NARUTO/カカサク 短編①
Happy Birthday/NEWS
今日は野菜収穫の任務。畑仕事ということで、サクラ達3人はつなぎを着て作業していた。そして、日が暮れる頃、ようやく収穫を終えたナルトとサスケが依頼人の家へと戻ってくる。
「終わったぞ」
「お前たち、ご苦労さん」
「たくさん取れたってばよ!」
「依頼人がおやつ用意してくれてるから、着替えたら食べておいで」
それを聞いたナルトやサスケは急いで着替えると、おやつの元へ去っていく。そして、ナルトたちと入れ違いにサクラがやってきて、収穫した野菜を俺に渡す。
「先生、終わったわよ~。あれ、ナルト達は?」
「先に行って、依頼人が用意してくれたおやつを食べてるよ。サクラも着替えたら行っておいで」
「はーい」
そう言ってサクラはその場で着替えようとする。
「ちょっと! サクラ!」
「うん?」
「うん? じゃないでしょ! 何でここで着替えるのよ」
「ナルト達もここで着替えたんだからいいでしょ」
「あいつらは男だからいいの!」
「だって着替えの部屋まで行くのめんどくさいんだもん。それに、先生しかいないから大丈夫よ」
「俺がいるんだけど……」
俺の言葉は無視し、サクラは元の服へと着替えていく。これは何を言っても無駄だなと観念した俺はなるべくサクラを見ないように心がける。
「じゃあ、先に行ってるわね!」
着替え終わったらしいサクラはさっそうと去っていく。
「俺、男として見られてないな……」
がっくりと肩を落とした俺は、依頼人が呼びに来るまで呆然とその場に佇んでいた。
任務も無事に終了し、サクラを家まで送っていくことに。今日の御礼にと、依頼人が野菜をたくさんくれたためだ。
「私だけこんなに貰っていいのかしら」
「いいんだよ。ナルトもサスケも俺も一人暮らしで、たくさん貰っても困るだけだから」
「そっか……」
俺の言葉を聞いて、悲しい表情をするサクラ。そんなこと気にしなくていいのに……まぁ、そこがサクラらしいか。俺はフォローするためにある提案をする。
「じゃあさ、今度の任務。サクラがこの野菜を使ってなんか作って持ってきてよ。そして、俺たちに食べさせて。それだったら、いいでしょ?」
「そっか……そうよね。いいわよ!」
サクラが笑顔になりほっとしていると、前からきた紅に声を掛けられ、俺達は立ち止まる。
「カカシとサクラちゃんじゃない」
「紅か」
「紅先生! こんにちは」
「こんにちは。そういえば、カカシ。あなた今日誕生日だったわよね、おめでとう。今度、アスマも含めて飲みに行きましょ」
「あぁ」
「それじゃあ私はこれから任務だから」
そう言って俺の肩をポンとすると、紅は去っていく。再び歩き出そうとしたが、サクラが一歩も動かないのに気付いた。俺は振り返り、サクラに声を掛ける。
「サクラ?」
「先生、今日誕生日だったの?」
「うん」
「教えてくれたら、プレゼントとか用意したのに……」
「別に大丈夫だよ。今更喜ぶ歳でもないからね」
「紅先生のほかにはもう祝ってもらった?」
「朝、アスマと会って、おめでとうとは言われたかな」
「そっか……」
そんなに落ち込むなんて……もしかして期待していいのか?
「そんなに言うなら……プレゼントはいらないからさ」
「うん?」
「俺を男として意識してよ」
今までずっと心に秘めていた言葉を言ってしまった。柄にもなく緊張しながらサクラの反応を待つ。
「……もうとっくにしてるんだけど……」
きっと聴力が良くなければ聞き取れなかっただろう。それほどサクラの声は小さかった。だけど俺ははっきりと聞こえた。そして、さらに驚くべきことが起こる。サクラが傍にきたかと思うと、俺の頬にキスをしたのだ。
「生まれてきてくれてありがとう……来年は、私が一番最初に先生の誕生日を祝うんだからね!」
そう言い切ると、サクラはものすごい勢いで去っていく。その耳は真っ赤に染まっていた。俺は最高のプレゼントをもらったと同時に、来年の誕生日が楽しみだなと考えていると、ふと手に持っている野菜に目がいった。
「……って! ちょっと野菜!」
俺は先に行ってしまったサクラを急いで追いかけるのであった。
今日は野菜収穫の任務。畑仕事ということで、サクラ達3人はつなぎを着て作業していた。そして、日が暮れる頃、ようやく収穫を終えたナルトとサスケが依頼人の家へと戻ってくる。
「終わったぞ」
「お前たち、ご苦労さん」
「たくさん取れたってばよ!」
「依頼人がおやつ用意してくれてるから、着替えたら食べておいで」
それを聞いたナルトやサスケは急いで着替えると、おやつの元へ去っていく。そして、ナルトたちと入れ違いにサクラがやってきて、収穫した野菜を俺に渡す。
「先生、終わったわよ~。あれ、ナルト達は?」
「先に行って、依頼人が用意してくれたおやつを食べてるよ。サクラも着替えたら行っておいで」
「はーい」
そう言ってサクラはその場で着替えようとする。
「ちょっと! サクラ!」
「うん?」
「うん? じゃないでしょ! 何でここで着替えるのよ」
「ナルト達もここで着替えたんだからいいでしょ」
「あいつらは男だからいいの!」
「だって着替えの部屋まで行くのめんどくさいんだもん。それに、先生しかいないから大丈夫よ」
「俺がいるんだけど……」
俺の言葉は無視し、サクラは元の服へと着替えていく。これは何を言っても無駄だなと観念した俺はなるべくサクラを見ないように心がける。
「じゃあ、先に行ってるわね!」
着替え終わったらしいサクラはさっそうと去っていく。
「俺、男として見られてないな……」
がっくりと肩を落とした俺は、依頼人が呼びに来るまで呆然とその場に佇んでいた。
任務も無事に終了し、サクラを家まで送っていくことに。今日の御礼にと、依頼人が野菜をたくさんくれたためだ。
「私だけこんなに貰っていいのかしら」
「いいんだよ。ナルトもサスケも俺も一人暮らしで、たくさん貰っても困るだけだから」
「そっか……」
俺の言葉を聞いて、悲しい表情をするサクラ。そんなこと気にしなくていいのに……まぁ、そこがサクラらしいか。俺はフォローするためにある提案をする。
「じゃあさ、今度の任務。サクラがこの野菜を使ってなんか作って持ってきてよ。そして、俺たちに食べさせて。それだったら、いいでしょ?」
「そっか……そうよね。いいわよ!」
サクラが笑顔になりほっとしていると、前からきた紅に声を掛けられ、俺達は立ち止まる。
「カカシとサクラちゃんじゃない」
「紅か」
「紅先生! こんにちは」
「こんにちは。そういえば、カカシ。あなた今日誕生日だったわよね、おめでとう。今度、アスマも含めて飲みに行きましょ」
「あぁ」
「それじゃあ私はこれから任務だから」
そう言って俺の肩をポンとすると、紅は去っていく。再び歩き出そうとしたが、サクラが一歩も動かないのに気付いた。俺は振り返り、サクラに声を掛ける。
「サクラ?」
「先生、今日誕生日だったの?」
「うん」
「教えてくれたら、プレゼントとか用意したのに……」
「別に大丈夫だよ。今更喜ぶ歳でもないからね」
「紅先生のほかにはもう祝ってもらった?」
「朝、アスマと会って、おめでとうとは言われたかな」
「そっか……」
そんなに落ち込むなんて……もしかして期待していいのか?
「そんなに言うなら……プレゼントはいらないからさ」
「うん?」
「俺を男として意識してよ」
今までずっと心に秘めていた言葉を言ってしまった。柄にもなく緊張しながらサクラの反応を待つ。
「……もうとっくにしてるんだけど……」
きっと聴力が良くなければ聞き取れなかっただろう。それほどサクラの声は小さかった。だけど俺ははっきりと聞こえた。そして、さらに驚くべきことが起こる。サクラが傍にきたかと思うと、俺の頬にキスをしたのだ。
「生まれてきてくれてありがとう……来年は、私が一番最初に先生の誕生日を祝うんだからね!」
そう言い切ると、サクラはものすごい勢いで去っていく。その耳は真っ赤に染まっていた。俺は最高のプレゼントをもらったと同時に、来年の誕生日が楽しみだなと考えていると、ふと手に持っている野菜に目がいった。
「……って! ちょっと野菜!」
俺は先に行ってしまったサクラを急いで追いかけるのであった。
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