NARUTO/カカサク 短編①
believe/Kalafina
俺の手は汚れている。
たくさんの命を奪ってきた。
大切な仲間の命でさえも……。
「せ~んせい! どうしたの、ぼーっとして」
サクラの声で我にかえる。
どうやら七班での任務中、思い耽ってしまったようだ。
「サクラ……俺ってどう見える?」
「いきなり何よ。どうって言われても……う~ん」
サクラは顎に手をあてて考えている。
「マイペースで遅刻魔でしょ、何考えてるか分からないし怪しくて……あとは、イチャパラ読むハレンチな大人」
「あはは」
俺は苦笑いすることしかできない。
「でもね、いざやるってときはきちんとやるし、すごく優しい。あとは、案外不器用な人かな。手先じゃなくて、性格の方ね。だからなのかしら、なんだかほっとけないのよね〜。そして、私達の尊敬する、大好きな自慢の先生よ!」
「でもそれって本当の俺かな?」
「どういう意味?」
「実際の俺はたくさんの人を殺してきている冷酷な冷たいやつかもしれないよ」
サクラはキョトンとしている。
「だから、サクラが思ってるようなやつじゃないんだよ、俺は」
「馬鹿ね、先生は先生よ。昔の先生を私は知らないけど……私は私の知ってる先生を信じてる。もし先生が自分が分からないって言うなら、私が何度でも教えてあげる。だから安心して」
そう言ったサクラの笑顔が眩しくて思わず目を細める。
「・・・・・・サクラ、手を出して?」
「何で?」
「いいから」
サクラは言われた通りに左手を出す。
俺はその手をじっと見る。色白で、小さい手だな。
その手を取り、自分の右頬に寄せ目を閉じる。柔らかくて、温かい。
「ちょっと、先生」
サクラは戸惑い、手を離そうとするが俺はそれを阻止する。
「お願いだから、もう少しこのままにさせて」
「もうっ、仕方ないわね」
まだ汚れを知らないこの小さい手は、これから色んなことを経験し、変わっていくだろう。
それでも俺はこの手を出来る限り綺麗なままにしてあげたい。
「血に染まったサクラの手なんか見たくないからね」
「先生……」
俺は目を開け、手を離す。
「ありがとね、サクラ」
「変な先生。それよりもう作業が終わって、みんな待ってるわよ」
そう言って再び手を差し出す。
俺はその手を取って、サクラと共にナルトやサスケの所へ向かう。
俺の手は汚れている。これからも多くの命を奪うだろう。
だけど、この小さな手だけは守りたい。守り抜いてみせる。
いつかこの命が終わるその時まで。
俺の手は汚れている。
たくさんの命を奪ってきた。
大切な仲間の命でさえも……。
「せ~んせい! どうしたの、ぼーっとして」
サクラの声で我にかえる。
どうやら七班での任務中、思い耽ってしまったようだ。
「サクラ……俺ってどう見える?」
「いきなり何よ。どうって言われても……う~ん」
サクラは顎に手をあてて考えている。
「マイペースで遅刻魔でしょ、何考えてるか分からないし怪しくて……あとは、イチャパラ読むハレンチな大人」
「あはは」
俺は苦笑いすることしかできない。
「でもね、いざやるってときはきちんとやるし、すごく優しい。あとは、案外不器用な人かな。手先じゃなくて、性格の方ね。だからなのかしら、なんだかほっとけないのよね〜。そして、私達の尊敬する、大好きな自慢の先生よ!」
「でもそれって本当の俺かな?」
「どういう意味?」
「実際の俺はたくさんの人を殺してきている冷酷な冷たいやつかもしれないよ」
サクラはキョトンとしている。
「だから、サクラが思ってるようなやつじゃないんだよ、俺は」
「馬鹿ね、先生は先生よ。昔の先生を私は知らないけど……私は私の知ってる先生を信じてる。もし先生が自分が分からないって言うなら、私が何度でも教えてあげる。だから安心して」
そう言ったサクラの笑顔が眩しくて思わず目を細める。
「・・・・・・サクラ、手を出して?」
「何で?」
「いいから」
サクラは言われた通りに左手を出す。
俺はその手をじっと見る。色白で、小さい手だな。
その手を取り、自分の右頬に寄せ目を閉じる。柔らかくて、温かい。
「ちょっと、先生」
サクラは戸惑い、手を離そうとするが俺はそれを阻止する。
「お願いだから、もう少しこのままにさせて」
「もうっ、仕方ないわね」
まだ汚れを知らないこの小さい手は、これから色んなことを経験し、変わっていくだろう。
それでも俺はこの手を出来る限り綺麗なままにしてあげたい。
「血に染まったサクラの手なんか見たくないからね」
「先生……」
俺は目を開け、手を離す。
「ありがとね、サクラ」
「変な先生。それよりもう作業が終わって、みんな待ってるわよ」
そう言って再び手を差し出す。
俺はその手を取って、サクラと共にナルトやサスケの所へ向かう。
俺の手は汚れている。これからも多くの命を奪うだろう。
だけど、この小さな手だけは守りたい。守り抜いてみせる。
いつかこの命が終わるその時まで。
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