※平和な世界線、名前変換あり



　暗殺チームのアジトにて、会議が行われていた。重々しい空気の中、メンバー達はお互いに睨み付けては無言の威嚇をしていた。

　「それで…夢主のプリンを食べた奴は誰だ？」

　夢主とは暗殺チーム唯一の女性であり、入ったばかりの新人だった。ドジな面があり他のメンバー達に可愛がられていた。

　「正直に言えば夢主は許してくれるそうだ」

　リーダーであるリゾットがメンバーに問いかける。だが、誰も話そうとはしなかった。

　「おいおい、誰も言わないのか？　情けねえ」
　「黙ってろイルーゾォ」
　「何だと？」

　イルーゾォとホルマジオの言い争いが始まり少しだけ重々しい空気が緩む。

　「この中でプリンを食べそうなのは、ペッシ、イルーゾォ、ホルマジオ辺りじゃないのか？」
　「「あぁ？」」

　メローネの言葉にイルーゾォとホルマジオは凄み、ペッシは汗を流していた。

　「ペッシは関係ねーよ。俺と仕事に行ってたんだからな」
　「それを言うなら今日は全員が集まるまでアジトにいたのは、リゾット、ソルベとジェラート、ギアッチョ、夢主の5人じゃねえのか？」
　「夢主以外、その中の4人の中に犯人がいると言うことだな」
　「リゾットはプリン食べなさそう」

　一体、誰が犯人なのか…リゾット、ソルベ、ジェラート、ギアッチョの中に果たして犯人はいるのだろうか？

　メンバー達の話し合いに夢主はペッシよりも多い汗を流していた。その日、プリンを食べようと冷蔵庫を開けるとプリンは失くなっておりリゾットに相談したのだ。

　だが、夢主は今の今まで忘れていたのだ…夜中に寝ぼけてプリンを食べてしまった事を…

　正直に言おうとしてる内に話が大きくなって引くに引けなくなってしまった。今も様子を伺い話そうとするが、話しに割って入れずに冷や汗をかいている。
　そんな夢主の様子にリゾットは余程ショックを受けているのだな、と要らぬ勘違いをしていた。

　正直に言わなければ…これ以上、耐えられない…

　「あ、あの！」

　夢主の声にメンバー全員の視線が集まった。それが、また非常に言いづらい環境を作り出した。

　「…あわわわわ」

　「どうしたんだ、夢主？」リゾットからの問いかけにも答えられず、あわわわわと繰り返すばかりだった。

　「もしかして犯人が分かったのか？　どの野郎だ？」

　夢主は心の中でもう止めてくれっ、と叫んでいる。

　「わわわわ、私が食べました…！！」

　白状すると空気はシーンと静かになり、冷たいものが夢主に対して襲ってくる。


　「おい、覚悟は良いのか？　俺たちを犯人にした罪は重いぞぉ夢主～」
　「夢主～こっちに来いよぉ～」

　夢主は慌てて逃げようとしたが捕まってしまい、その後どうなったのかはメンバー達の秘密として封印された。