NARUTO/カカサク 短編①
さくらんぼ/大塚愛
「サクラ……何やってるの?」
「いいから黙っていて」
休日の昼下がり。俺の部屋で、サクラは俺の左手薬指をとり、真剣な表情で赤い糸を巻きつけている。黙っているように言われた俺は無言でその様子を見ていた。俺の指に巻き終わると、今度は自分の左手薬指に赤い糸を巻き付けようとする。片手で自分の指に巻くのは中々難しいらしく、苦戦しているようだ。ようやく巻き終えると、満足そうに「できた!」と自分の左手と俺の左手を並べ、それを見ながら微笑む。俺の小指とサクラの小指は赤い糸で繋がっていた。
「で、結局何がしたいの?」
「ほら、運命の赤い糸ってよく言うじゃない。私達って、運命の赤い糸で結ばれてると思うんだけど、目には見えないから……見えないなら見えるようにすればいいと思って!」
そう言って可憐に笑うサクラに俺も「なるほどね」と微笑む。
「でも、ずっとこのままっていうわけにはいかないでしょ」
「そうだけど……やっぱり見えるようにしたくて……」
「……赤い糸は難しいけど、これだったらいいんじゃないかな?」
俺は赤い糸が巻き付いていない方の手で、近くに隠していた小さな箱をサクラに渡す。サクラはそれを受け取ると、箱を開けた。箱の中には指輪が入っている。
「これって……」
サクラの目が大きく見開く。
「これからも俺の隣にいてくれる?」
「それってプロポーズってことかしら?」
「そういうことになるね」
「もちろんいいに決まってるじゃない!」
サクラが満面の笑みで俺に抱き着いてくる。俺はそれを優しく受け止めた。
サクラと付き合って約2年。この日、恋人同士から夫婦へと俺達の関係は変わった。
「サクラ……何やってるの?」
「いいから黙っていて」
休日の昼下がり。俺の部屋で、サクラは俺の左手薬指をとり、真剣な表情で赤い糸を巻きつけている。黙っているように言われた俺は無言でその様子を見ていた。俺の指に巻き終わると、今度は自分の左手薬指に赤い糸を巻き付けようとする。片手で自分の指に巻くのは中々難しいらしく、苦戦しているようだ。ようやく巻き終えると、満足そうに「できた!」と自分の左手と俺の左手を並べ、それを見ながら微笑む。俺の小指とサクラの小指は赤い糸で繋がっていた。
「で、結局何がしたいの?」
「ほら、運命の赤い糸ってよく言うじゃない。私達って、運命の赤い糸で結ばれてると思うんだけど、目には見えないから……見えないなら見えるようにすればいいと思って!」
そう言って可憐に笑うサクラに俺も「なるほどね」と微笑む。
「でも、ずっとこのままっていうわけにはいかないでしょ」
「そうだけど……やっぱり見えるようにしたくて……」
「……赤い糸は難しいけど、これだったらいいんじゃないかな?」
俺は赤い糸が巻き付いていない方の手で、近くに隠していた小さな箱をサクラに渡す。サクラはそれを受け取ると、箱を開けた。箱の中には指輪が入っている。
「これって……」
サクラの目が大きく見開く。
「これからも俺の隣にいてくれる?」
「それってプロポーズってことかしら?」
「そういうことになるね」
「もちろんいいに決まってるじゃない!」
サクラが満面の笑みで俺に抱き着いてくる。俺はそれを優しく受け止めた。
サクラと付き合って約2年。この日、恋人同士から夫婦へと俺達の関係は変わった。
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