NARUTO/カカサク 短編①
Dear WOMAN/SMAP
毎月来る女の子の日。7班での任務がある日に限って、一番重い日に当たってしまった。朝に薬を飲んできたが、効く様子はない。集合場所で皆が来るのを待ちながら、私はお腹の痛みと必死に戦っていた。しかも、いまは夏真っ盛り。容赦なく太陽が照りつけ、私の額からは汗が流れ、それも鬱陶しい。集合時間丁度にサスケくんとナルトが珍しく同時にやってくる。
「おはよ~! サクラちゃん」
「おはようナルト。サスケくんも」
「あぁ」
痛みと暑さでイライラが募るが、それを悟られないように私は平静をよそう。
「今日も先生ってば、時間過ぎてるのに来ないってばよ~」
「いつものことでしょ」
本当に遅いわね~。私のイライラはMAXになろうとしていた。そして、2時間後にようやく先生がきた。
「いや~、足の悪いお婆さんを病院まで送って……」
「そんな言い訳いいから、早く今日の任務内容を教えてちょうだい」
先生の言い訳も聞き飽きたので、私はさっそく本題に入るように要求する。
「サクラ、お前……」
先生が私を食い入るように見つめる。ヤバい、ついイライラしてきつい言い方をしてしまった。まさか、女の子の日ってバレた? カカシ先生、変なところで勘が鋭いし……。私は冷や汗をかく。
「……太った?」
「急になんてこと言うのよ!」
予想外の答えに私は思わずずっこけ、そして先生を思いっきり殴った。
殴られたところをおさえつつ、先生は今日の任務を説明する。何てデリカシーがないのかしら。私はイライラが止まらないまま、先生の話を聞き続ける。今日の任務はペット探しらしい。私達3人は散らばって探すことになり、ナルトやサスケくんが離れ、私も探しに出ようとすると「サクラ」と木陰に座っている先生に呼び止められる。
「なに?」
「お前はこっち」
そう言って私を呼び込むと、先生は近付いてきた私の腕を引っ張り、私は先生に後ろから抱え込まれるような体制になる。
「ちょっと! 先生!」
私が抗議の声をあげるため振り向こうとすると、頬に冷たいものが当たり、思わず「ひゃっ!」と声が出る。頬に当てられたのは良く冷えたペットボトルのお水だった。
「気持ちいいでしょ?」
確かによく冷えていて気持ちいい。木陰なので日差しも当たらないし、そのおかげでイライラもだいぶおさまってきた。
「確かに気持ちいいけど……私も探しに行かなきゃ」
そう言って離れようとするが、先生は私のお腹にまわしている手に力をこめるため、私はそこから動けないでいた。
「だから! 先生!」
「だ~め。具合悪いんでしょ? お前はここで俺と休憩」
「そういうわけには……」
「あいつらなら大丈夫。いざとなったらパックン達を使うし」
「でも……」
「サクラは俺の大事な彼女だから、無理させたくないの。ね?」
「先生……」
私は顔が赤くなる。そう、私は先生と付き合っている。付き合ってからの先生はとにかく甘い。こういう言葉を平気で言うのだ。もちろん他の人がいる前ではさすがに言わないけど……。
「心配してくれてありがとう。確かにお腹は痛いけど……でも、それは……」
“病気とかじゃなくて、女の子の日だから。心配しないで”と言いたいけど、恥ずかしくて中々言えずにいると、先生があっけらかんとした表情で言った。
「知ってるよ。生理でしょ」
「えっ?」
私は思わずポカンと先生を見つめる。
「確か今日は2日目だろ?」
「何でそこまで……」
「そりゃあ毎日サクラと一緒にいるんだから、様子を見れば分かるよ。俺は鼻が敏感だから匂いでも分かるしね。顔色も良くないし、体重も1㎏増えたろ? 少しふっくらしてる。それも生理中だからでしょ」
「だからさっき“太った?”って聞いたんだ」
「うん」
「先生に全部バレていたなんて、恥ずかしい……」
「恥ずかしがることないでしょ。サクラも一人前の女性という証なんだから」
「そうだけど……」
「俺は嬉しいよ」
「先生……」
先生は微笑んで、私のお腹を優しく撫でる。
「まだ痛い?」
「少し……」
「そっか。うーん、代わってあげたいけどそれは無理だしね」
「先生がこうしてくれているだけで充分よ」
「……代わるのはさすがに無理だけど、止めてあげることはできるよ。でもそれはまだ早いような……」
「どういう意味?」
「俺との子供ができれば10か月ぐらいは止まるでしょ? サクラにはいずれ俺の子を産んでもらうつもりだけど、結婚もまだだし。でも、サクラがどうしてもって言うなら……」
先生は真剣な顔で考え込んでいる。
「……」
「……サクラ?」
「この変態教師―ーー!!!」
私は思いっきり先生を殴り、ペット探しに出ることにした。
毎月来る女の子の日。7班での任務がある日に限って、一番重い日に当たってしまった。朝に薬を飲んできたが、効く様子はない。集合場所で皆が来るのを待ちながら、私はお腹の痛みと必死に戦っていた。しかも、いまは夏真っ盛り。容赦なく太陽が照りつけ、私の額からは汗が流れ、それも鬱陶しい。集合時間丁度にサスケくんとナルトが珍しく同時にやってくる。
「おはよ~! サクラちゃん」
「おはようナルト。サスケくんも」
「あぁ」
痛みと暑さでイライラが募るが、それを悟られないように私は平静をよそう。
「今日も先生ってば、時間過ぎてるのに来ないってばよ~」
「いつものことでしょ」
本当に遅いわね~。私のイライラはMAXになろうとしていた。そして、2時間後にようやく先生がきた。
「いや~、足の悪いお婆さんを病院まで送って……」
「そんな言い訳いいから、早く今日の任務内容を教えてちょうだい」
先生の言い訳も聞き飽きたので、私はさっそく本題に入るように要求する。
「サクラ、お前……」
先生が私を食い入るように見つめる。ヤバい、ついイライラしてきつい言い方をしてしまった。まさか、女の子の日ってバレた? カカシ先生、変なところで勘が鋭いし……。私は冷や汗をかく。
「……太った?」
「急になんてこと言うのよ!」
予想外の答えに私は思わずずっこけ、そして先生を思いっきり殴った。
殴られたところをおさえつつ、先生は今日の任務を説明する。何てデリカシーがないのかしら。私はイライラが止まらないまま、先生の話を聞き続ける。今日の任務はペット探しらしい。私達3人は散らばって探すことになり、ナルトやサスケくんが離れ、私も探しに出ようとすると「サクラ」と木陰に座っている先生に呼び止められる。
「なに?」
「お前はこっち」
そう言って私を呼び込むと、先生は近付いてきた私の腕を引っ張り、私は先生に後ろから抱え込まれるような体制になる。
「ちょっと! 先生!」
私が抗議の声をあげるため振り向こうとすると、頬に冷たいものが当たり、思わず「ひゃっ!」と声が出る。頬に当てられたのは良く冷えたペットボトルのお水だった。
「気持ちいいでしょ?」
確かによく冷えていて気持ちいい。木陰なので日差しも当たらないし、そのおかげでイライラもだいぶおさまってきた。
「確かに気持ちいいけど……私も探しに行かなきゃ」
そう言って離れようとするが、先生は私のお腹にまわしている手に力をこめるため、私はそこから動けないでいた。
「だから! 先生!」
「だ~め。具合悪いんでしょ? お前はここで俺と休憩」
「そういうわけには……」
「あいつらなら大丈夫。いざとなったらパックン達を使うし」
「でも……」
「サクラは俺の大事な彼女だから、無理させたくないの。ね?」
「先生……」
私は顔が赤くなる。そう、私は先生と付き合っている。付き合ってからの先生はとにかく甘い。こういう言葉を平気で言うのだ。もちろん他の人がいる前ではさすがに言わないけど……。
「心配してくれてありがとう。確かにお腹は痛いけど……でも、それは……」
“病気とかじゃなくて、女の子の日だから。心配しないで”と言いたいけど、恥ずかしくて中々言えずにいると、先生があっけらかんとした表情で言った。
「知ってるよ。生理でしょ」
「えっ?」
私は思わずポカンと先生を見つめる。
「確か今日は2日目だろ?」
「何でそこまで……」
「そりゃあ毎日サクラと一緒にいるんだから、様子を見れば分かるよ。俺は鼻が敏感だから匂いでも分かるしね。顔色も良くないし、体重も1㎏増えたろ? 少しふっくらしてる。それも生理中だからでしょ」
「だからさっき“太った?”って聞いたんだ」
「うん」
「先生に全部バレていたなんて、恥ずかしい……」
「恥ずかしがることないでしょ。サクラも一人前の女性という証なんだから」
「そうだけど……」
「俺は嬉しいよ」
「先生……」
先生は微笑んで、私のお腹を優しく撫でる。
「まだ痛い?」
「少し……」
「そっか。うーん、代わってあげたいけどそれは無理だしね」
「先生がこうしてくれているだけで充分よ」
「……代わるのはさすがに無理だけど、止めてあげることはできるよ。でもそれはまだ早いような……」
「どういう意味?」
「俺との子供ができれば10か月ぐらいは止まるでしょ? サクラにはいずれ俺の子を産んでもらうつもりだけど、結婚もまだだし。でも、サクラがどうしてもって言うなら……」
先生は真剣な顔で考え込んでいる。
「……」
「……サクラ?」
「この変態教師―ーー!!!」
私は思いっきり先生を殴り、ペット探しに出ることにした。
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