NARUTO/カカサク 短編①
*恋に恋して/倉木麻衣(サクラ12歳)
「先生、好きな人いる?」
「いるよー」
「えっ、うそ!? 誰?」
「さぁね」
「えー、教えてくれたっていいじゃない」
「サクラにはまだ早い」
「なによ、私が子供だからって……」
そう言ってサクラは腕を組んで、頬を膨らませ、そっぽを向く。
「サクラが大人になったら教えてあげる」
俺はそんなサクラの頭を少し乱雑に撫でる。
「ちょっと! 髪が乱れちゃうからやめて!」
口では嫌がりながらも俺の手をどかそうとしないサクラが愛おしくなり、今度は両手でサクラの頭を撫でまわす。
「もう~……先生ったら! 私が子供だからって……!」
少しやりすぎたのか、サクラの手が俺の手を掴み髪から離す。
「早く大人になって、絶対に先生の好きな人を教えてもらうんだから! 覚悟しなさいよね!」
そして、そう言い放ったかと思うと、サクラはすごい勢いで去っていく。俺はその後ろ姿を見送る。きっとサクラは、俺の好きな人が自分だとは思ってもいないんだろう。果たしてそれを伝えたときのサクラの反応は……。俺はその未来を想像してマスクの下で微笑んだ。
*WILD EYES/水樹奈々(サクラ16歳)
「はい、これあげる。サクラに似合うと思って買ったんだ」
そう言って俺は桜柄の髪留めを渡す。
「先生……ありがたいけど、忍の私には必要ないし、こんな可愛いもの似合わないよ」
「忍でもあるけど、女の子でしょ。忍にオシャレしてはいけないっていう決まりはないし」
「でも……」
「サクラのために買ったんだからいいの」
それでも渋るサクラに俺はしびれを切らし、髪留めをサクラの髪につけてやる。
「うん、やっぱり似合う」
「本当……?」
不安そうに尋ねてくるサクラを安心させるために、俺は思いっきり頷く。
「あぁ。可愛いよ」
「……ありがとう」
俺の返事を聞いてほっとしたのか、サクラははにかんだ。俺もサクラのその表情を見て、満足そうに笑った。
*コンビニ/ブリーフ&トランクス(サクラ18歳)
なかなか寝付けない夜。私は何となくコンビニへ向かってみた。自動ドアをくぐり、雑誌コーナーで気になった雑誌を読んでみる。ふと気配を感じて隣を見ると、カカシ先生が同じように立っていた。
「先生、いつからここに……」
「ついさっきかな。サクラの姿が見えたから」
「声かけてくれればいいのに」
「だって真剣に読んでるんだもん。それより、こんな夜中にどうしたの?」
「なんだか眠れなくて……。先生は?」
「任務終わりだよ」
「こんな時間までお疲れ様。早く帰って休んだ方がいいんじゃない?」
「うーん。まぁ、そうなんだけど……」
「……?」
急に言葉を濁し始めた先生に疑問を持ち、私は首を傾げる。しばらく待っていると、先生が意を決したように口を開いた。
「サクラともうちょっといたいなって思って」
「!?」
そう言った後に頬をかきながら少し照れくさそうにする先生に驚いて、持っていた雑誌を思わずぐしゃっとしてしまったけど許してほしい。
だって……その言葉と顔は反則よ、先生。
*ミライノーツを奏でて/Re:vale(サクラ20歳)
「“はたけサクラ”。うん、悪くないんじゃない」
私は書いた紙を持ち上げ、満足そうに見上げる。先生には片想い中。いつかこの気持ちを伝えられたらいいな。そして、あわよくば……なんて考えていると、「俺だけど入っていい?」とカカシ先生の声がノックの後に聞こえてきた。私は急いで紙を引き出しにしまい、「いいわよ」と声をかける。私の返事を聞いた先生が診察室に入ってくる。
「急にごめんね。いのちゃんが呼んでたから呼びに来たよ」
「いのが? どうして?」
私はいのが呼んでいる理由を考える。そして、いのと打ち合わせがあった事を思い出す。
「……あっ、忘れてた! 先生、ありがとう!」
私は急いでいのの元へ向かう。引き出しからさっきの紙がはみ出てるともを気づかずに。
――――――――――――――――――
「まったく……こういうところは昔から変わってないんだよね」
俺は引き出しから出ている紙をきちんとしまってあげようと、まず紙を取り出した。そして、その紙に書かれている“はたけサクラ”の文字に目がいった。
「……可愛いやつ」
サクラが気持ちを伝えてくれたら、いつでも俺の名字をあげるのに。いつかそうなることを願いながら、俺はその文字を愛おしげに撫でた。
「先生、好きな人いる?」
「いるよー」
「えっ、うそ!? 誰?」
「さぁね」
「えー、教えてくれたっていいじゃない」
「サクラにはまだ早い」
「なによ、私が子供だからって……」
そう言ってサクラは腕を組んで、頬を膨らませ、そっぽを向く。
「サクラが大人になったら教えてあげる」
俺はそんなサクラの頭を少し乱雑に撫でる。
「ちょっと! 髪が乱れちゃうからやめて!」
口では嫌がりながらも俺の手をどかそうとしないサクラが愛おしくなり、今度は両手でサクラの頭を撫でまわす。
「もう~……先生ったら! 私が子供だからって……!」
少しやりすぎたのか、サクラの手が俺の手を掴み髪から離す。
「早く大人になって、絶対に先生の好きな人を教えてもらうんだから! 覚悟しなさいよね!」
そして、そう言い放ったかと思うと、サクラはすごい勢いで去っていく。俺はその後ろ姿を見送る。きっとサクラは、俺の好きな人が自分だとは思ってもいないんだろう。果たしてそれを伝えたときのサクラの反応は……。俺はその未来を想像してマスクの下で微笑んだ。
*WILD EYES/水樹奈々(サクラ16歳)
「はい、これあげる。サクラに似合うと思って買ったんだ」
そう言って俺は桜柄の髪留めを渡す。
「先生……ありがたいけど、忍の私には必要ないし、こんな可愛いもの似合わないよ」
「忍でもあるけど、女の子でしょ。忍にオシャレしてはいけないっていう決まりはないし」
「でも……」
「サクラのために買ったんだからいいの」
それでも渋るサクラに俺はしびれを切らし、髪留めをサクラの髪につけてやる。
「うん、やっぱり似合う」
「本当……?」
不安そうに尋ねてくるサクラを安心させるために、俺は思いっきり頷く。
「あぁ。可愛いよ」
「……ありがとう」
俺の返事を聞いてほっとしたのか、サクラははにかんだ。俺もサクラのその表情を見て、満足そうに笑った。
*コンビニ/ブリーフ&トランクス(サクラ18歳)
なかなか寝付けない夜。私は何となくコンビニへ向かってみた。自動ドアをくぐり、雑誌コーナーで気になった雑誌を読んでみる。ふと気配を感じて隣を見ると、カカシ先生が同じように立っていた。
「先生、いつからここに……」
「ついさっきかな。サクラの姿が見えたから」
「声かけてくれればいいのに」
「だって真剣に読んでるんだもん。それより、こんな夜中にどうしたの?」
「なんだか眠れなくて……。先生は?」
「任務終わりだよ」
「こんな時間までお疲れ様。早く帰って休んだ方がいいんじゃない?」
「うーん。まぁ、そうなんだけど……」
「……?」
急に言葉を濁し始めた先生に疑問を持ち、私は首を傾げる。しばらく待っていると、先生が意を決したように口を開いた。
「サクラともうちょっといたいなって思って」
「!?」
そう言った後に頬をかきながら少し照れくさそうにする先生に驚いて、持っていた雑誌を思わずぐしゃっとしてしまったけど許してほしい。
だって……その言葉と顔は反則よ、先生。
*ミライノーツを奏でて/Re:vale(サクラ20歳)
「“はたけサクラ”。うん、悪くないんじゃない」
私は書いた紙を持ち上げ、満足そうに見上げる。先生には片想い中。いつかこの気持ちを伝えられたらいいな。そして、あわよくば……なんて考えていると、「俺だけど入っていい?」とカカシ先生の声がノックの後に聞こえてきた。私は急いで紙を引き出しにしまい、「いいわよ」と声をかける。私の返事を聞いた先生が診察室に入ってくる。
「急にごめんね。いのちゃんが呼んでたから呼びに来たよ」
「いのが? どうして?」
私はいのが呼んでいる理由を考える。そして、いのと打ち合わせがあった事を思い出す。
「……あっ、忘れてた! 先生、ありがとう!」
私は急いでいのの元へ向かう。引き出しからさっきの紙がはみ出てるともを気づかずに。
――――――――――――――――――
「まったく……こういうところは昔から変わってないんだよね」
俺は引き出しから出ている紙をきちんとしまってあげようと、まず紙を取り出した。そして、その紙に書かれている“はたけサクラ”の文字に目がいった。
「……可愛いやつ」
サクラが気持ちを伝えてくれたら、いつでも俺の名字をあげるのに。いつかそうなることを願いながら、俺はその文字を愛おしげに撫でた。
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