NARUTO/カカサク 短編①
Starry☆Days/土萌羊(緑川光)、天羽翼(鈴村健一)、木ノ瀬梓(福山潤)
お風呂も入り、明日の準備もして、後は寝るだけ。でも何だか眠くなくて、私はベランダに出て、星空を見上げる。
「星が綺麗ね〜」
「本当だね」
独り言だと思ったが、返事が返ってきて驚いた。声のした方を見ると先生がベランダに出て、こっちを見ていた。
そう、私と先生は隣の部屋同士で住んでいる。だから、ベランダも隣同士で、こうして会話ができる。意図的ではない、偶然の結果だ。
「先生、任務に出て今日はいないんじゃ……」
「サクラのために早く終わらせてきちゃった」
「なにそれ」
「またGが出て、大騒ぎされたら近所迷惑でしょ」
「今度は大丈夫だもん」
「どうだかねー。それに入居初日に、ガスの契約をしてなくてお湯が出ず、俺の部屋にお風呂借りにきたのはどこの誰だっけ?」
「さぁ、誰だっけな〜」
「あとは、鍵を職場に忘れて家に入れないってこともあったよね~」
「あ~、聞こえませーん」
私達は笑い合う。
「……でも、本当に先生がいてくれて良かった。私1人だったら、何もできなかったから」
一人暮らしを始めて、自分がどれだけ両親に頼っていたのかを実感した。先生はもちろん、ナルトやサスケくんも昔から1人で住んでいて……私は今までどんだけみんなに甘えてたんだろう。
「サークラ。はい、これ」
「えっ?」
考え込んでいると、先生はいつのまに持ってきたのか、私にホットミルクが入ったマグカップを差し出してきた。
「俺たちは俺たち、サクラはサクラだよ。そんなサクラだからこそ、俺たちは救われた部分がたくさんあるしね」
「先生……ありがとう」
落ち込んだ私に気づいたのだろう。さすが先生。私はそれを受け取り、一口飲む。
「!? なにこれ、しょっぱい!!」
「塩入りホットミルク、どう?」
「どうって? せっかく先生に感謝していたのに。私の気持ち返してよ!」
「あはは、やっぱりサクラはそうでなくっちゃ」
「もうっ!」
私は怒るふりをする。先生もそれを分かってるだろう。
「ごめんね、サクラ。それもう飲まなくていいよ」
「飲むわよ、先生がせっかく入れてくれたんだから」
私は塩味のホットミルクを一気飲みし、空のマグカップを先生に戻す。
「次からは塩じゃなくて、砂糖でお願いしますね!」
「了解」
私は先生から再び星空に目を向ける。幾億の星が瞬いていて、私達を照らしている。
「先生。私、頑張るからね。早くみんなに追いつけるように」
「それじゃあ、俺はそれを支えてあげる」
「嬉しいけど、そこまでしてくれなくていいのよ。先生だって忙しいでしょ」
「俺がそうしたいんだ」
「でも……」
「俺を頼って、サクラ。お願いだから、置いていかないで」
真剣な声色に私は先生の方をとっさに見る。先生は、置いていかれそうになる子供みたいな目でこちらを見ている。
その表情をみて、私は悟った。先生は寂しいんだ。
サスケくんは里を抜け、ナルトは旅へ出て、私は綱手様の元で修行している。だから、以前のように一緒に行動することも減った。先生とこうやって再び話すようになったのも、部屋が隣同士になったのがきっかけだ。
私は急に先生が愛おしくなった。
「大丈夫よ、私は先生を置いていかない。ずっと先生の隣にいるわ。こうやってね」
私は手すりを乗り越えて、先生のいるベランダに飛び移る。
「えっ! サクラ!?」
先生は飛び移ってきた私をとっさに受け止め、2人でベランダに寝転ぶ形になる。
「えへへ、ありがとう。先生」
「ったく、お前ってやつは。ちゃんとドアから来なさいよ」
「こっちの方が早かったんだもん。ということで、今日先生と一緒に寝ていい?」
「なんでそーなるの」
「だって隣にいるって言ったでしょ。さっそく実行しようと思って」
「はぁ……分かったよ。俺のベッドは狭いんだから、文句言うのは無しだからね」
「はーい」
私の呑気な返事に、先生は呆れながらもどこか嬉しそうだった。
お風呂も入り、明日の準備もして、後は寝るだけ。でも何だか眠くなくて、私はベランダに出て、星空を見上げる。
「星が綺麗ね〜」
「本当だね」
独り言だと思ったが、返事が返ってきて驚いた。声のした方を見ると先生がベランダに出て、こっちを見ていた。
そう、私と先生は隣の部屋同士で住んでいる。だから、ベランダも隣同士で、こうして会話ができる。意図的ではない、偶然の結果だ。
「先生、任務に出て今日はいないんじゃ……」
「サクラのために早く終わらせてきちゃった」
「なにそれ」
「またGが出て、大騒ぎされたら近所迷惑でしょ」
「今度は大丈夫だもん」
「どうだかねー。それに入居初日に、ガスの契約をしてなくてお湯が出ず、俺の部屋にお風呂借りにきたのはどこの誰だっけ?」
「さぁ、誰だっけな〜」
「あとは、鍵を職場に忘れて家に入れないってこともあったよね~」
「あ~、聞こえませーん」
私達は笑い合う。
「……でも、本当に先生がいてくれて良かった。私1人だったら、何もできなかったから」
一人暮らしを始めて、自分がどれだけ両親に頼っていたのかを実感した。先生はもちろん、ナルトやサスケくんも昔から1人で住んでいて……私は今までどんだけみんなに甘えてたんだろう。
「サークラ。はい、これ」
「えっ?」
考え込んでいると、先生はいつのまに持ってきたのか、私にホットミルクが入ったマグカップを差し出してきた。
「俺たちは俺たち、サクラはサクラだよ。そんなサクラだからこそ、俺たちは救われた部分がたくさんあるしね」
「先生……ありがとう」
落ち込んだ私に気づいたのだろう。さすが先生。私はそれを受け取り、一口飲む。
「!? なにこれ、しょっぱい!!」
「塩入りホットミルク、どう?」
「どうって? せっかく先生に感謝していたのに。私の気持ち返してよ!」
「あはは、やっぱりサクラはそうでなくっちゃ」
「もうっ!」
私は怒るふりをする。先生もそれを分かってるだろう。
「ごめんね、サクラ。それもう飲まなくていいよ」
「飲むわよ、先生がせっかく入れてくれたんだから」
私は塩味のホットミルクを一気飲みし、空のマグカップを先生に戻す。
「次からは塩じゃなくて、砂糖でお願いしますね!」
「了解」
私は先生から再び星空に目を向ける。幾億の星が瞬いていて、私達を照らしている。
「先生。私、頑張るからね。早くみんなに追いつけるように」
「それじゃあ、俺はそれを支えてあげる」
「嬉しいけど、そこまでしてくれなくていいのよ。先生だって忙しいでしょ」
「俺がそうしたいんだ」
「でも……」
「俺を頼って、サクラ。お願いだから、置いていかないで」
真剣な声色に私は先生の方をとっさに見る。先生は、置いていかれそうになる子供みたいな目でこちらを見ている。
その表情をみて、私は悟った。先生は寂しいんだ。
サスケくんは里を抜け、ナルトは旅へ出て、私は綱手様の元で修行している。だから、以前のように一緒に行動することも減った。先生とこうやって再び話すようになったのも、部屋が隣同士になったのがきっかけだ。
私は急に先生が愛おしくなった。
「大丈夫よ、私は先生を置いていかない。ずっと先生の隣にいるわ。こうやってね」
私は手すりを乗り越えて、先生のいるベランダに飛び移る。
「えっ! サクラ!?」
先生は飛び移ってきた私をとっさに受け止め、2人でベランダに寝転ぶ形になる。
「えへへ、ありがとう。先生」
「ったく、お前ってやつは。ちゃんとドアから来なさいよ」
「こっちの方が早かったんだもん。ということで、今日先生と一緒に寝ていい?」
「なんでそーなるの」
「だって隣にいるって言ったでしょ。さっそく実行しようと思って」
「はぁ……分かったよ。俺のベッドは狭いんだから、文句言うのは無しだからね」
「はーい」
私の呑気な返事に、先生は呆れながらもどこか嬉しそうだった。
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