NARUTO/カカサク 短編①
Dream×Dream/愛内里菜
青空が広がる、少し眩しい日差しの下。
私は餡蜜を食べ、先生はお茶を飲んでいた。
「やっぱり疲れをとるのは甘いものにかぎるわ~」
「本当に美味しそうに食べるね~。あっ、サクラ。口元にあんこがついてるよ」
「えっ、どこ」
私が慌てていると、先生が「ここ」と言って急に顔を近づけてきた。
唇には柔らかい感触。私の思考が一瞬止まった。
えっ、いま先生にキスされた……?
「ごめん、ついてるなんて嘘。嫌だった?」
顔を離すと、悪びれる様子もなく言った。
「嫌じゃないけど……どうして?」
「したくなったから」
「誰にでもするの?」
「しないよ。サクラだからかな」
そう言って笑った顔があまりにも綺麗すぎて、私は瞬きもせずにただ先生を見ていた。
ここから私とカカシ先生の新たな関係がはじまった。
――――――――――――――――――――
報告書を提出するため、先生がいる執務室を訪れた。
先生が私の出した報告書に目を通してると、途中で「ふぁ~」と大きなあくびをした。
私もそれにつられ、思わず「ふぁ~」とあくびをしてしまった。
それを見た先生が「すごい顔だね」と柔らかく笑う。
「先生のせいよ」と私は拗ねたふりをする。
「そうだね、俺のせいだね。昨日あんまり寝かせてあげられなかったもんね」
顔が一気に赤くなった。私はとっさにシカマルの方を向いた。
シカマルはひたすら下を向き、黙々とペンをはしらせている。これは気を使わせているに違いない。
「ちょっと、先生! こんなところでそういうこと言わないの!」
私は先生に近付き小声で注意すると、「そんな顔しないで」と先生は机から身を乗り出し、私のおでこにキスをする。
私は恥ずかしさが頂点に達し、「報告書にちゃんと目を通しておいてくださいね!」と言って、急いでその場を後にした。
最後にチラッと振り返ると先生は面白そうに笑い、シカマルは呆れた様子でそれを見ていた。
――――――――――――――――――――
街を歩いていると、急に背中に衝撃が走った。
「きゃっ! ちょっとなんなの?」
後ろを振り返ると、パックンが驚いてこっちを見ていた。
体当たりの正体はパックンだったようだ。
「なんだ、サクラだったのか」
「それはこっちの台詞よ」
「急いでいたとはいえ、ワシとしたことが……。すまん、間違えた」
そう言ってパックンは去っていた。
「いったいなんだったのよ……」
私はしばらく途方に暮れていた。
「……ということがあったのよね」
カカシ先生の部屋でくつろぎながら、今日あった出来事を先生に話した。
それを聞いていた先生は「なるほどね。だから、パックン遅かったのか……」と言ってにやけだした。
「えっ、なに?」
「いや~、嬉しくてね」
「はぁ?」
「あのね、パックンは俺とサクラを間違えたんだよ」
「えっ、あのパックンが?」
「そう。今日あることをパックンに頼んでいてね。急ぎの案件だったから、あせっていたのもあると思うんだけど。サクラが俺の匂いに近かったから、俺と間違えてサクラの方にいっちゃったわけ」
「うそ……」
「珍しいこともあるもんだね。まぁ、いつも俺の部屋で一緒に過ごしてるから、俺の匂いがサクラに移ったのかもね」
「先生と同じ匂いって……」
「嬉しい?」
「……そんな…それじゃあ、私、加齢臭がするってこと……」
私が暗い表情でつぶやくと、「えっ! 俺、加齢臭するの!?」と先生が焦り出し、自分の匂いを嗅ぎ始める。
そんな先生が面白くて思わず笑いだしてしまった。
「うふふ、ごめんなさい先生。冗談よ」
「も~、サクラ~」
そういって先生はじゃれついてくる。
じゃれついてくる度にほんのり香ってくる先生の匂い。
この大好きな匂いが私にも染みついているんだと思うと、一緒に過ごした年月を感じて嬉しかった。
――――――――――――――――――――
夜ご飯を食べ終わり、先生はリビングで本を読んでいた。
私はキッチンで食器を洗いながら、ふと思いついたことを先生に問いかける。
「せんせーい! 明日の朝ごはんは何がいい?」
「うーん。白ご飯とナスの味噌汁かな」
「りょーかい。あっ、そういえばシャンプーのストックがもうないんだった」
「じゃあ、明日買ってくるよ。いつものでいい?」
「うん。よく行くあのお店に売ってるから」
「分かった。そういえば、サクラは今度の休みいつ?」
「次の土曜日かなー」
「じゃあ、俺も頑張って休み取るよ」
「えー、どうしたの珍しい」
「うーん。ちょっとね」
「なにそれー」
私達は同棲してから、当たり前になった会話を繰り返していく。
「……ねぇ、サクラ?」
「なーに?」
「結婚しようか」
「いいわよー…って、えっ!?」
あまりにもいつもの調子で言うから思わず返事してしまった。
驚いて先生の方を見ると、いつのまにか後ろにきていて、私の大好きな笑顔でこっちを見ていた。
「土曜日、一緒に指輪買いに行ってくれる?」
私は泡がついているのにも関わらず、背伸びして先生の首に腕をまわすと、「もちろん!」と肯定の意味を込めてキスをした。
青空が広がる、少し眩しい日差しの下。
私は餡蜜を食べ、先生はお茶を飲んでいた。
「やっぱり疲れをとるのは甘いものにかぎるわ~」
「本当に美味しそうに食べるね~。あっ、サクラ。口元にあんこがついてるよ」
「えっ、どこ」
私が慌てていると、先生が「ここ」と言って急に顔を近づけてきた。
唇には柔らかい感触。私の思考が一瞬止まった。
えっ、いま先生にキスされた……?
「ごめん、ついてるなんて嘘。嫌だった?」
顔を離すと、悪びれる様子もなく言った。
「嫌じゃないけど……どうして?」
「したくなったから」
「誰にでもするの?」
「しないよ。サクラだからかな」
そう言って笑った顔があまりにも綺麗すぎて、私は瞬きもせずにただ先生を見ていた。
ここから私とカカシ先生の新たな関係がはじまった。
――――――――――――――――――――
報告書を提出するため、先生がいる執務室を訪れた。
先生が私の出した報告書に目を通してると、途中で「ふぁ~」と大きなあくびをした。
私もそれにつられ、思わず「ふぁ~」とあくびをしてしまった。
それを見た先生が「すごい顔だね」と柔らかく笑う。
「先生のせいよ」と私は拗ねたふりをする。
「そうだね、俺のせいだね。昨日あんまり寝かせてあげられなかったもんね」
顔が一気に赤くなった。私はとっさにシカマルの方を向いた。
シカマルはひたすら下を向き、黙々とペンをはしらせている。これは気を使わせているに違いない。
「ちょっと、先生! こんなところでそういうこと言わないの!」
私は先生に近付き小声で注意すると、「そんな顔しないで」と先生は机から身を乗り出し、私のおでこにキスをする。
私は恥ずかしさが頂点に達し、「報告書にちゃんと目を通しておいてくださいね!」と言って、急いでその場を後にした。
最後にチラッと振り返ると先生は面白そうに笑い、シカマルは呆れた様子でそれを見ていた。
――――――――――――――――――――
街を歩いていると、急に背中に衝撃が走った。
「きゃっ! ちょっとなんなの?」
後ろを振り返ると、パックンが驚いてこっちを見ていた。
体当たりの正体はパックンだったようだ。
「なんだ、サクラだったのか」
「それはこっちの台詞よ」
「急いでいたとはいえ、ワシとしたことが……。すまん、間違えた」
そう言ってパックンは去っていた。
「いったいなんだったのよ……」
私はしばらく途方に暮れていた。
「……ということがあったのよね」
カカシ先生の部屋でくつろぎながら、今日あった出来事を先生に話した。
それを聞いていた先生は「なるほどね。だから、パックン遅かったのか……」と言ってにやけだした。
「えっ、なに?」
「いや~、嬉しくてね」
「はぁ?」
「あのね、パックンは俺とサクラを間違えたんだよ」
「えっ、あのパックンが?」
「そう。今日あることをパックンに頼んでいてね。急ぎの案件だったから、あせっていたのもあると思うんだけど。サクラが俺の匂いに近かったから、俺と間違えてサクラの方にいっちゃったわけ」
「うそ……」
「珍しいこともあるもんだね。まぁ、いつも俺の部屋で一緒に過ごしてるから、俺の匂いがサクラに移ったのかもね」
「先生と同じ匂いって……」
「嬉しい?」
「……そんな…それじゃあ、私、加齢臭がするってこと……」
私が暗い表情でつぶやくと、「えっ! 俺、加齢臭するの!?」と先生が焦り出し、自分の匂いを嗅ぎ始める。
そんな先生が面白くて思わず笑いだしてしまった。
「うふふ、ごめんなさい先生。冗談よ」
「も~、サクラ~」
そういって先生はじゃれついてくる。
じゃれついてくる度にほんのり香ってくる先生の匂い。
この大好きな匂いが私にも染みついているんだと思うと、一緒に過ごした年月を感じて嬉しかった。
――――――――――――――――――――
夜ご飯を食べ終わり、先生はリビングで本を読んでいた。
私はキッチンで食器を洗いながら、ふと思いついたことを先生に問いかける。
「せんせーい! 明日の朝ごはんは何がいい?」
「うーん。白ご飯とナスの味噌汁かな」
「りょーかい。あっ、そういえばシャンプーのストックがもうないんだった」
「じゃあ、明日買ってくるよ。いつものでいい?」
「うん。よく行くあのお店に売ってるから」
「分かった。そういえば、サクラは今度の休みいつ?」
「次の土曜日かなー」
「じゃあ、俺も頑張って休み取るよ」
「えー、どうしたの珍しい」
「うーん。ちょっとね」
「なにそれー」
私達は同棲してから、当たり前になった会話を繰り返していく。
「……ねぇ、サクラ?」
「なーに?」
「結婚しようか」
「いいわよー…って、えっ!?」
あまりにもいつもの調子で言うから思わず返事してしまった。
驚いて先生の方を見ると、いつのまにか後ろにきていて、私の大好きな笑顔でこっちを見ていた。
「土曜日、一緒に指輪買いに行ってくれる?」
私は泡がついているのにも関わらず、背伸びして先生の首に腕をまわすと、「もちろん!」と肯定の意味を込めてキスをした。
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