを思い出し、顔を綻ばせる。
「やっぱりナルトの言葉が効いたのかな」
「えっ? 何それ?」
「この前、ナルトと一緒にいたら偶然サスケくんと出会ってね。ナルトが『ヒナタと色んな所行った』って楽しそうに話してたんだ。そしてナルトがサスケくんに『お前はサクラちゃんとどこに行ったんだ?』って聞いたら、サスケくんが『どこにも行ってない。家で過ごす』と答えて。それを聞いたナルトが驚いて『お前、それじゃあサクラちゃんに愛想尽かされるのも時間の問題だぞ』って言ったら、サスケくんの顔が一気に青ざめてね、そのまま帰っていたんだ。だから、そのせいかなと思って」
「……なるほどね。そんなことで愛想尽かすわけないじゃない」
「だよね」
「まぁ、でもナルトには感謝するわ。サイもありがとうね!」
「どういたしまして。それじゃあ僕は行くよ」
そう言ってサイは去っていた。
ナルトの言葉をまにうける、サスケくん。
可愛すぎなのよ、しゃーんなろー!
嬉しすぎて思わず壁に穴を空けてしまい、先生に叱られたのは言うまでもない。
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