NARUTO/カカサク 短編①
DISCOTHEQUE/水樹奈々
「ねぇ、先生。こっちの服とさっきの服どっちがいい?」
「うーん、こっちかな」
「分かった。じゃあ、こっちのアクセサリーとあっちのアクセサリー、どっちがいい?」
「あっちかな」
「分かった」
そう言ってサクラは俺が選んだ方のやつをかごに入れていく。
久しぶりの休日。
なぜか俺はサクラの買い物に付き合っていた。もちろんそんな関係ではない。
サクラ曰く「今度デートするから、その時に着る服選びに付き合ってほしい」だそうだ。どうせサスケだろう。
モヤモヤする。何で俺が他人の男のために選ばなきゃいけない。サクラが俺のためというならいくらでも選ぶのに。断ろうとしたが、サクラのおねだり顔には勝てなかった。
「ねぇ、先生。先生は髪下ろしてるのと、結んでるのどっちがいい?」
「髪下ろしてる方がいいかな。・・・・・・ねぇ、サクラ」
「なに?」
「何で俺に聞くの?」
「何でって、そのために付き合ってもらったんだから当たり前じゃない」
「サスケに聞いた方がいいんじゃない?」
「何でサスケくん?」
「何でって・・・・・・」
「それより、先生! 可愛い方と、綺麗な方。どっちが好き?」
「うーん、どっちかっていうと綺麗な方かなー」
「なるほどねー」
こうしてサクラの買い物は続いていく。
ひと通り終わり、俺たちは休憩するために甘味屋に入った。
「今日はありがとうね、先生」
「どういたしまして。でも、良かったの? ほとんど俺の意見だったけど」
「これでいいのよ」
「ふ〜ん」
一日慣れないことにずっと付き合わされ、喉がかわいていたのか、お茶を一気飲みする。
そして、店員を呼びお茶のお代わりをもらう。
「まぁ、でも上手くいくといいね」
「そうね。まずはデートに誘わなきゃ」
「まだ誘ってなかったの!?」
「そうよ。これからよ」
俺は呆然とした。てっきりもう約束してるのかと...。まぁ、あのサスケだ。中々一筋縄ではいかないだろう。
なんだろう、少しホッとした。
「それでね、先生。今度の日曜日って空いてる?」
「? うん。任務はないけど...」
「じゃあ、私とデートしない?」
「いいよ・・・・・・って、俺と!?」
俺は思わず口に含んだお茶を吹き出しそうになり、必死にひっこめる。
「ちょっと!? 大丈夫?」
サクラはおしぼりを渡してくれて、俺はそれを受け取る。
「えっと、ちょっと一回整理させて。デートの相手は俺でいいのか?」
「だから、そう言ってるじゃない」
「もしかして、デートの練習とか?」
「そんなわけないじゃない。ちゃんとしたデートよ、デート」
「サスケじゃなくていいのか?」
「だから、何でそこでサスケくんが出てくるのよ」
「でも...」
「あー、もうっ! 私は先生とデートしたいの! 今日だって、先生の好みの女性になりたくて、買い物に付き合ってもらったの!」
サクラは真っ赤な顔でこっちを見る。
俺は驚いていた。まさか今日のことぜんぶ、俺のためだったなんて。
やばい、嬉しくて顔がにやけそうだ。
まぁ、マスクで分からないだろうが。
「で! デートするの! しないの! どっち!?」
不安なのか、サクラの体は少し震えている。
「するよ、デート」
「本当に?」
「本当本当。でも、今日だって実質デートみたいなものでしょ」
「そうだけど...。でも、ちゃんと先生の好みの格好でデートしたかったの」
「俺の好みは確かに今日選んだやつだけど...。俺は好きな人ならどんな格好してても嬉しいけどね」
「好きな人? 先生、好きな人いるの?」
「うん、気づいたのは今だけど」
「えっ?」
「好きだよ、サクラ」
「えっ、えっ・・・・・・」
混乱しているのだろう、サクラは顔を真っ赤にして戸惑っている。
「サクラはどうなの...?」
「どうなのって・・・・・・」
「何で俺とデートしたいの?」
「私は...私も先生のことが好き。だから、先生とデートしたい」
「よくできました!」
俺はサクラのおでこにキスをする。
「えっ! ちょっと先生!?」
あたふたするサクラを見て、俺は顔を綻ばせる。
まさに急転直下。
俺もデート、いやサクラのために服を買いに行こう。
そう心に決めたのだった。
「ねぇ、先生。こっちの服とさっきの服どっちがいい?」
「うーん、こっちかな」
「分かった。じゃあ、こっちのアクセサリーとあっちのアクセサリー、どっちがいい?」
「あっちかな」
「分かった」
そう言ってサクラは俺が選んだ方のやつをかごに入れていく。
久しぶりの休日。
なぜか俺はサクラの買い物に付き合っていた。もちろんそんな関係ではない。
サクラ曰く「今度デートするから、その時に着る服選びに付き合ってほしい」だそうだ。どうせサスケだろう。
モヤモヤする。何で俺が他人の男のために選ばなきゃいけない。サクラが俺のためというならいくらでも選ぶのに。断ろうとしたが、サクラのおねだり顔には勝てなかった。
「ねぇ、先生。先生は髪下ろしてるのと、結んでるのどっちがいい?」
「髪下ろしてる方がいいかな。・・・・・・ねぇ、サクラ」
「なに?」
「何で俺に聞くの?」
「何でって、そのために付き合ってもらったんだから当たり前じゃない」
「サスケに聞いた方がいいんじゃない?」
「何でサスケくん?」
「何でって・・・・・・」
「それより、先生! 可愛い方と、綺麗な方。どっちが好き?」
「うーん、どっちかっていうと綺麗な方かなー」
「なるほどねー」
こうしてサクラの買い物は続いていく。
ひと通り終わり、俺たちは休憩するために甘味屋に入った。
「今日はありがとうね、先生」
「どういたしまして。でも、良かったの? ほとんど俺の意見だったけど」
「これでいいのよ」
「ふ〜ん」
一日慣れないことにずっと付き合わされ、喉がかわいていたのか、お茶を一気飲みする。
そして、店員を呼びお茶のお代わりをもらう。
「まぁ、でも上手くいくといいね」
「そうね。まずはデートに誘わなきゃ」
「まだ誘ってなかったの!?」
「そうよ。これからよ」
俺は呆然とした。てっきりもう約束してるのかと...。まぁ、あのサスケだ。中々一筋縄ではいかないだろう。
なんだろう、少しホッとした。
「それでね、先生。今度の日曜日って空いてる?」
「? うん。任務はないけど...」
「じゃあ、私とデートしない?」
「いいよ・・・・・・って、俺と!?」
俺は思わず口に含んだお茶を吹き出しそうになり、必死にひっこめる。
「ちょっと!? 大丈夫?」
サクラはおしぼりを渡してくれて、俺はそれを受け取る。
「えっと、ちょっと一回整理させて。デートの相手は俺でいいのか?」
「だから、そう言ってるじゃない」
「もしかして、デートの練習とか?」
「そんなわけないじゃない。ちゃんとしたデートよ、デート」
「サスケじゃなくていいのか?」
「だから、何でそこでサスケくんが出てくるのよ」
「でも...」
「あー、もうっ! 私は先生とデートしたいの! 今日だって、先生の好みの女性になりたくて、買い物に付き合ってもらったの!」
サクラは真っ赤な顔でこっちを見る。
俺は驚いていた。まさか今日のことぜんぶ、俺のためだったなんて。
やばい、嬉しくて顔がにやけそうだ。
まぁ、マスクで分からないだろうが。
「で! デートするの! しないの! どっち!?」
不安なのか、サクラの体は少し震えている。
「するよ、デート」
「本当に?」
「本当本当。でも、今日だって実質デートみたいなものでしょ」
「そうだけど...。でも、ちゃんと先生の好みの格好でデートしたかったの」
「俺の好みは確かに今日選んだやつだけど...。俺は好きな人ならどんな格好してても嬉しいけどね」
「好きな人? 先生、好きな人いるの?」
「うん、気づいたのは今だけど」
「えっ?」
「好きだよ、サクラ」
「えっ、えっ・・・・・・」
混乱しているのだろう、サクラは顔を真っ赤にして戸惑っている。
「サクラはどうなの...?」
「どうなのって・・・・・・」
「何で俺とデートしたいの?」
「私は...私も先生のことが好き。だから、先生とデートしたい」
「よくできました!」
俺はサクラのおでこにキスをする。
「えっ! ちょっと先生!?」
あたふたするサクラを見て、俺は顔を綻ばせる。
まさに急転直下。
俺もデート、いやサクラのために服を買いに行こう。
そう心に決めたのだった。
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