NARUTO/カカサク 短編①
Precious/伊藤由奈
私は風影の執務室の前にいた。我愛羅くんに告白の返事をするためだ。
扉の前で深呼吸をし、扉をたたく。返事が返ってきたため、ドアを開けると当たり前だが我愛羅くんがいた。
「忙しい時にごめんなさい。少しいいかな?」
「ちょうどよかった。俺も会いに行こうと思っていたところだ」
「え?」
「少し歩かないか?」
「いいけど……」
我愛羅くんは席を立つと、私を先導するように歩き出すため、私はそれについていく。
「あのね、我愛羅くん。告白の返事をしなきゃと思って……」
「そのことだろうと思った」
我愛羅くんはただ前を向きながら歩いている。
「我愛羅くんの気持ちはすごく嬉しかった。でも、私はやっぱり……」
そう言いながら、私は我愛羅くんがある場所に向かっていることに気づく。
「あれ? もしかして門の方へ向かってる?」
我愛羅くんの足は確かに砂隠れの門へ向かっていた。
「いけば分かる」
不思議に思いながらもついて行くと、予想通りの門が見えてきた。そしてその真ん中には、ずっと会いたかったカカシ先生が立っていた。
「うそ……」
思わず足を止めると、我愛羅くんも立ち止まり、私の方を向く。
「お前の会いたい人はあいつじゃないのか?」
カカシ先生は近づいてくる。私はまだ一歩も動けない。私の近くまでやってくると、そばにいる我愛羅くんに声をかける。
「ありがとうね、サクラをここまで連れてきてくれて」
「あんたには世話になったからな」
我愛羅くんは先生の方から、私の方へ顔を向ける。
「お前の気持ちは分かっている。やっぱりこいつがいいんだろう」
「……我愛羅くん……ありがとう。ごめんなさい」
「謝るな。俺はいつまでもお前の幸せを願ってる。それに……こいつが嫌になったらいつでも俺のところへ来るといい」
「ちょっと、何言っちゃってんのよ」
「それじゃあな」
突っかかる先生を無視して、我愛羅くんは去っていく。先生は我愛羅くんを見送ると私の前にくる。
「サクラ」
「どうして……?」
「迎えにきたんだ」
そう言って先生は私を思いっきり抱きしめる。
「会いたかった……! ごめん、俺が弱いばっかりにサクラを傷つけてしまった」
「私達別れたんじゃ……」
「俺は別れたつもりはないよ。サクラを離す気はない」
「じゃあ、どうして浮気なんか」
「サクラの愛情を確かめたかったんだ。サクラが怒ってくれる度に安心していた」
「なにそれ、最低」
「あぁ、最低だよ。でももう2度とそんなことはしない」
「……でも私と結婚する気はないんでしょ?」
「したいよ。でもあの時は覚悟がなかったんだ、サクラを幸せにする覚悟が」
「……なんなのよ、もう」
「でも、サクラと離れて気づいたんだ。サクラのいない生活なんて考えられないって」
「先生……」
「我愛羅との結婚話が出ていると聞いたときは、腸が煮えくり返りそうだった」
「知っていたの!?」
「ナルトがどこかしらか情報を仕入れてきたらしく、そこで聞いたんだ。こうしちゃいられないと思って、今日はサクラを迎えにきたんだ」
「そうだったのね……。嬉しいけど、まだ砂隠れでの任務が……」
「綱手様と我愛羅には話を通してある。あとはサクラの返事次第だ」
「そんな……」
急な展開ばかりで頭がついていかない。
「サクラ、結婚しよう」
そう言って先生は指輪を差し出す
「えっ! ちょっと待って。本当になんなの」
色んなことが起こりすぎて、私は混乱していた。
「それともやっぱり我愛羅と結婚したいのか……?」
先生が不安そうに問いかける。
「ちょっと! さっきのやり取り見てたでしょ! ちゃんと断ったわよ! それに、先生以外の人なんて目に入らなかったわよ!」
私がとっさにそう言うと、先生が安心した表情をする。私はそれを見て、“あぁ、やっぱり私はカカシ先生が好きだ。カカシ先生じゃなきゃダメなんだ”と改めて実感する。
「……本当に私でいいの?」
「サクラがいいんだ。それに俺が言うのもなんだけど、サクラは本当に俺でいいのか?」
「私もカカシ先生がいいの。……もうよそ見しちゃダメだからね」
「あぁ、約束する」
そして、私達は誓いのキスをした。
私は風影の執務室の前にいた。我愛羅くんに告白の返事をするためだ。
扉の前で深呼吸をし、扉をたたく。返事が返ってきたため、ドアを開けると当たり前だが我愛羅くんがいた。
「忙しい時にごめんなさい。少しいいかな?」
「ちょうどよかった。俺も会いに行こうと思っていたところだ」
「え?」
「少し歩かないか?」
「いいけど……」
我愛羅くんは席を立つと、私を先導するように歩き出すため、私はそれについていく。
「あのね、我愛羅くん。告白の返事をしなきゃと思って……」
「そのことだろうと思った」
我愛羅くんはただ前を向きながら歩いている。
「我愛羅くんの気持ちはすごく嬉しかった。でも、私はやっぱり……」
そう言いながら、私は我愛羅くんがある場所に向かっていることに気づく。
「あれ? もしかして門の方へ向かってる?」
我愛羅くんの足は確かに砂隠れの門へ向かっていた。
「いけば分かる」
不思議に思いながらもついて行くと、予想通りの門が見えてきた。そしてその真ん中には、ずっと会いたかったカカシ先生が立っていた。
「うそ……」
思わず足を止めると、我愛羅くんも立ち止まり、私の方を向く。
「お前の会いたい人はあいつじゃないのか?」
カカシ先生は近づいてくる。私はまだ一歩も動けない。私の近くまでやってくると、そばにいる我愛羅くんに声をかける。
「ありがとうね、サクラをここまで連れてきてくれて」
「あんたには世話になったからな」
我愛羅くんは先生の方から、私の方へ顔を向ける。
「お前の気持ちは分かっている。やっぱりこいつがいいんだろう」
「……我愛羅くん……ありがとう。ごめんなさい」
「謝るな。俺はいつまでもお前の幸せを願ってる。それに……こいつが嫌になったらいつでも俺のところへ来るといい」
「ちょっと、何言っちゃってんのよ」
「それじゃあな」
突っかかる先生を無視して、我愛羅くんは去っていく。先生は我愛羅くんを見送ると私の前にくる。
「サクラ」
「どうして……?」
「迎えにきたんだ」
そう言って先生は私を思いっきり抱きしめる。
「会いたかった……! ごめん、俺が弱いばっかりにサクラを傷つけてしまった」
「私達別れたんじゃ……」
「俺は別れたつもりはないよ。サクラを離す気はない」
「じゃあ、どうして浮気なんか」
「サクラの愛情を確かめたかったんだ。サクラが怒ってくれる度に安心していた」
「なにそれ、最低」
「あぁ、最低だよ。でももう2度とそんなことはしない」
「……でも私と結婚する気はないんでしょ?」
「したいよ。でもあの時は覚悟がなかったんだ、サクラを幸せにする覚悟が」
「……なんなのよ、もう」
「でも、サクラと離れて気づいたんだ。サクラのいない生活なんて考えられないって」
「先生……」
「我愛羅との結婚話が出ていると聞いたときは、腸が煮えくり返りそうだった」
「知っていたの!?」
「ナルトがどこかしらか情報を仕入れてきたらしく、そこで聞いたんだ。こうしちゃいられないと思って、今日はサクラを迎えにきたんだ」
「そうだったのね……。嬉しいけど、まだ砂隠れでの任務が……」
「綱手様と我愛羅には話を通してある。あとはサクラの返事次第だ」
「そんな……」
急な展開ばかりで頭がついていかない。
「サクラ、結婚しよう」
そう言って先生は指輪を差し出す
「えっ! ちょっと待って。本当になんなの」
色んなことが起こりすぎて、私は混乱していた。
「それともやっぱり我愛羅と結婚したいのか……?」
先生が不安そうに問いかける。
「ちょっと! さっきのやり取り見てたでしょ! ちゃんと断ったわよ! それに、先生以外の人なんて目に入らなかったわよ!」
私がとっさにそう言うと、先生が安心した表情をする。私はそれを見て、“あぁ、やっぱり私はカカシ先生が好きだ。カカシ先生じゃなきゃダメなんだ”と改めて実感する。
「……本当に私でいいの?」
「サクラがいいんだ。それに俺が言うのもなんだけど、サクラは本当に俺でいいのか?」
「私もカカシ先生がいいの。……もうよそ見しちゃダメだからね」
「あぁ、約束する」
そして、私達は誓いのキスをした。
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