NARUTO/カカサク 短編①
Red fraction/MELL
「面白かったわね~」
「ねー! アクションもすごくて、内容もスカッとしたわ」
私はいのと映画を観た後、カフェで感想を語り合っていた。
「特にあのシーン良くなかった?」
「アレでしょ! 主人公とヒロインがシガーキスしてるところ」
「そうそう! 私もやってみたいわ~」
「あんたタバコ吸ってないでしょ」
「そうだけど……」
「でも、サクラの彼氏のカカシ先生は吸ってるわよね。あの先生、経験豊富そうだから既に女とやってそう~」
「そんなことないもん! たぶん」
「どうだか」
私はいのの言葉に不安を覚えると同時に、“私もやりたい”という気持ちがこみあげてくる。年齢的に成人してるから問題ないけど、タバコは体に良くないし……。本音を言えば、先生にもやめてほしい。
「……」
「サクラ?」
「あっ! なんでもない」
それから話は別の話題に移っていった。
翌日。私はカカシ先生を探していた。
特に約束はしていなかったが、少しでも会いたかったのだ。
ようやくカカシ先生を見つけたが、紅先生も一緒だった。
どうやら任務の打ち合わせをしているらしい。
「忙しそうだから、今日はやめておこう」
残念な気持ちになりながらも自分に言い聞かせ、背を向けようとした瞬間私はある光景を見てしまった。
「紅、火ちょうだい」
「いいわよ」
紅先生とカカシ先生があの“シガーキス”をしていたのだ。
もちろん2人に他意がないのは分かってる。紅先生にはアスマ先生がいるし、カカシ先生も私の彼氏だ。でも、ひどくショックを受けた。それにすごくお似合いだった。あの映画のシーンのように。私は足早にその場を去った。
慣れている感じだったので、普段からやっているんだろう。こうなったら、私も……!
私は家へ向かうはずだった足をタバコ屋に向けた。
タバコ屋に来たのはいいが、種類が多すぎてどれが良いのか分からない。
「うーん」
「サクラじゃないか。こんな所で珍しいな。おつかいか?」
「アスマ先生! いい所に!」
声のした方を振り返ると、アスマ先生がいた。
「おつかいじゃないです。自分用に買いにきたんです」
「お前、タバコ吸ってたのか?」
「いいえ、でも吸ってみようかなって……」
「吸ってる俺が言うのもなんだが、あまりオススメできるものじゃないぞ」
「いいんです!!」
私の圧にアスマ先生が少しだけ引いてるのが分かる。でも、誰に何と言われようと私はカカシ先生とシガーキスがしたい。
「初心者にオススメのタバコってありますか?」
「そこまで言うなら……初めてはこの辺がいいんじゃないか」
「なるほど、ありがとうございます」
私はアスマ先生に勧められた銘柄を購入し、アスマ先生も自分用のタバコを買う。
「それじゃあ」
そう言って去ろうとするアスマ先生を呼び止める。
「ちょっと待ってください! せっかくなので吸い方を教えてください」
私のお願いにアスマ先生は渋りながらも最終的には了承してくれた。
「タバコを加え、先に火をつけて……」
教わりながら初めてのタバコを体験する。
「にがっ……」
私が顔をしかめると、アスマ先生は苦笑いをする。
「最初はそう感じるが、だんだんクセになってくるもんだ」
「そうなんですね」
「まぁ、気乗りしないならやめた方がいいぞ」
「そういうわけにはいかないんです」
目的を達成するまではやめるわけにはいかない。苦さは耐えられないほどじゃない。だから、大丈夫。
「あと、シガーキスのやり方も教えてください!」
「シガーキス?」
「タバコ同士をくっつけるやつです」
「あぁ、アレか。だったらカカシに教わった方がいいんじゃないか?」
「それじゃあダメなんです!!」
またも私の剣幕にアスマ先生が引いているのが分かる。
カカシ先生とやる時は、スムーズにやりたい。紅先生の時みたいに。
「お願いします! アスマ先生!」
「はぁ……分かった」
アスマ先生はまたもや渋々了承してくれた。
「じゃあ、まずタバコを加えて」
私は言われた通りにタバコを加えた。アスマ先生も自分のタバコを加えると火をつけ、私のタバコに近づけていく。もう少しで触れようとした時……
「何やってるの?」
まわりの温度が一気に下がるような冷たい声が聞こえた。
「カカシ……」
アスマ先生は思わずタバコを落とす。私もいきなりのカカシ先生に目を見開く。
「先生どうして……」
「聞きたいのはこっちなんだけど」
笑ってはいるけど、目が笑ってない。これはやばい。カカシ先生が怒ってる。
「あのね! 私がアスマ先生にお願いしたの。タバコを吸ってみたくて……」
「何でアスマなの?」
「タバコ屋で偶然会ったの、だから……」
「でもだからって何でシガーキス? そもそも何で吸いたくなったの?」
カカシ先生の質問は止まらない。
「まぁ、落ち着けカカシ。サクラだってそういうのに興味を持つ年頃なんじゃないか」
アスマ先生が見かねてフォローを入れてくれたが、「お前には関係ない」と一刀両断されていた。
「で、どうして?」
カカシ先生の視線が痛い。これはもう白状するしかないか。
「……だってカカシ先生とシガーキスしてみたかったんだもん」
「でも、今はアスマとしようとしてただろう」
「先生とは上手になってからしたかったの! 紅先生の時みたいに!」
「紅か……」
カカシ先生とアスマ先生は、“なるほどな”という顔をする。
「だからって……」
カカシ先生が呆れたような顔をしたため、私はそれにカチンときた。
「別にいいじゃない。本当にキスしてるわけじゃないし。それにカカシ先生だって紅先生とよくしてるじゃない!」
「あのね〜、サクラはダメなの」
「どうしてよ!」
「俺が嫌なの。それにサクラが嫌なら俺も他の人としないよ」
カカシ先生は私に言い聞かせるように語りかける。アスマ先生は「……とりあえず大丈夫そうだな。あとは2人で仲良くやってくれ」と去っていった。
「ねっ?」
「……でも、してみたい」
「どうしても?」
「うん」
「……分かった。俺がしてあげる」
「でも、私たぶん下手だよ」
「俺がリードするから大丈夫」
先生に促され、タバコを口に加える。先生も同じように加えると、自分の方に火をつける。
そして、私は念願のシガーキスをした。
カカシ先生はくっついていたタバコを離し、煙を吐く。かっこいいな〜。
私も真似しようとしたが、むせてしまった。涙目になってると、「大丈夫?」と先生が気遣ってくれた。
「なんとか……」
「サクラにはまだ早かったね〜」
「もうっ! うるさ……」
文句を言おうとしている最中にいきなり口を塞がれ、舌を入れられる。そして、口内を蹂躙されたかと思うと、ようやく唇が離れた。
「俺はシガーキスよりこっちのキスがいいな」
私は突然の先生の行動についていけないでいた。
「あはは、サクラ顔真っ赤」
「誰のせいよ!」
私は先生に顔を見られたくなくて背を向ける。
「俺のせいだね〜」
先生はニコニコと笑いながら、私に覆い被さってくる。
「満足した?」
「……まぁね」
「それは良かった。それじゃあ」
そう言って先生は私のタバコを取り上げる。
「まだ残ってるのに!」
「もう必要ないでしょ」
「そうだけど」
「だったらいいじゃない。あと、アスマや他の男じゃなく、これからは俺を頼ること。いいね?」
「……分かったわ」
「ならよし」
「案外先生って嫉妬深いわよねー」
「そうだよー、俺は嫉妬深いよ。サクラを監禁したいぐらいにはね」
「……冗談よね?」
「どうだろう?」
「まぁ、私も先生を独り占めしたいと思ってるからお互い様ね」
そう言うと先生が幸せそうに笑った。
私は嬉しくなって、先生の頬にキスをした。
「面白かったわね~」
「ねー! アクションもすごくて、内容もスカッとしたわ」
私はいのと映画を観た後、カフェで感想を語り合っていた。
「特にあのシーン良くなかった?」
「アレでしょ! 主人公とヒロインがシガーキスしてるところ」
「そうそう! 私もやってみたいわ~」
「あんたタバコ吸ってないでしょ」
「そうだけど……」
「でも、サクラの彼氏のカカシ先生は吸ってるわよね。あの先生、経験豊富そうだから既に女とやってそう~」
「そんなことないもん! たぶん」
「どうだか」
私はいのの言葉に不安を覚えると同時に、“私もやりたい”という気持ちがこみあげてくる。年齢的に成人してるから問題ないけど、タバコは体に良くないし……。本音を言えば、先生にもやめてほしい。
「……」
「サクラ?」
「あっ! なんでもない」
それから話は別の話題に移っていった。
翌日。私はカカシ先生を探していた。
特に約束はしていなかったが、少しでも会いたかったのだ。
ようやくカカシ先生を見つけたが、紅先生も一緒だった。
どうやら任務の打ち合わせをしているらしい。
「忙しそうだから、今日はやめておこう」
残念な気持ちになりながらも自分に言い聞かせ、背を向けようとした瞬間私はある光景を見てしまった。
「紅、火ちょうだい」
「いいわよ」
紅先生とカカシ先生があの“シガーキス”をしていたのだ。
もちろん2人に他意がないのは分かってる。紅先生にはアスマ先生がいるし、カカシ先生も私の彼氏だ。でも、ひどくショックを受けた。それにすごくお似合いだった。あの映画のシーンのように。私は足早にその場を去った。
慣れている感じだったので、普段からやっているんだろう。こうなったら、私も……!
私は家へ向かうはずだった足をタバコ屋に向けた。
タバコ屋に来たのはいいが、種類が多すぎてどれが良いのか分からない。
「うーん」
「サクラじゃないか。こんな所で珍しいな。おつかいか?」
「アスマ先生! いい所に!」
声のした方を振り返ると、アスマ先生がいた。
「おつかいじゃないです。自分用に買いにきたんです」
「お前、タバコ吸ってたのか?」
「いいえ、でも吸ってみようかなって……」
「吸ってる俺が言うのもなんだが、あまりオススメできるものじゃないぞ」
「いいんです!!」
私の圧にアスマ先生が少しだけ引いてるのが分かる。でも、誰に何と言われようと私はカカシ先生とシガーキスがしたい。
「初心者にオススメのタバコってありますか?」
「そこまで言うなら……初めてはこの辺がいいんじゃないか」
「なるほど、ありがとうございます」
私はアスマ先生に勧められた銘柄を購入し、アスマ先生も自分用のタバコを買う。
「それじゃあ」
そう言って去ろうとするアスマ先生を呼び止める。
「ちょっと待ってください! せっかくなので吸い方を教えてください」
私のお願いにアスマ先生は渋りながらも最終的には了承してくれた。
「タバコを加え、先に火をつけて……」
教わりながら初めてのタバコを体験する。
「にがっ……」
私が顔をしかめると、アスマ先生は苦笑いをする。
「最初はそう感じるが、だんだんクセになってくるもんだ」
「そうなんですね」
「まぁ、気乗りしないならやめた方がいいぞ」
「そういうわけにはいかないんです」
目的を達成するまではやめるわけにはいかない。苦さは耐えられないほどじゃない。だから、大丈夫。
「あと、シガーキスのやり方も教えてください!」
「シガーキス?」
「タバコ同士をくっつけるやつです」
「あぁ、アレか。だったらカカシに教わった方がいいんじゃないか?」
「それじゃあダメなんです!!」
またも私の剣幕にアスマ先生が引いているのが分かる。
カカシ先生とやる時は、スムーズにやりたい。紅先生の時みたいに。
「お願いします! アスマ先生!」
「はぁ……分かった」
アスマ先生はまたもや渋々了承してくれた。
「じゃあ、まずタバコを加えて」
私は言われた通りにタバコを加えた。アスマ先生も自分のタバコを加えると火をつけ、私のタバコに近づけていく。もう少しで触れようとした時……
「何やってるの?」
まわりの温度が一気に下がるような冷たい声が聞こえた。
「カカシ……」
アスマ先生は思わずタバコを落とす。私もいきなりのカカシ先生に目を見開く。
「先生どうして……」
「聞きたいのはこっちなんだけど」
笑ってはいるけど、目が笑ってない。これはやばい。カカシ先生が怒ってる。
「あのね! 私がアスマ先生にお願いしたの。タバコを吸ってみたくて……」
「何でアスマなの?」
「タバコ屋で偶然会ったの、だから……」
「でもだからって何でシガーキス? そもそも何で吸いたくなったの?」
カカシ先生の質問は止まらない。
「まぁ、落ち着けカカシ。サクラだってそういうのに興味を持つ年頃なんじゃないか」
アスマ先生が見かねてフォローを入れてくれたが、「お前には関係ない」と一刀両断されていた。
「で、どうして?」
カカシ先生の視線が痛い。これはもう白状するしかないか。
「……だってカカシ先生とシガーキスしてみたかったんだもん」
「でも、今はアスマとしようとしてただろう」
「先生とは上手になってからしたかったの! 紅先生の時みたいに!」
「紅か……」
カカシ先生とアスマ先生は、“なるほどな”という顔をする。
「だからって……」
カカシ先生が呆れたような顔をしたため、私はそれにカチンときた。
「別にいいじゃない。本当にキスしてるわけじゃないし。それにカカシ先生だって紅先生とよくしてるじゃない!」
「あのね〜、サクラはダメなの」
「どうしてよ!」
「俺が嫌なの。それにサクラが嫌なら俺も他の人としないよ」
カカシ先生は私に言い聞かせるように語りかける。アスマ先生は「……とりあえず大丈夫そうだな。あとは2人で仲良くやってくれ」と去っていった。
「ねっ?」
「……でも、してみたい」
「どうしても?」
「うん」
「……分かった。俺がしてあげる」
「でも、私たぶん下手だよ」
「俺がリードするから大丈夫」
先生に促され、タバコを口に加える。先生も同じように加えると、自分の方に火をつける。
そして、私は念願のシガーキスをした。
カカシ先生はくっついていたタバコを離し、煙を吐く。かっこいいな〜。
私も真似しようとしたが、むせてしまった。涙目になってると、「大丈夫?」と先生が気遣ってくれた。
「なんとか……」
「サクラにはまだ早かったね〜」
「もうっ! うるさ……」
文句を言おうとしている最中にいきなり口を塞がれ、舌を入れられる。そして、口内を蹂躙されたかと思うと、ようやく唇が離れた。
「俺はシガーキスよりこっちのキスがいいな」
私は突然の先生の行動についていけないでいた。
「あはは、サクラ顔真っ赤」
「誰のせいよ!」
私は先生に顔を見られたくなくて背を向ける。
「俺のせいだね〜」
先生はニコニコと笑いながら、私に覆い被さってくる。
「満足した?」
「……まぁね」
「それは良かった。それじゃあ」
そう言って先生は私のタバコを取り上げる。
「まだ残ってるのに!」
「もう必要ないでしょ」
「そうだけど」
「だったらいいじゃない。あと、アスマや他の男じゃなく、これからは俺を頼ること。いいね?」
「……分かったわ」
「ならよし」
「案外先生って嫉妬深いわよねー」
「そうだよー、俺は嫉妬深いよ。サクラを監禁したいぐらいにはね」
「……冗談よね?」
「どうだろう?」
「まぁ、私も先生を独り占めしたいと思ってるからお互い様ね」
そう言うと先生が幸せそうに笑った。
私は嬉しくなって、先生の頬にキスをした。
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