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NARUTO/カカサク 短編①

MOON PRIDE/ももいろクローバーZ

月が綺麗な夜だった。俺の腕を枕にしているサクラが唐突に俺に問いかけてきた。

「先生って夢を見る?」
「それは寝て見る夢? それとも将来の夢とかそういうもの?」
「どっちも」
「そうだな……見るかな。俺の夢には毎日サクラが出てくるよ」
「えっ、本当? どんな夢?」
「あぁ。内容は……まぁ、色々ね」
「なにそれ、気になる」
「俺だけの秘密にしときたいの」
「ふ~ん。じゃあ、将来の夢の方は?」

サクラは不満そうな顔をしたが、俺に話す気がないと分かると次の会話にうつった。

「将来の夢というか、望みは……いまみたいにサクラの傍にいることかな」
「それだけ?」
「十分でしょ。俺はサクラがいるだけでいいの。でも、いきなりどうしたの?」
「夢を見たの……先生が私をかばって死んじゃう夢」
「あくまで夢でしょ」
「そうだけど、それがあまりにもリアルで……」

そう言って目を伏せるサクラを俺は強く抱き締める。

「大丈夫だよ。俺はいまここにいるし」
「うん。……お願い、先生。これからも私の傍にいてね」
「あぁ、いるよ。サクラが嫌だっていっても離れないから」
「そんなこと言わないもん」
「どうだか。俺より強くて若いイケメンがいたら、そっちにいくかもしれないだろ?」
「確かに……」
「そこは否定してくれよ」
「うふふ、冗談よ。そんなことないから安心して。……ねぇ、先生。もし私が危ない目にあっても絶対にかばわないで」
「それは約束できないな」
「……じゃあ私も先生が危ない目にあったらかばうわ」
「それはダメだ」
「どうして? 先生がよくて私はダメってずるいわ」
「サクラには俺のために危険な目にあってほしくない」
「その言葉そっくりそのまま返すわ。私は先生には及ばないけど、昔より強くなった。もう守られるだけじゃ嫌なの」

サクラの目の奥には強い意思が宿っていた。それを見ながら、俺は昔のサクラを思い出す。忍の覚悟も分かっておらず、ただ恋に生きていたサクラがいまは……。

「……分かったよ。それじゃあ、俺が危ない目にあったらサクラに助けてもらおうかな」
「任せて! 絶対に先生を助けてあげるんだから」
「それは心強いな。そのついでに、老後の世話も頼むな」
「仕方ないわねー」

俺達は微笑み合う。

「それじゃあ、そろそろ寝るか」
「うん。今日はいい夢を見れそう」
「俺の腕の中で眠るんだから当たり前でしょ」
「うふふ、それもそうね」

サクラはひとしきり笑うと目を閉じる。しばらくすると寝息が聞こえてきた。眠るサクラのまぶたに口づけると、俺も目を閉じた。

この日の夢は、おじいさんとおばあさんになった俺達が仲良さそうに散歩している内容だった。翌朝、サクラも俺と同じ夢を見たみたいで、嬉しそうにそれを語る。俺はその様子を見ながら、“どうか正夢になりますように”と柄にもなく神様に祈った。
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