NARUTO/カカサク 短編①
Q&A リサイタル!/戸松遥
女子の冬の必須アイテム……そう! それはハンドクリーム。それは私も例外ではない。いつも通り7班での任務中。私は手の乾燥が気になり、ハンドクリームをつけることにしたのだけど、チューブ式のため勢いよく中身が出てしまった。
「あ~あ。ハンドクリーム出し過ぎちゃった。どうしよう……そうだ! サスケくーん! 少しもらってくれない?」
私は近くにいたサスケくんに手を差し出したが、「断る」と一刀両断されてしまった。
「だよねー。先生はグローブしてるし……ナルト! 手を出して!」
先生を一瞥し、その次はナルトに声を掛ける。
「えっ、オレ?」
「あんたよ、あんた。ほら早く手を出して」
急かすとナルトはこっちに来て、両手を差し出す。
「片方でいいわ。はい」
そう言って、私は出し過ぎたクリームをナルトの手になすりつける。
「このハンドクリームいいやつなんだから、感謝しなさいよ」
「ありがとうだってばよ! まさかサクラちゃんの方からオレに触れてくれるとは……」
「勘違いしないでね! もったないからよ!」
「でも、嬉しいってばよ〜」
「大袈裟ね〜」
感動しながら、両手を合わせ塗り込むナルトを少し可愛いと思ってしまった。こんなにも喜ぶならまたしてあげてもいいかな〜と、私は微笑んでそれを見守っていた。
その光景を先生が見ているとも知らずに。
翌日も7班での任務。普段通り遅刻してきた先生だったが、いつもと少し違うことに気がついた。
「あれ? いつものグローブは?」
「あぁ、あれね。今日急いで家を出たから、忘れちゃったんだ」
「珍しいわね〜」
そして、任務をこなしている最中に私はまた手の乾燥が気になり、ハンドクリームを塗ることにした。
「あっ! また出し過ぎちゃった」
やっぱり力加減が難しいのよね~。
「仕方ないか。ナルト〜!」
昨日と同じくナルトを呼び寄せる。ナルトは察したのか、嬉しそうに私のもとへ寄ってくる。
「もちろんいいってばよ!」
そして、昨日と同じようにナルトにあげようとした瞬間、別の手がそれを阻止し、私のクリームを持っていく。
「「えっ?」」と、私もナルトもポカンとする。
「いや〜、グローブがないと手が乾燥してね。丁度良かった」
そう、それは先生の手だった。先生の手が割り込んできて、私の手からクリームを取ったのだ。
「ちょっと、先生! オレがサクラちゃんからもらおうとしたのに!」
「お前の肌は丈夫でしょうよ。俺の肌は繊細なの」
「そんなこと初めて聞いたってばよ!」
「今日初めて言ったもん」
「でも、ずるいってばよ~」
状況を理解したナルトは先生に食って掛かるが、先生はクリームを手に塗り込みながら、上手くかわしていく。そして、ナルトの相手をしていた先生が急にこちらを向く。
「そういうことだから、これからハンドクリーム出し過ぎちゃった時は俺にちょーだいね」
「えっ! 急にそんなこと言われても。それに先生はいつもグローブしてるじゃない」
「グローブしてても乾燥するの」
「なにそれ」
「なくなったら、俺が買ってあげるから」
「えっ、本当!?」
「本当本当」
「だったら、仕方ないわね〜。いいわよ」
プレゼントでもらったこの高級なハンドクリームは、なかなか自分では買えない金額なので、私はその提案にのることにした。その返事を聞いた先生は満足そうに笑った。
もしかして先生……昨日のナルトが羨ましかったのかな? まさかね。
それから私のハンドクリームを分ける相手は先生になった。
女子の冬の必須アイテム……そう! それはハンドクリーム。それは私も例外ではない。いつも通り7班での任務中。私は手の乾燥が気になり、ハンドクリームをつけることにしたのだけど、チューブ式のため勢いよく中身が出てしまった。
「あ~あ。ハンドクリーム出し過ぎちゃった。どうしよう……そうだ! サスケくーん! 少しもらってくれない?」
私は近くにいたサスケくんに手を差し出したが、「断る」と一刀両断されてしまった。
「だよねー。先生はグローブしてるし……ナルト! 手を出して!」
先生を一瞥し、その次はナルトに声を掛ける。
「えっ、オレ?」
「あんたよ、あんた。ほら早く手を出して」
急かすとナルトはこっちに来て、両手を差し出す。
「片方でいいわ。はい」
そう言って、私は出し過ぎたクリームをナルトの手になすりつける。
「このハンドクリームいいやつなんだから、感謝しなさいよ」
「ありがとうだってばよ! まさかサクラちゃんの方からオレに触れてくれるとは……」
「勘違いしないでね! もったないからよ!」
「でも、嬉しいってばよ〜」
「大袈裟ね〜」
感動しながら、両手を合わせ塗り込むナルトを少し可愛いと思ってしまった。こんなにも喜ぶならまたしてあげてもいいかな〜と、私は微笑んでそれを見守っていた。
その光景を先生が見ているとも知らずに。
翌日も7班での任務。普段通り遅刻してきた先生だったが、いつもと少し違うことに気がついた。
「あれ? いつものグローブは?」
「あぁ、あれね。今日急いで家を出たから、忘れちゃったんだ」
「珍しいわね〜」
そして、任務をこなしている最中に私はまた手の乾燥が気になり、ハンドクリームを塗ることにした。
「あっ! また出し過ぎちゃった」
やっぱり力加減が難しいのよね~。
「仕方ないか。ナルト〜!」
昨日と同じくナルトを呼び寄せる。ナルトは察したのか、嬉しそうに私のもとへ寄ってくる。
「もちろんいいってばよ!」
そして、昨日と同じようにナルトにあげようとした瞬間、別の手がそれを阻止し、私のクリームを持っていく。
「「えっ?」」と、私もナルトもポカンとする。
「いや〜、グローブがないと手が乾燥してね。丁度良かった」
そう、それは先生の手だった。先生の手が割り込んできて、私の手からクリームを取ったのだ。
「ちょっと、先生! オレがサクラちゃんからもらおうとしたのに!」
「お前の肌は丈夫でしょうよ。俺の肌は繊細なの」
「そんなこと初めて聞いたってばよ!」
「今日初めて言ったもん」
「でも、ずるいってばよ~」
状況を理解したナルトは先生に食って掛かるが、先生はクリームを手に塗り込みながら、上手くかわしていく。そして、ナルトの相手をしていた先生が急にこちらを向く。
「そういうことだから、これからハンドクリーム出し過ぎちゃった時は俺にちょーだいね」
「えっ! 急にそんなこと言われても。それに先生はいつもグローブしてるじゃない」
「グローブしてても乾燥するの」
「なにそれ」
「なくなったら、俺が買ってあげるから」
「えっ、本当!?」
「本当本当」
「だったら、仕方ないわね〜。いいわよ」
プレゼントでもらったこの高級なハンドクリームは、なかなか自分では買えない金額なので、私はその提案にのることにした。その返事を聞いた先生は満足そうに笑った。
もしかして先生……昨日のナルトが羨ましかったのかな? まさかね。
それから私のハンドクリームを分ける相手は先生になった。
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