2部
夢小説設定
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エシディシと夢主は睨み合っていた。
その横にはカーズ、ワムウ、サンタナが二人の様子を傍観している。睨み合っている原因はエシディシが夢主の好物である果物を横取りしたからだった。食べ物の恨みは怖い、と未来の人間は言うが的を得ている。
「許さない」
「お前に許してもらわなくても良いんだよ」
「なんで…」
夢主は頭に血が昇りすぎて顔が真っ赤になり口は震えていた。普段の彼女は冷静で感情を表に出さない女性だ。それが今は全身で怒りを露にしている。
「下らない事で喧嘩をするな」
カーズが言った発言に夢主は眉間にシワを寄せてカーズを睨み付ける。ワムウとサンタナはこの耐え難い空気に黙ったままだった。
「エシディシが謝るなら許すよ…でも謝らないのならば殺す」
「ほほう、殺れるものならやってみろ!」
瞬間、夢主はエシディシに頭突きを食らわせた。エシディシは仰け反り痛む額を押さえる。
「なぁにするんだぁ!! このッ」
エシディシは彼女に向かって回し蹴りを食らわせるが足を受け止めた夢主はそのまま脛に噛み付いた。
「いでででででッ」
「ユルサナイ」
「分かった! 分かったから、噛み付くのはやめろ」
「何が分かったの?」
「謝れば良いんだろう…すまなかった」
夢主はエシディシの顔を見た後にもう一度噛み付いた。
「いでででででッ離せッ」
足をぶんぶんと振り回すが彼女は口を離さなかった。凄い執念を感じさせる行為だった。
「カーズ様…私が果物を取ってきます…」
ワムウはカーズに言うが『放っておけ』と呆れた顔をしている。
「いい加減にしろ!」
エシディシは彼女の首根っこを掴んで持ち上げる。
「果物の恨み、許すまじ…」
「お前の執念深さに驚かされた…あの果物を取ってくるから許してくれ」
「…最初からそう言えば良いんだよ、エシディシ」
エシディシと夢主の2人は何事も無かったかの様に森へ果物を取りに向かって行った。
「…」
「…」
「…呆れるな」
カーズの発言にワムウとサンタナは首を縦に降る。