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NARUTO/カカサク 短編①

*you/癒月(失踪したカカシ先生を探し続けるサクラちゃん)

先生が任務中に行方不明になった。生きているのか、死んでいるのかも分からない。周りにはもう諦めろと言われたけれど、私は諦める気はない。だって約束したんだもの。任務から帰ってきたら結婚するって。

そして、今日もある小さな村で先生を探すが、何一つ手掛かりはない。夜も遅くなってきたため、私はとりあえず今夜の宿をとることにした。見つけた古びた宿に入ると優しそうなおばあさんが受付にいた。

「いらっしゃい。ひとりかい?」
「はい。空いてますか?」
「空いてるよ。お前さんの名前は?」
「はる……いや、はたけ……はたけサクラです」
「はたけサクラさんね。いい名前だね」
「えへへ」

一瞬迷ったが、このぐらいいいだろう。どうせ苗字をもらう予定なのだから。部屋に通され、荷物を置くと私は窓を開け、満点の星空を見上げる。

「だから、先生。早く私の所に帰ってきてよね……」


*HELLO CALLiNG/IDOLiSH7(サクラちゃんを探し続けたカカシ先生。現パロ)

サクラを探し続けて、何回転生したことか。ようやく、ようやく会えた。まさか仕事の合間にたまたま入った喫茶店で、会えるとは思わなかった。

「いらっしゃいませ~。1名様ですか?」

従業員であるサクラの問いかけも無視し、俺はその手をギュッと握った。

「この世界でははじめまして、俺のサクラ」
「はぁ?」
「やっと見つけた」
「あの、何を言って……」
「怪しまなくてもいいよ。俺は君の運命の相手なんだから」
「だから……意味分からないこと言ってるんじゃないわよ! しゃーんなろー!!」

サクラの拳が俺のお腹に命中する。あぁ……このバカ力は間違いない、サクラだ。俺は痛みに耐えながら、もう二度と離すまいとサクラの手を握り続けた。


*みずいろの雨/八神純子(サスケくんに振られたサクラちゃん)

傘も差さずに目を閉じ、雨に打たれ続ける私を人々が奇妙な目で見ては通り過ぎていく。でも、そんなの気になりはしない。ふと降り続く雨が止まったので、止んだかと思い目を開けると、私に傘を差し出すカカシ先生がいた。

「先生……」
「そんなことしていたら風邪ひくよ」
「いいの。私のサスケくんへの気持ちが全て流れ落ちるまでここにいる。だから傘もいらないの」
「それで本当に全て流れ落ちるのか?」
「……」
「それに全て流さなくてもいいんじゃないか」
「でもそうしないと私は……」
「俺が傍にいるから」
「えっ?」
「サスケへの気持ちがなくなるまで俺を利用すればいい」
「でもそしたら今度は先生から離れられなくなっちゃうかも」
「それは好都合。俺はそれを狙ってるんだけど」
「それって……」

先生は微笑んだかと思うと、私に向けて手を差し出す。

「俺の手を取ってよ、サクラ」

本当にいいのだろうか……。私は戸惑いながらも、ゆっくりとその手を取った。


*fated/浜崎あゆみ(NARUTO/カカサク 中編 K 何も考えないことにした。EDのその後。幽霊になったサクラちゃんとカカシ先生)

「ねぇ、知ってる? この湖で永遠の愛を誓うと、ずっと一緒にいられるっていう話」
「もちろん! でも、その話には続きがあって、もしどちらかが浮気したり、裏切ったりすると呪われるんでしょ」
「怖いよねー。ずっと一緒にいられるということは、どんなことがあっても離れられないということだもんね」

湖のそばで噂話をしている女の子達を俺とサクラは眺めていた。

「なんか私達、怨霊みたいな扱いされてるわね~。縁結びの神様とかにしてほしいわ」
「俺達はもう死んでるんだし、似たようなものでしょ」
「全然違うわよ!」
「あはは。でも、呪うのはやりすぎじゃない?」
「せっかく一緒にいられるおまじないをかけてあげたのに、それを破るのがいけないのよ」

頬を膨らませるサクラの髪を俺は優しく撫でる。

「俺はサクラ以外のこととかどうでもいいんだけどねー」
「先生、つめたーい。私はみんなに私達のように幸せになってほしいだけよ」
「でも、サクラは他人の事を気にしすぎ。俺のことだけを考えてよ」
「一番に考えてるし、想ってるわ。だからこうして道連れにしたんじゃない。でも、どうして抵抗しなかったの? 少しでも抵抗すればやめてあげたのに……」
「うーん、あの時の俺は本当にバカだったからね。なくしてから大切なものに気づくなんて。サクラを失ってすごく後悔していたから、サクラに連れていかれてちょうど良かったんだよ」
「先生……」
「……俺はもう間違わない。ずっと一緒にいような、サクラ」
「うん」

そうして俺達は誓いのキスを交わし、永遠の愛を誓い合った。
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