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NARUTO/カカサク 短編①

*I Don't Want To Miss A Thing/Aerosmith(カカシ目線)

サクラと過ごす全ての瞬間がオレの宝物だから、何一つ見逃したくないんだ。

「ねぇ、カカシ先生」
「なに?」
「どうしていつも私より先に起きてるの? 何するわけでもなく私の寝顔見るのやめてほしいんだけど……」
「何か目が覚めちゃうんだよね。それにやめるのは無理」
「無理って……」
「嫌なの?」
「嫌じゃないけどダメ……とにかくダメ」
「そこまで言うなら、理由を言ってくれたら考えるよ」
「だって……恥ずかしいじゃない。絶対寝言言ってるし、変な顔もしてると思う」

サクラは恥ずかしそうに顔を俯かせながら、小さい声で理由を言った。

「なんだそんなことか」
「そんなことって!」
「そんな理由なら言うこと聞きません」
「え~」

文句を言うサクラの口をこれ以上もう何も言わせないと同じもので塞ぐと、顔を真っ赤にして途端に大人しくなるサクラを今日も愛おしく思う。


*You Give Love A Bad Name/Bon Jovi(アスマ目線)

一杯やろうと思って居酒屋に入ると、カウンターに珍しい先客がいた。俺はソイツの隣に座り、酒とつまみを頼む。

「カカシ、珍しいな。こんなところにいるなんて」
「アスマか」
「サクラはいいのか?」
「サスケが帰ってきてるから」
「あ~」

その一言で俺は納得した。サクラとカカシは付き合っているが、サスケが帰ってくるとサクラはサスケとの用事を優先してしまうらしい。俺は運ばれてきた酒を一気飲みすると、カカシに問いかける。

「いいのか?」
「よくないけど仕方ないでしょ。まぁ、最終的に俺の元に帰ってくればいいよ」
「寛大だな。前のお前なら他の男を優先する女とかすぐ切ってただろう」
「ね~」
「一体サクラの何がいいんだ? お前のタイプでもなかろうに」
「そうなんだけどね……本当何でだろう? でも、もうサクラ以外考えられないから」

そう言いながらカカシは酒をあおる。まぁ、惚れた弱みというやつだろう。仕方ない、今日ぐらいは付き合ってやるかと俺は追加のお酒を頼むことにした。


*第ゼロ感/10-FEET(サクラ目線)

「サスケくん! 映画のチケットがあるんだけど、一緒に観に行かない? この映画、すごく面白いって評判なのよ」
「断る」

そう言ってサスケ君は去っていく。ナルトは既にイルカ先生と一楽に行くからといなくて、私と先生だけがその場に残る。

「……もし良かったら、俺が一緒に行こうか?」

一部始終を見ていた先生が気を遣ったのか、行きたくもないだろうにそう問いかけてくる。そんな気遣いいらないわと思ったが、チケットももったいないし、どうしても観たかった作品だったため、その誘いにのることにした。

「そうしてもらえると助かるわ。私も観たいし、チケットももったないしね……」

気乗りしなさそうに返事をすると、先生が苦笑いをし「じゃあ、明日10時に映画館の前で」と言って去っていく。そんな感じで一緒に映画を観に行ったのだけど、予想以上にその映画が面白く、その後も先生と何回も映画を観に行き、いつのまにか付き合うようになるとは……人生って何が起きるか分からないものね。


*Seven Nation Army/The White Stripes(いの目線)

「サクラ、SNS見たわよ~。カカシ先生と温泉行ったのね。ペアリングとの写真ものせちゃって」
「えへへ、いいでしょ~。露天風呂とかも最高だったのよ!」
「この前はカカシ先生からのプレゼントのせてたけど、あれって高級ブランドのバッグでしょ」
「そう! 可愛いな~と思ってたら、先生が買ってくれてたの」
「アツアツなことで……。でも、カカシ先生との投稿ばかりで周りから色々言われない?」
「言われるわよ。“あんたには似合わない”とか“早く別れろ”とかね」
「だったら、どうして……」

前だったらすごく落ち込んでいて励ますのに苦労したが、いまはそんな様子を微塵も見せない。強がってるわけでもなさそうだし……。

「先生がね“そんなの気にしなくていいよ。俺がサクラを好きなのは変わりないし。逆に俺達の仲を見せつけてやればいいんじゃないの。誰にも入る隙間はないってね”って。その言葉に励まされて続けていたら、批判する人よりも応援してくれる人が増えて、私も自信がついたというか……まぁ、そんな感じ」
「なるほどね~」
「そしたら、批判してくる女も大したことなく思えちゃって。第一、そんな女にカカシ先生は渡さないわ」

そう言って笑うサクラは自信に満ち溢れていて綺麗だった。


*Lay All Your Love on Me/ABBA(サクラ目線→ナルト&サスケ目線)

「あの2人本当に仲良しよね~」
「そうだね~」

今日の任務は草むしり。サスケくんとナルトが睨み合いながら一生懸命草を抜いているのを先生と私はのんびりと見守る。いがみ合ってても息がぴったりなのだから、2人が認めなくても仲が良いと言わざるを得ない。

「おかげで私はのけ者だけどね~」
「でも、俺はこうしてサクラと2人っきりになれて嬉しいけど」

顔を寄せてチュッと私の頬にキスをする先生に思わず顔が赤くなる。

「ちょっと、先生! ここ外よ!」
「気にしない、気にしない」

そう言ってまたキスしてこようとするため私は必死に抵抗する。その様子を2人が横目で見ているとも知らずに……。

「あの2人またやってるってばよ」
「ほっとけ。俺らに見せつけたいんだろう」
「サクラちゃんが?」
「違う、カカシのやつだ。サクラは気付いてないだろうが、アイツは俺らが見てるのに気付いてわざとああやってるんだろう」
「でも、どうしてだってばよ?」
「知るか。まぁ、サクラが俺達を気にしてるのが気に入らないとかじゃないのか」
「なるほど。サクラちゃん、愛されてるな~」
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