NARUTO/カカサク 短編①
The Fox/Ylvis(イルヴィス)
いま木ノ葉で流行りの“きつねダンス”。
なぜか病院の会でそれを女性スタッフたちが披露することになった。
チアリーダー風の衣装に、きつね耳と尻尾。
昔だったら喜んで着たけど、大人になった今は恥ずかしさが勝つ。
それに……彼氏のカカシ先生にバレたら絶対大変なことになる。なんとかして隠し通さねば。
当日、病院の更衣室で衣装を着てみると、思ったより可愛くてテンションが上がる。
「けっこういいんじゃない。私もまだいけるかも……」
鏡でポーズを取ってると、ドアの外から「サクラさーん、準備できましたか?」と声を掛けられる。
私以外のスタッフは準備が済んだみたいだ。
「あと少しで行けるわ」
「分かりました。先に行ってますね」
私は鏡の前で最終チェックをする。
そして、いざ出ようとすると急に寒気がしてきた。
「あれ、いま夏なのに……」
それに後ろに気配を感じる。この気配はもしかして……。
「サークラ」
良く知った低い声が私の名前を呼ぶ。
この声色は怒ってる。
私は恐ろしさで後ろを振り向けない。
「サークラ」
今度はより低く、私の名前を呼ぶ。
私は諦めて、ゆっくりと振り向く。
予想した通り、そこには満面の笑みを浮かべるカカシ先生がいた。
だが、身にまとっているのは冷たい空気だ。
私の顔も引き攣る。
「ねぇ、サクラ。その格好はなにかな?」
「え~と、病院の会で“きつねダンス”をやることになって……。みんな強制参加なのよ」
「俺、聞いてないけど」
「ごめんなさい、言うのを忘れてたの」
「ふーん。それにしてもスカート短いね。お腹も出てるし」
そう言って、先生はスカートの中に手を入れてくる。
「こういう衣装なの。それより、中に手を入れるのはやめて」
私は先生の手を止めようとするが、先生は構わず撫でまわす。
「ねぇ、本当にこの格好でみんなの前に出ようとしたの?」
「仕方ないじゃない。みんなやるのに私だけやらないわけにはいかないの」
「へぇ〜。……ねぇ、サクラ?」
「……なに?」
「きつねダンスの曲って“キツネはなんて鳴くんだ?”っていう意味を込めた曲なんだって」
「……そうなのね」
先生の言っている意味が分からない。
嫌な予感しかせず、私の顔には冷や汗が流れる。先生は怪しく笑う。
「サクラはなんて鳴くんだろうね? いや、俺はもう熟知してるんだけど、他の鳴き声も知りたいなって。だから、今からいろいろ試そうかと思うんだけど……」
「……なにを?」
「またまたー。サクラも分かってるくせに。昨日もいい声で鳴いてたじゃない。俺のベッドの上で」
私の冷や汗が止まらない。どうしよう、逃げたい。
このままだと確実にやばい。先生の家に連れていかれて、ベッドで一晩中いろいろ試されるに違いない。
「あの、先生。私そろそろ行かなきゃ。その話はまた今度で……」
私は逃げようとするが、先生はそれを阻止し、私を肩にかつぐ。
「大丈夫。みんなにはサクラが体調崩したって伝えておくから」
「えっ、ちょっと、待ってー!!」
そう言って先生はすごいスピードで家に向かう。
そして、私は思う存分先生に鳴かされたのだった。
いま木ノ葉で流行りの“きつねダンス”。
なぜか病院の会でそれを女性スタッフたちが披露することになった。
チアリーダー風の衣装に、きつね耳と尻尾。
昔だったら喜んで着たけど、大人になった今は恥ずかしさが勝つ。
それに……彼氏のカカシ先生にバレたら絶対大変なことになる。なんとかして隠し通さねば。
当日、病院の更衣室で衣装を着てみると、思ったより可愛くてテンションが上がる。
「けっこういいんじゃない。私もまだいけるかも……」
鏡でポーズを取ってると、ドアの外から「サクラさーん、準備できましたか?」と声を掛けられる。
私以外のスタッフは準備が済んだみたいだ。
「あと少しで行けるわ」
「分かりました。先に行ってますね」
私は鏡の前で最終チェックをする。
そして、いざ出ようとすると急に寒気がしてきた。
「あれ、いま夏なのに……」
それに後ろに気配を感じる。この気配はもしかして……。
「サークラ」
良く知った低い声が私の名前を呼ぶ。
この声色は怒ってる。
私は恐ろしさで後ろを振り向けない。
「サークラ」
今度はより低く、私の名前を呼ぶ。
私は諦めて、ゆっくりと振り向く。
予想した通り、そこには満面の笑みを浮かべるカカシ先生がいた。
だが、身にまとっているのは冷たい空気だ。
私の顔も引き攣る。
「ねぇ、サクラ。その格好はなにかな?」
「え~と、病院の会で“きつねダンス”をやることになって……。みんな強制参加なのよ」
「俺、聞いてないけど」
「ごめんなさい、言うのを忘れてたの」
「ふーん。それにしてもスカート短いね。お腹も出てるし」
そう言って、先生はスカートの中に手を入れてくる。
「こういう衣装なの。それより、中に手を入れるのはやめて」
私は先生の手を止めようとするが、先生は構わず撫でまわす。
「ねぇ、本当にこの格好でみんなの前に出ようとしたの?」
「仕方ないじゃない。みんなやるのに私だけやらないわけにはいかないの」
「へぇ〜。……ねぇ、サクラ?」
「……なに?」
「きつねダンスの曲って“キツネはなんて鳴くんだ?”っていう意味を込めた曲なんだって」
「……そうなのね」
先生の言っている意味が分からない。
嫌な予感しかせず、私の顔には冷や汗が流れる。先生は怪しく笑う。
「サクラはなんて鳴くんだろうね? いや、俺はもう熟知してるんだけど、他の鳴き声も知りたいなって。だから、今からいろいろ試そうかと思うんだけど……」
「……なにを?」
「またまたー。サクラも分かってるくせに。昨日もいい声で鳴いてたじゃない。俺のベッドの上で」
私の冷や汗が止まらない。どうしよう、逃げたい。
このままだと確実にやばい。先生の家に連れていかれて、ベッドで一晩中いろいろ試されるに違いない。
「あの、先生。私そろそろ行かなきゃ。その話はまた今度で……」
私は逃げようとするが、先生はそれを阻止し、私を肩にかつぐ。
「大丈夫。みんなにはサクラが体調崩したって伝えておくから」
「えっ、ちょっと、待ってー!!」
そう言って先生はすごいスピードで家に向かう。
そして、私は思う存分先生に鳴かされたのだった。
83/100ページ