NARUTO/カカサク 短編①
Fantastic future/田村ゆかり
「先生! いきなりなんだけど、私の指のどれかを引っ張ってくれない?」
任務終わり、そう言ってサクラは自分の手のひらをみせるように差し出してきた。
「いきなりどうしたのよ」
「いいから! 早く!」
俺はなんとなく薬指を引っ張った。
「これでいいの?」
「・・・・・・」
俺の問いにも答えず、サクラは驚いたように俺が引っ張っている指を見ている。心なしか顔が赤い。
「サクラ?」
再度問いかけると、サクラは我にかえったようにこっちを見る。
「あっ、ごめんなさい! もう大丈夫だから! それじゃあ、またね。先生!」
矢継ぎ早に言い手を離すと、サクラはすごい勢いで帰っていった。
「なんだったんだ一体」
「って言うことがあったんだよね〜」
俺は紅と飲みに来ていて、ついさっきあった出来事を話していた。アスマは任務が長引いて遅れて合流するらしい。
「カカシ...あんたそれはね...。いや、やっぱり何でもないわ」
「なに、気になるんだけど」
「知りたい?」
「うん」
「・・・・・・いまね、下忍の女の子達の間で心理テストが流行ってるの。サクラちゃんのそれは心理テストよ。相手がどの指を引っ張るかで自分のことをどう思ってるか分かるっていう心理テストね」
「心理テストって...。そんなので相手の気持ちが分かるわけないじゃないの」
「でもけっこう当たってるって評判よ」
「そんなまさか...それでその答えは?」
「当たるわけないって思ってるのに、気になるのね」
「一応ね」
「カカシは薬指を選んだのよね? 薬指はね、結婚したいって意味なのよ」
「結婚!? 俺がサクラと?」
「そう。まさかあんたがそんなこと思ってたなんてね」
「いやいや、結婚だなんて...。薬指だってなんとなく選んだだけだし」
「サクラちゃんはそう思ってないかもね」
「信じてるってこと?」
「そう」
だから顔が赤かったのか...。
「それでどうするの?」
「どうするって?」
「誤解させといたままにするの?」
「いや、ちゃんと誤解は解くよ。俺は結婚する気はないし...いまは」
「それがいいかもね...。ん? いまは!?」
紅は驚いたように俺のほうを見る。
「そう。いまはサクラと結婚する気はないよ」
「いまはってことはいずれしたいってこと?」
「うん。まずは告白して付き合わないとね。それから同棲するとして...結婚はするとしても数年後かな」
「カカシ...あんたそこまで考えてるの」
「当たり前でしょ。サクラのことはきちんと大事にしたいからね」
「でも、サクラちゃんの気持ちはどうなのよ。なんとなくカカシに心理テストを出しただけで、その気はないかもよ」
「いや、あるよ」
俺はそばにあったビールを口に含み、断言する。
「だって俺のほうをチラチラ見てくるし、俺が呼ぶと嬉しそうに駆け寄ってくるでしょ。休日も何かと理由をつけて家に遊びにくるし」
「なるほどね」
「チラチラ見てくるのに俺が目を向けると、顔を赤くしてすぐに目をそらしちゃうんだよね。本当可愛いよね〜。家にくる理由も、野菜を多くもらったからとか、たまたま近くにきたからとか、バリエーションが豊富で。それを一生懸命考えてると思ったら、もうにやけちゃうよね〜。この前も手が触れちゃった時があったんだけど、顔真っ赤にしちゃって。もうその場で食べちゃいそうになるぐらい「ちょっと、もういいわ! もう分かったから」
「あれ、もっとあるけど大丈夫?」
「ええ、もうおなかいっぱいよ」
そう言うと紅は項垂れる。
「おいおい、どうした」
「アスマ! ちょうど良いところに来たわね」
「なんだなんだ、紅だいぶ疲れてるな」
「カカシがサクラちゃんを語り始めてね...」
紅がいままでのことをアスマに説明する。
「なるほどな。そういえば。いののやつも辟易してたな。サクラがカカシの話しかしないって。目が合うと恥ずかしくて目を逸らしちゃうだとか、名前を呼ばれるのが嬉しいとか、少しでも好きな気持ちに気づいてほしくて何かしら理由つけて家に行ってるとか...」
「なるほどね。サクラは俺のことそんなに好きなんだねー」
俺はいい気分になり、どんどん酒を飲み干していく。
そして酔いのせいか、俺はサクラの魅力を2人に語り始める。
「サクラってばね本当に可愛くてね...」
「いや、もう分かったから。カカシ、落ち着け」
「そうよ、もう充分よ」
「え〜、もっとあるのに。何かサクラに会いたくなってきたなー」
「そういえば今日、いのの家にサクラが遊びにいってるらしいぞ。おそらくまだいるんじゃないか」
「なに!? もうこんなに夜遅いのにか! こうしちゃいられない、サクラを家まで送り届けてくる!」
俺はいてもたってもいられず、サクラを迎えにいった。
「カカシってあんなキャラだっけ? 恋をすると人って変わるのね」
「そうみたいだな。まぁ、平和でいいんじゃねえか」
「それもそうね」
嵐のような人物が去ったあと、しみじみとお酒を飲み交わす、2人がいたとかいないとか。
「先生! いきなりなんだけど、私の指のどれかを引っ張ってくれない?」
任務終わり、そう言ってサクラは自分の手のひらをみせるように差し出してきた。
「いきなりどうしたのよ」
「いいから! 早く!」
俺はなんとなく薬指を引っ張った。
「これでいいの?」
「・・・・・・」
俺の問いにも答えず、サクラは驚いたように俺が引っ張っている指を見ている。心なしか顔が赤い。
「サクラ?」
再度問いかけると、サクラは我にかえったようにこっちを見る。
「あっ、ごめんなさい! もう大丈夫だから! それじゃあ、またね。先生!」
矢継ぎ早に言い手を離すと、サクラはすごい勢いで帰っていった。
「なんだったんだ一体」
「って言うことがあったんだよね〜」
俺は紅と飲みに来ていて、ついさっきあった出来事を話していた。アスマは任務が長引いて遅れて合流するらしい。
「カカシ...あんたそれはね...。いや、やっぱり何でもないわ」
「なに、気になるんだけど」
「知りたい?」
「うん」
「・・・・・・いまね、下忍の女の子達の間で心理テストが流行ってるの。サクラちゃんのそれは心理テストよ。相手がどの指を引っ張るかで自分のことをどう思ってるか分かるっていう心理テストね」
「心理テストって...。そんなので相手の気持ちが分かるわけないじゃないの」
「でもけっこう当たってるって評判よ」
「そんなまさか...それでその答えは?」
「当たるわけないって思ってるのに、気になるのね」
「一応ね」
「カカシは薬指を選んだのよね? 薬指はね、結婚したいって意味なのよ」
「結婚!? 俺がサクラと?」
「そう。まさかあんたがそんなこと思ってたなんてね」
「いやいや、結婚だなんて...。薬指だってなんとなく選んだだけだし」
「サクラちゃんはそう思ってないかもね」
「信じてるってこと?」
「そう」
だから顔が赤かったのか...。
「それでどうするの?」
「どうするって?」
「誤解させといたままにするの?」
「いや、ちゃんと誤解は解くよ。俺は結婚する気はないし...いまは」
「それがいいかもね...。ん? いまは!?」
紅は驚いたように俺のほうを見る。
「そう。いまはサクラと結婚する気はないよ」
「いまはってことはいずれしたいってこと?」
「うん。まずは告白して付き合わないとね。それから同棲するとして...結婚はするとしても数年後かな」
「カカシ...あんたそこまで考えてるの」
「当たり前でしょ。サクラのことはきちんと大事にしたいからね」
「でも、サクラちゃんの気持ちはどうなのよ。なんとなくカカシに心理テストを出しただけで、その気はないかもよ」
「いや、あるよ」
俺はそばにあったビールを口に含み、断言する。
「だって俺のほうをチラチラ見てくるし、俺が呼ぶと嬉しそうに駆け寄ってくるでしょ。休日も何かと理由をつけて家に遊びにくるし」
「なるほどね」
「チラチラ見てくるのに俺が目を向けると、顔を赤くしてすぐに目をそらしちゃうんだよね。本当可愛いよね〜。家にくる理由も、野菜を多くもらったからとか、たまたま近くにきたからとか、バリエーションが豊富で。それを一生懸命考えてると思ったら、もうにやけちゃうよね〜。この前も手が触れちゃった時があったんだけど、顔真っ赤にしちゃって。もうその場で食べちゃいそうになるぐらい「ちょっと、もういいわ! もう分かったから」
「あれ、もっとあるけど大丈夫?」
「ええ、もうおなかいっぱいよ」
そう言うと紅は項垂れる。
「おいおい、どうした」
「アスマ! ちょうど良いところに来たわね」
「なんだなんだ、紅だいぶ疲れてるな」
「カカシがサクラちゃんを語り始めてね...」
紅がいままでのことをアスマに説明する。
「なるほどな。そういえば。いののやつも辟易してたな。サクラがカカシの話しかしないって。目が合うと恥ずかしくて目を逸らしちゃうだとか、名前を呼ばれるのが嬉しいとか、少しでも好きな気持ちに気づいてほしくて何かしら理由つけて家に行ってるとか...」
「なるほどね。サクラは俺のことそんなに好きなんだねー」
俺はいい気分になり、どんどん酒を飲み干していく。
そして酔いのせいか、俺はサクラの魅力を2人に語り始める。
「サクラってばね本当に可愛くてね...」
「いや、もう分かったから。カカシ、落ち着け」
「そうよ、もう充分よ」
「え〜、もっとあるのに。何かサクラに会いたくなってきたなー」
「そういえば今日、いのの家にサクラが遊びにいってるらしいぞ。おそらくまだいるんじゃないか」
「なに!? もうこんなに夜遅いのにか! こうしちゃいられない、サクラを家まで送り届けてくる!」
俺はいてもたってもいられず、サクラを迎えにいった。
「カカシってあんなキャラだっけ? 恋をすると人って変わるのね」
「そうみたいだな。まぁ、平和でいいんじゃねえか」
「それもそうね」
嵐のような人物が去ったあと、しみじみとお酒を飲み交わす、2人がいたとかいないとか。
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