5部
夢小説設定
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イタリア旅行に来た夢主は崖っぷちに立っていた。どういう事かと簡単に説明すると、路地裏で暴行現場を目撃してしまい暴行を加えていた男から追いかけられていた。走って、走って、走ったが追いかけてくる男に恐怖でいっぱいだった。たまに後ろを振り返って走っていたので通行人にぶつかってしまった。
「いってぇなぁー」
「すすすすいません。いま追われてるので失礼します」
そう言って夢主が通行人の横を通りすぎようとした時に腕を捕まれた。坊主頭の厳ついお兄さんが睨んでいた。
「離してください! お願いします。立ち止まったら殺されるんですよ」
「あぁ? 誰に殺されるんだ?」
「ほら、あの走ってくる人に私、殺されちゃう!」
「しょうがねーなぁ~~~~」
坊主頭のお兄さんは走ってくる男へと蹴りを食らわせた。男は衝撃で転んだが、こちらを見て睨んでいた。
「おい、女を追いかけ回すんじゃあねーよ」
「うるせぇ! 関係ない野郎はどっかへ行けっ」
男がお兄さんにそう言った瞬間、お兄さんは男の頭を踏みつけていた。その後も何度か踏みつけていると男は鼻血を吹き出して意識を飛ばしていた。
「神様! ありがとうございます」
「誰が神様だ。お前ぶつかった責任は取ってもらうぜ」
「お酒でもどうですか? 奢りますよ」
「話が早い女で良かった」
ホルマジオと名乗った坊主頭のお兄さんと夢主は近くのバールへと入った。
「夢主は酒に強いんだな」
「そんな事は無いですよ。ただ人より酔うのが遅いんです」
「それが酒に強いって事だろう?」
「まぁそうですね。ホルマジオさんも強いじゃあないですか」
「飲みなれてるからな」
他愛もない会話をしながら、お酒を飲む。夢主は段々と酔いが回ってきたのを感じてお酒のペースを落とす。だがホルマジオはどんどん飲むので見とれていた。
「俺に惚れたか?」
「な、何を言ってるんですか!?」
夢主は顔を真っ赤にしてホルマジオに言い返すが効果はない。
「からかっただけだ」
「そうですかっ! 今度からかったら怒りますよ」
「おー怖い怖い」
結局ホルマジオと夢主は酔い潰れるまで飲んだ。バールを出た頃にはフラフラとしており2人は支え合いながら歩く。
「夢主~っ」
「なんですかぁ~?」
「家へ来るか?」
「いいですよぉ~」
薄暗い部屋で起きた夢主は、今の状況を飲み込むのに数分かかった。だが昨晩ホルマジオと酔い潰れるまで飲んで、ホルマジオの家に来たことを思い出した。瞬間、顔が真っ赤に沸騰する。自分の隣に目を向けることが出来ない。
とにかく落ち着くために起き上がろうとしたが、お腹の部分に腕が回されて阻止される。
「お、起きたんですか? おはようございます、さようなら」
「あ? 逃げる気か?」
「さようなら」
「そうはさせねーよ、俺から逃げられると思うなよ」
その言葉とホルマジオの目を見た時に夢主は深く後悔したが、もう手遅れだった。その後、夢主がどうなったかは分からない。