NARUTO/カカサク 短編①
What'bout my star?/ランカ・リー=中島愛/シェリル・ノーム starring May'n
7班での任務中。サクラちゃんは具合が悪いらしく休みだということで、オレとサスケの2人で草むしりの任務にあたっていた。カカシ先生は依頼主と話があるとかで、この場から離れている。そんなサスケと2人きりの中、サスケがオレの傍に寄ってきて、真剣な顔で話しかけてきた。
「ナルト、よく聞け」
「どうしたんだってばよ」
「サクラに……」
「サクラちゃんに?」
「子供ができた」
「へぇ~…………はっ!? おい! どういうことだってばよ!!」
オレはサスケの肩を掴んで揺す振る。
「お前か!? お前なのか!? 一体いつのまに……!!!」
「離せ! ウスラトンカチ! 俺じゃない!! そもそもサクラとはそんな関係じゃない!」
「じゃあ、一体誰の……」
オレはある人物が浮かんだ。サクラちゃんは最近その人の家を頻繁に訪れてるらしい。
「まさか……」
「あぁ、お前の想像通りの人物だ。2人が話してるのをたまたま聞いたんだ。それで知った」
「そんな……もしかして、サクラちゃんが今日具合悪くて休んでるのも……」
「おそらくつわりだろうな」
オレはいてもたってもいられずにその場から離れた。「おいっ! ナルト! 任務中だぞ!」というサスケの声を無視して、オレは真相を確かめるべくサクラちゃんの家に向かった。
「サクラちゃん!!」
「どうしたのよ、ナルト。いま任務中じゃ……」
「子供できたって、本当!?」
オレはてっきり「なんてバカなこと言ってるのよ!」と鉄拳が炸裂すると思っていたが、サクラちゃんの反応はオレの想像の反対をいっていた。
「どうして、あんたが知ってるのよ……」
サクラちゃんが驚いたように目を見開く。
「本当なんだ……。それって、その……先生の?」
「そこまで知ってるのね……。うん、そうよ」
「……そっか、分かったってばよ。お大事にね」
「ありがとう」
恥ずかしそうに、でも嬉しそうに頷くサクラちゃんを見ていられなくて、オレは足早にサクラちゃん家を後にした。
「サクラちゃんが幸せならそれでいいってばよ……」
それからカカシ先生が長期任務に入るとかで、7班での任務はなく、サクラちゃんと会わない日が続いた。サクラちゃん、大丈夫かな。でも、オレが行っても……。そんなことを考えながら当てもなく街を歩いているとサクラちゃんに会った。
「ナルトーーー!」
オレを見つけたサクラちゃんはオレの所に駆け寄ってくる。
「ちょっ、サクラちゃん! 走って転んだりしたら危ないってばよ!」
そう言った矢先にサクラちゃんが道端の小石に躓く。オレはとっさにそれを受け止める。
「あはは、ごめんね。久しぶりに会えたから嬉しくなっちゃって」
「なにやってるんってばよ! もしお腹の子に何かあったら……」
「は? ナルト……あんた何言ってるの?」
「えっ……だってサクラちゃん。お腹にカカシ先生との子供がいるんじゃ……」
「はぁーーー!!!」
サクラちゃんの絶叫が町中に響く。
「なにそれ! いるわけないでしょ!」
「でもこの前……」
「あ~、あの時ね。それはネコの話よ」
「ネコ?」
「そう。カカシ先生の家でネコを2匹飼ってるのよ。私も一緒に世話してるんだけど、その2匹の間に子供ができたのよ」
「じゃあ具合が悪かったのは……」
「ただの風邪よ」
「そうだったんだ~」
「カカシ先生とは?」
「カカシ先生とって?」
不思議そうに首を傾げるサクラちゃんに、オレの心配は杞憂だったようだ。
「いや、何でもないってばよ! でも、本当に良かった~」
オレは脱力し、思わず座り込む。
「バカね~」
サクラちゃんは呆れつつも、オレに手を差し伸べてくれた。オレはその手をとって立ち上がる。
「安心したら、腹が減っちまった。サクラちゃん、一緒に一楽どう?」
「あんたのおごりならいいわよ」
「やったー!!」
こうしてサクラちゃんと一楽を食べに行き、たくさんの話をした。
「ふぅ~、やっぱり一楽は最高だってばよ」
「そうね、美味しかったわ。ありがとうナルト」
「いいってばよ! サクラちゃん、家まで送ってく……」
2人で店の外に出た瞬間、カカシ先生が近くの電柱に寄りかかっているのを見つけた。誰かを待っているようだ。サクラちゃんが先生の元へ小走りで寄っていく。
「カカシ先生! 任務に行ってるんじゃ……」
「任務は無事に終わって、サクラを探してたんだよ」
「私を? 約束とかしてないわよね?」
「うん。でも、どうせアイツらの様子を見るために家に来るでしょ?」
「まぁ、そうするつもりだったけど」
「だから、一緒に帰ろうと思って。どうせ今日も泊まるでしょ?」
「先生がいいなら……」
「もちろんいいよ」
「それならそうするわ。それじゃあ、ナルト。またね!」
そう言ってサクラちゃんとカカシ先生は2人で同じ方向に去っていく。
「サクラちゃん。本当に先生とは何もないってばよ……?」
オレのつぶやきは風に溶けていった。
7班での任務中。サクラちゃんは具合が悪いらしく休みだということで、オレとサスケの2人で草むしりの任務にあたっていた。カカシ先生は依頼主と話があるとかで、この場から離れている。そんなサスケと2人きりの中、サスケがオレの傍に寄ってきて、真剣な顔で話しかけてきた。
「ナルト、よく聞け」
「どうしたんだってばよ」
「サクラに……」
「サクラちゃんに?」
「子供ができた」
「へぇ~…………はっ!? おい! どういうことだってばよ!!」
オレはサスケの肩を掴んで揺す振る。
「お前か!? お前なのか!? 一体いつのまに……!!!」
「離せ! ウスラトンカチ! 俺じゃない!! そもそもサクラとはそんな関係じゃない!」
「じゃあ、一体誰の……」
オレはある人物が浮かんだ。サクラちゃんは最近その人の家を頻繁に訪れてるらしい。
「まさか……」
「あぁ、お前の想像通りの人物だ。2人が話してるのをたまたま聞いたんだ。それで知った」
「そんな……もしかして、サクラちゃんが今日具合悪くて休んでるのも……」
「おそらくつわりだろうな」
オレはいてもたってもいられずにその場から離れた。「おいっ! ナルト! 任務中だぞ!」というサスケの声を無視して、オレは真相を確かめるべくサクラちゃんの家に向かった。
「サクラちゃん!!」
「どうしたのよ、ナルト。いま任務中じゃ……」
「子供できたって、本当!?」
オレはてっきり「なんてバカなこと言ってるのよ!」と鉄拳が炸裂すると思っていたが、サクラちゃんの反応はオレの想像の反対をいっていた。
「どうして、あんたが知ってるのよ……」
サクラちゃんが驚いたように目を見開く。
「本当なんだ……。それって、その……先生の?」
「そこまで知ってるのね……。うん、そうよ」
「……そっか、分かったってばよ。お大事にね」
「ありがとう」
恥ずかしそうに、でも嬉しそうに頷くサクラちゃんを見ていられなくて、オレは足早にサクラちゃん家を後にした。
「サクラちゃんが幸せならそれでいいってばよ……」
それからカカシ先生が長期任務に入るとかで、7班での任務はなく、サクラちゃんと会わない日が続いた。サクラちゃん、大丈夫かな。でも、オレが行っても……。そんなことを考えながら当てもなく街を歩いているとサクラちゃんに会った。
「ナルトーーー!」
オレを見つけたサクラちゃんはオレの所に駆け寄ってくる。
「ちょっ、サクラちゃん! 走って転んだりしたら危ないってばよ!」
そう言った矢先にサクラちゃんが道端の小石に躓く。オレはとっさにそれを受け止める。
「あはは、ごめんね。久しぶりに会えたから嬉しくなっちゃって」
「なにやってるんってばよ! もしお腹の子に何かあったら……」
「は? ナルト……あんた何言ってるの?」
「えっ……だってサクラちゃん。お腹にカカシ先生との子供がいるんじゃ……」
「はぁーーー!!!」
サクラちゃんの絶叫が町中に響く。
「なにそれ! いるわけないでしょ!」
「でもこの前……」
「あ~、あの時ね。それはネコの話よ」
「ネコ?」
「そう。カカシ先生の家でネコを2匹飼ってるのよ。私も一緒に世話してるんだけど、その2匹の間に子供ができたのよ」
「じゃあ具合が悪かったのは……」
「ただの風邪よ」
「そうだったんだ~」
「カカシ先生とは?」
「カカシ先生とって?」
不思議そうに首を傾げるサクラちゃんに、オレの心配は杞憂だったようだ。
「いや、何でもないってばよ! でも、本当に良かった~」
オレは脱力し、思わず座り込む。
「バカね~」
サクラちゃんは呆れつつも、オレに手を差し伸べてくれた。オレはその手をとって立ち上がる。
「安心したら、腹が減っちまった。サクラちゃん、一緒に一楽どう?」
「あんたのおごりならいいわよ」
「やったー!!」
こうしてサクラちゃんと一楽を食べに行き、たくさんの話をした。
「ふぅ~、やっぱり一楽は最高だってばよ」
「そうね、美味しかったわ。ありがとうナルト」
「いいってばよ! サクラちゃん、家まで送ってく……」
2人で店の外に出た瞬間、カカシ先生が近くの電柱に寄りかかっているのを見つけた。誰かを待っているようだ。サクラちゃんが先生の元へ小走りで寄っていく。
「カカシ先生! 任務に行ってるんじゃ……」
「任務は無事に終わって、サクラを探してたんだよ」
「私を? 約束とかしてないわよね?」
「うん。でも、どうせアイツらの様子を見るために家に来るでしょ?」
「まぁ、そうするつもりだったけど」
「だから、一緒に帰ろうと思って。どうせ今日も泊まるでしょ?」
「先生がいいなら……」
「もちろんいいよ」
「それならそうするわ。それじゃあ、ナルト。またね!」
そう言ってサクラちゃんとカカシ先生は2人で同じ方向に去っていく。
「サクラちゃん。本当に先生とは何もないってばよ……?」
オレのつぶやきは風に溶けていった。
31/100ページ