NARUTO/カカサク 短編①
ウォーアイニー/高橋瞳×BEAT CRUSADERS
今日の任務は普段とは違く、チャイナ風衣装での任務。
さらに、ヒナタも一緒なのだ。新鮮な任務で私の気分は上がる。
私は着たばかりの衣装を見せるため、更衣室から出る。
「見て見て~! この衣装可愛いでしょ?」
私は衣装を見せるように、くるりと1回転する。
「サクラちゃん、すっげぇ可愛い! よく似合ってるってばよ」
「……いいんじゃないか」
「う~ん、お腹出すぎじゃない?」
ナルトやサスケくんが褒めてくれる中、先生は渋い顔をする。
「もうっ! このぐらい普通よ。それより先生にだけは言われたくないわ!」
私の衣装もヘソ出しだが、先生の衣装もなんとへそ出しなのだ。
「俺だって着たくなかったけど、依頼人からの頼みじゃ仕方ないでしょ」
「そうだけど……ある意味目に毒だわ。それよりもっと他に言うことないの?」
「えっ、何が?」
「……もういいわ。それよりヒナタもこっちに来なさい」
「でも……」
私はヒナタの手を引っ張り、ナルト達の前に引きずり出す。
「ヒナタもめっちゃ可愛いってばよ!」
「……悪くないんじゃないか」
「うんうん、可愛いね~」
私は自分のこめかみがぴくっとするのが分かった。
確かにヒナタは可愛い。それは私も充分分かってる。
でも、カカシ先生、ヒナタには可愛いって言って、私には言ってくれないなんて……。
私、一応彼女だよね? なんだかモヤモヤする。
「サクラちゃん、どうしたの?」
「ううん、何でもないわ」
表情に出ていたのか、ヒナタが心配そうに私を見てくる。
いけない、嫉妬なんてみっともないわ。
私はなんとか気持ちを切り替えて、任務に臨む。
そしてその後も先生が私に可愛いって言ってくれることはなかった。
任務も無事終わり、私達は元の服装に着替える。
日はすっかり暮れていた。
「お前達、お疲れさま。ヒナタもありがとな。よし! 今日の晩飯は俺の奢りだ。お前ら好きなもの頼んでいいぞー」
「やったー! カカシ先生、見直したってばよ!」
「ありがとうございます」
「……仕方ないから、行ってやる」
「私は帰るわ」
「えっ!?」と4人が私を見る。
「ごめんなさい、今日は早く帰ってきてって親に言われてるの。4人で楽しんできて」
私は足早にその場を去った。
あのモヤモヤが胸の中から消えないのだ。
この状態じゃあ楽しむどころか、みんなにあたってしまう。
それだけは嫌だった。
私は家に帰ると、すぐに布団に潜る。
お母さんが何か言っていたが、それは無視した。
たぶん本当に先生は何気なく口に出しただけで、他意はないのは分かってる。
それでもお世辞でもいいから、私にも可愛いって言ってほしかった。
私は枕を涙で濡らす。
そして、そのまま眠りについた。
誰かに頭を撫でられている。
なんだろう、とても安心する。
うっすらと目を開けると、カカシ先生がいた。
「カカシ先生? 何でここにいるの?」
「ごめん、窓から勝手に入ってきちゃった。サクラの様子が気になってね」
「そう……私なら平気よ」
「うそ、目が腫れてるよ」
そう言って先生は私の目元を優しく撫でる。
「別に目にゴミが入っただけよ」
「サクラ」
カカシ先生は少し強い口調で私の名を呼ぶ。
「本当に何でもないから」
私は目を逸らし、口を結ぶ。
言わない。言えない。
カカシ先生に可愛いって言ってもらえなかったから拗ねてるなんて。
絶対に呆れられる。
「サクラは頑固だね」
カカシ先生がため息をつくのが分かった。
それを聞いた私は頭に血が上った。
「そうよ、私がそういう性格なのは知ってるでしょ? めんどくさくなった? ヒナタみたいに聞き分けが良くて、可愛い子の方がいいんじゃない?」
「何でそこでヒナタが出てくるのよ」
「だってヒナタには可愛いって言って、私には言ってくれなかった!!」
先生の目が見開く。
あっ……思わず言ってしまった。
どうしよう……私は顔を上げることができず、途方にくれていた。
カカシ先生は再びため息をつく。
もうだめだ、絶対に呆れられた。
無言の時間が続く。
その空気に耐えられなくなり、意を決して顔を上げようとした瞬間、先生に優しく抱きしめられた。
「えっ、先生。どうして……」
「良かった。てっきり俺が何かして嫌われたかと思った」
先生はほっとしたように呟く。
「先生、私のこと呆れたんじゃないの?」
「何で呆れるのよ」
「だって、こんな女めんどくさくない?」
「うーん、確かにね」
「やっぱり」
「ちょっと、誤解しないで。確かにめんどくさい女は嫌いだけど、サクラは別。サクラだけだよ、めんどくさいところも可愛いなって思っちゃうのは」
「本当に?」
「うん。今日だってすごく可愛かったよ。でも、お腹出してるし、ナルトやサスケはそれを食い入るように見てるから、褒めるより先に小言が出ちゃった。ごめんね」
「本当に可愛かった?」
「うん、サクラが1番可愛かった」
「……先生も1番かっこよかったよ」
そして、私達はキスをした。
もちろん私のモヤモヤはすっかり晴れた。
今日の任務は普段とは違く、チャイナ風衣装での任務。
さらに、ヒナタも一緒なのだ。新鮮な任務で私の気分は上がる。
私は着たばかりの衣装を見せるため、更衣室から出る。
「見て見て~! この衣装可愛いでしょ?」
私は衣装を見せるように、くるりと1回転する。
「サクラちゃん、すっげぇ可愛い! よく似合ってるってばよ」
「……いいんじゃないか」
「う~ん、お腹出すぎじゃない?」
ナルトやサスケくんが褒めてくれる中、先生は渋い顔をする。
「もうっ! このぐらい普通よ。それより先生にだけは言われたくないわ!」
私の衣装もヘソ出しだが、先生の衣装もなんとへそ出しなのだ。
「俺だって着たくなかったけど、依頼人からの頼みじゃ仕方ないでしょ」
「そうだけど……ある意味目に毒だわ。それよりもっと他に言うことないの?」
「えっ、何が?」
「……もういいわ。それよりヒナタもこっちに来なさい」
「でも……」
私はヒナタの手を引っ張り、ナルト達の前に引きずり出す。
「ヒナタもめっちゃ可愛いってばよ!」
「……悪くないんじゃないか」
「うんうん、可愛いね~」
私は自分のこめかみがぴくっとするのが分かった。
確かにヒナタは可愛い。それは私も充分分かってる。
でも、カカシ先生、ヒナタには可愛いって言って、私には言ってくれないなんて……。
私、一応彼女だよね? なんだかモヤモヤする。
「サクラちゃん、どうしたの?」
「ううん、何でもないわ」
表情に出ていたのか、ヒナタが心配そうに私を見てくる。
いけない、嫉妬なんてみっともないわ。
私はなんとか気持ちを切り替えて、任務に臨む。
そしてその後も先生が私に可愛いって言ってくれることはなかった。
任務も無事終わり、私達は元の服装に着替える。
日はすっかり暮れていた。
「お前達、お疲れさま。ヒナタもありがとな。よし! 今日の晩飯は俺の奢りだ。お前ら好きなもの頼んでいいぞー」
「やったー! カカシ先生、見直したってばよ!」
「ありがとうございます」
「……仕方ないから、行ってやる」
「私は帰るわ」
「えっ!?」と4人が私を見る。
「ごめんなさい、今日は早く帰ってきてって親に言われてるの。4人で楽しんできて」
私は足早にその場を去った。
あのモヤモヤが胸の中から消えないのだ。
この状態じゃあ楽しむどころか、みんなにあたってしまう。
それだけは嫌だった。
私は家に帰ると、すぐに布団に潜る。
お母さんが何か言っていたが、それは無視した。
たぶん本当に先生は何気なく口に出しただけで、他意はないのは分かってる。
それでもお世辞でもいいから、私にも可愛いって言ってほしかった。
私は枕を涙で濡らす。
そして、そのまま眠りについた。
誰かに頭を撫でられている。
なんだろう、とても安心する。
うっすらと目を開けると、カカシ先生がいた。
「カカシ先生? 何でここにいるの?」
「ごめん、窓から勝手に入ってきちゃった。サクラの様子が気になってね」
「そう……私なら平気よ」
「うそ、目が腫れてるよ」
そう言って先生は私の目元を優しく撫でる。
「別に目にゴミが入っただけよ」
「サクラ」
カカシ先生は少し強い口調で私の名を呼ぶ。
「本当に何でもないから」
私は目を逸らし、口を結ぶ。
言わない。言えない。
カカシ先生に可愛いって言ってもらえなかったから拗ねてるなんて。
絶対に呆れられる。
「サクラは頑固だね」
カカシ先生がため息をつくのが分かった。
それを聞いた私は頭に血が上った。
「そうよ、私がそういう性格なのは知ってるでしょ? めんどくさくなった? ヒナタみたいに聞き分けが良くて、可愛い子の方がいいんじゃない?」
「何でそこでヒナタが出てくるのよ」
「だってヒナタには可愛いって言って、私には言ってくれなかった!!」
先生の目が見開く。
あっ……思わず言ってしまった。
どうしよう……私は顔を上げることができず、途方にくれていた。
カカシ先生は再びため息をつく。
もうだめだ、絶対に呆れられた。
無言の時間が続く。
その空気に耐えられなくなり、意を決して顔を上げようとした瞬間、先生に優しく抱きしめられた。
「えっ、先生。どうして……」
「良かった。てっきり俺が何かして嫌われたかと思った」
先生はほっとしたように呟く。
「先生、私のこと呆れたんじゃないの?」
「何で呆れるのよ」
「だって、こんな女めんどくさくない?」
「うーん、確かにね」
「やっぱり」
「ちょっと、誤解しないで。確かにめんどくさい女は嫌いだけど、サクラは別。サクラだけだよ、めんどくさいところも可愛いなって思っちゃうのは」
「本当に?」
「うん。今日だってすごく可愛かったよ。でも、お腹出してるし、ナルトやサスケはそれを食い入るように見てるから、褒めるより先に小言が出ちゃった。ごめんね」
「本当に可愛かった?」
「うん、サクラが1番可愛かった」
「……先生も1番かっこよかったよ」
そして、私達はキスをした。
もちろん私のモヤモヤはすっかり晴れた。
87/100ページ